2003年8月29日
しぇるぱ単独
山域:広島島根県境

吾が妻よ、イザナギが呼ぶ吾妻山

 

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原池越しに吾妻山を先週、比婆山に行ったからには、その真向かいの吾妻山にも行かなくちゃね。
庄原から比和の町へ、町を突き抜けて、県境目指して行くんだね。道幅もそうそういつまでも広いわけにはいかないね。山岳ロードに似合った道幅になってきたよ。
やっと駐車場に到着。どこに止めればええんだろ。
本館方向へは似つかわしくないね、キャンプサイトの駐車場へ止めたほうがええのかな。
キャンプサイトを登って行くが、この方向で間違いないのかしら、本館方向へ舵を修正しよう。
池の原の国民宿舎大池、ひょうたん池、原池、ほかに小さな無名の池がある。大池から順に原池のほうへと渡って行こう。
ここに池があるから、ここの地名を池の原というんだとさ。
なんで池が集中しているかというと、砂鉄を採るのにカンナ流しする、その水源を確保するためなんだそうだ。
カンナ流し、タタラ吹き、意味がわからなくても覚えといてね、砂鉄を採って玉鋼に精錬する工程の名前なんですよ。
中国地方の山々では、この二つの言葉がいやというほど出てくるもんだよ。
小坊主のこぶ原池の名前のとおり、ここからは広い原っぱが広がる。国民宿舎の本館がそびえているよ。高笑いの声がするが、おばちゃんたちのお泊りがあったんだろう、繁盛してるのはええことじゃないか。
原っぱはもともと、牛の放牧でこうなったんだそうだ。平成7年までは牛の放牧があったそうだが、牛糞におびえながら草原を進んだものだそうだよ。
草原を維持するため、草刈機で刈り払ってある、うぅむ、牛の代わりにひとがやらなきゃならないか。
吾妻山頂上やらなきゃならないのだよ、放っておくと、ススキなどの背丈の高い草に覆われ、潅木に侵食され、背の低い花々は埋もれてしまうのだそうだよ。草刈でお花畑が維持されているんですよ、その点、北アルプスなんかとは訳が違うんだい。
草原の中に小高いこぶがある、小坊主というんだとさ、道を外れてそっちへ行きたくなるのは馬鹿となんとかでワハハのハ(^o^)
高みに登ってみたものの、吾妻山への道は見下ろして見上げて視線が伸びる、こぶの斜面を下りて登り道に戻るのさ。
草原が潅木に変わり、その潅木もじきにしょぼしょぼとしてくる、風衝のせいなんだろうね。
吾妻山から烏帽子山比婆山をベンチがあって休みたいところだが、先客が占拠しているから素通りしよう。そんなに休みたいような難路ではないものね。
左へ進んでいるコースが右に曲がって、まもなく頂上、やっと着いたよ。
反対側には島根県横田町の集落、見比べると、広島県比和町より標高が高く山に近いような気がするな。
真向かいに烏帽子山、比婆山、池の段から立烏帽子山の連峰が見える。目を移すと、福田頭が南にある。
逆を振り向くと、猿政山、どちらもそのうち、お近づきになりましょうね。
麓の国民宿舎この山の名前が吾妻山、国生み神話のイザナギ・イザナミを思い出してちょうだい。
イザナミノミコトが比婆山に葬られた、イザナギは、ここから吾が妻よ、と比婆山に呼びかけたんだそうな、それで山の名前が吾妻山というんだと。
イザナギ・イザナミの神話の概要を言うとね、成り成りて成り合わぬ所と成り成りて成り余る所、私の成り余る所をそなたの成り合わぬ所にさし塞いで国を生みましょう、という結婚神話なんですね。
大膳原から烏帽子山比婆山を途中を省いて先を急ぐよ、火の神を生んでイザナミは火傷で死んでしまう。そこで比婆山に葬ったということなんですよ。
まだ続編があるんだよね。妻を忘れられなく、イザナギは黄泉の国までイザナミを訪ねて行く。そこで、腐って肉が崩れている妻を見る。見られて怒ったイザナミは毎日千人殺しすと宣言し、イザナギは毎日千五百人の人が生まれるようにすると言い返した。
おかげで、有史以来、人口増だったんだが、ここんとこ逆転して、イザナミが勝っているようだね。
大膳原、後ろは吾妻山あっという間に頂上まで登ってしまったよ。これじゃ、昼食前にもとの駐車場まで戻ってしまうぞ。
烏帽子山がおいでおいでと誘惑している、吾妻山と烏帽子山の間には大膳原の渡り尾根が伸びている。時間もあるし、烏帽子山まで行ってこようか。
大膳原もかっての牧場跡、広い草原で気持ちがええなぁ。
ブルドーザーのキャタピラ跡がある、島根県横田町のキャンプ場建設のむちゃくちゃ頑張りの跡なんだね。こんなに爪あとが残るまで頑張らなくてもええのにね。
烏帽子山から吾妻山をとんとんとんと登れば烏帽子山、いや、ほんとはね、見栄張りました、頂上の手前で坂が急になってあごを出したよ。
金曜日なんだが、結構ひとが通るもんだね。通常のコースからだけじゃない、振り向いたらひとがいた、あれはわたしの後ろから登ったに違いないよ。
標高では吾妻山が1239M、烏帽子山で1225M、大差ないのだが、吾妻山がはるか高いように見えるね。
比婆山を眺めたら、降りようかい。
南の原大膳原のゆるゆるとした登りはこたえるね、草原で陽が照りつけるせいかな。
吾妻山から烏帽子山へ、けっこう人気があるみたいだよ。出会うグループもあるし、振り返ると、こっちへ来る姿も見える。
やっと吾妻山の麓のブナ林の中に入った、ここも伐採することなく手付かずのようだね。
なんでブナが残ったか、曲がっているので材木に向かなかったのさ。刳った木の椀やしゃもじなどしか用途が無かったんだね。
吾妻山のブナ林どんどん降りて行くと、南の原、もともとここは放牧の原っぱだったんだそうな、牛を放すのを止めたので潅木のやぶに変わってしまっている。もう、原とは言えないね。
キャンプ場の敷地内に戻ったが、駐車場はどこなんだろう。敷地があんまり広いので、地図を見ても見当が付けにくい。
池を見たので、どこにいるかのロケーションが判ったぞ、ここが朝に通った池だ。
さぁ、駐車場まで戻りました。後は、家を目指して帰ろうかい。

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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