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いろいろコースを組んで自転車に乗っているのだが、盲点がありました。
三次・庄原の間がすっぽり抜けておった。
直線で往復できますよ。しかし、それでは面白くない。混雑している道なので危険が伴うし、最短距離を往復したところで、どこが面白いのかね。
迂回する道をゆったりと行こうじゃないか。
尾関山公園の駐車場に車を置く。ここの駐車場は島根ナンバーや他県ナンバーが休憩していて、メモを整理したり、携帯を点検したり、営業担当のデスクと化しております。
三次の市街地を抜けて、西城川に沿って遡上していく。
霧の中を進んで行くので、えらく冷たい。手袋の中を風が吹き抜けるので、手がかじかむ。もう、たまらない。コンビニに飛び込んで、洗濯用のゴム手袋を買う。
風を防ぐためのカバーなのだよ。これで手から体温が抜けていくのは防止できた。
ここが三次市と庄原市の境界、合併前は、君田村と口和町の境界だったのだよ。
両者、何が違う。ケーブルテレビの光ケーブルが電柱の間に張ってあるのが三次、途切れているのが庄原なのだよ。両者の間はプッツリ切れている。
ほどなく、西城川から離れて山間を進む。川沿いに道がありそうなもんだが、ないのだよ。ダムで堰き止めようか、という計画があったのだが、ぽしゃったようだよ。
そりゃぁ、ダムに狙われる地形だもの、道なんかありはしないさ。川筋から離れて山間に迂回するのは当然のことなんだよ。
口和の交差点を右折する。比和川が西城川に注いで、比和川大橋を跨いで尾根を越えていく。
再び、西城川に沿って進んで、庄原大橋を渡って庄原の市街地に入る。
市（いち）の始まりは、交易の始まりは、川沿いに始まるのが自然なのに、庄原の市（いち）は丘陵の中腹から始まっているんですよ。
市街地が西城川の岸辺まで達するのは、ほんの最近のことなんですよ。舟の港が誕生しなかったのは実に不思議なことだと思うよ。
庄原の市街地を抜け、国道１８３号線と交差して、県道６１号線を進んで行く。
一度は峠を越えたのに、まだ庄原市の市域なんですよ。坂を下って川が出てくる。本村川なんですよ。中山峠から発した本村川がここに来ているのだよ。
このへんに庄原市・三次市の境界がある。自然境界と自治体境界とが不自然だ。昔々、それぞれの地頭が切ったり取ったり押したり戻したりの戦があったと想像できるね。
平安時代から鎌倉時代までは地頭といった。室町時代になると国人（こくじん）領主と称するようになった。国人（こくじん）ともいう、国衆（くにしゅう）ともいう。地頭も国人も、地方豪族・地侍なのだよ。
で、この本村川が上下川と合流する。上下川の上流には灰塚ダムがある。灰塚ダムが大きいから馬洗川の本流は上下川だと思うでしょ。
ではないのだよ。この川は支流なのだよ。本流支流は誰が決めるのだろうね。承服できなくても、そう決まっているのだからしかたがない。
上下川を跨ぐ橋が大渡大橋、上下川から離れて三良坂の市街地を目指そう。
ここが三良坂の市街地、旧街道から別のところにバイパスが出来たので、旧街道の商店街はすっかり寂れてしまった。
有力な商店はバイパスに出て栄え、引っ越す資力のない商店はじり貧に喘いでいる。
しょうがないよね、適者生存とスペンサーが語り、ダーウィンが環境に適したものだけが生き残るといった、淘汰不淘汰の進化論で説明できることだもの。
三良坂から吉舎に遡上する川が馬洗川の本流なんですよ。
今見ている川幅が異様に広いのは、堰を設けて堰き止めているからで、流量は上下川と差があるとは思えないがね。
この下流で、上下川と馬洗川は合流して、馬洗川として流れている。
ここで取水して、上水道にするべく浄水場が設置されている。上水道、工業用水、じゅうぶんな水量があるのだよ。
馬洗川の堤防を走って、十日市の市街地は避けて進もう。
ここが巴橋、三次は三次と十日市の双子の街で、巴橋が両者を結んでいるのだ。
巴橋の橋の上から、西城川と馬洗川の合流点が見えている。今日は、西城川を上り、馬洗川を下ってきたのだよ。
国土交通省の標識によると、西城川と馬洗川が合流して馬洗川になり、可愛川（えのかわ）と馬洗川が合流して江の川（ごうのかわ）になる、そういう命名になっているようだ。
尾関山公園まで帰ってきました。今まで自転車で走らなかった空白部分を埋めて、満足、満足。


三次の尾関山公園、ここに駐車する	三次市街を抜ければ西城川に沿って進む

三次市と庄原市の境界	比和川を跨ぐ、比和川大橋

庄原大橋から西城川を、ここで西城川から離れる	国道１８３号線と交差する

庄原市と三次市の境界	上下川、本村川、上下川の上流に灰塚ダムがある

三次市三良坂町の旧街道	馬洗川、本流は三良坂、吉舎の上流を指す

巴橋、三次と十日市を結ぶ接点	巴橋から見る、西城川、馬洗川の合流点