2010年8月19日
しぇるぱ単独
山域:広島県北広島町

火野山(日野山)日山ひのやま城跡

 

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国道の標識つい先日、猿喰山に登って、地図をながめて気がついたのだが、この周辺はほとんど登ったことがない。
一番手近の火野山に登ろうか。
千代田インターから先の浜田道は無料になった。社会実験だから、この先も無料かどうかは不透明だね。
無料なんだから、次の大朝インターまで足を伸ばそう。
大朝インターを降りて、千代田インターのほうへ引き返す。
集落の名前が中山、そこに案内があるはずなのだが、見当たらない。
ここか、ここかと、探しているうち、次の集落まで行き過ぎてしまった。引き返そう。
あった、火の山城址、と案内がある。
千代田方面から来れば見えるのだが、大朝から来れば案内の裏側しか見えないのだ。これでは判らないはずだ。
ここは北広島町、旧千代田町と旧大朝町の境界で、集落名が中山、道の傍に円光寺がある、そういうロケーションです。
案内看板に従って、たんぼの中の道を登る。すぐに駐車場で、この駐車場は城を見に来たひとの駐車場のようだ。
駐車場説明看板は何枚もあります。教育委員会の看板もあるし、観光協会の看板もある。
この先に足りないものがあります、それは矢印看板。どの分岐を進むかは自分で道を探しながら進まなきゃならない。
矢印看板があった、日山城址 本丸 徒歩約40分
あぁ、そう、そんなものなのか。ごく短時間で往復して戻って来れるね。
嘘だよ。真っ赤な嘘。40分で歩くには天狗の脚でもなきゃ無理だね。登って降りて、ほんとのことが判りました。
舗装路が尽きて、道は地道に変わって、この先で道が分岐している。看板があって、字名大平山と書いてある。
タイヤ跡が頻繁なほうを選ぼうか。
ふたたび道が分岐しているが、下の道は砂防ダムの工事用道路のような気がするよ。上の道を選んでみよう。
建設中の林道のようで、違うかもしれない、と半分あきらめていたが、案の定、谷の奥で道は尽きてしまった。
字名大平山の看板のところまで引き返して、下の道、谷沿いの道を進む。
これが解りにくい道で、右の谷を行くか、左の谷を行くか、道がはっきりしているから左に進む。
間違えた林道の終点字名郷々谷と看板があって、その奥はだんだんと道が細くなって、これは違うと明らかになる。
左の谷でダメなのだから、右の谷に進めばええだろう。
草を掻き分けて進んでいると、向こうにちゃんとした道があるのが見えている。
方向を変えて、ちゃんとした道に合流しよう。
この道はどこから来た道なんだろう。砂防ダムの下からやってきている、さっき、工事用道路だと見捨てたのは間違いだったのだね。
軽トラも通れる立派な林道なんだよ。
整備された道はそうそういつまでも続くわけではない。細道になるが、踏み慣らされた道で、安心して辿って行ける。
谷の流れを渡渉する。その向こうに日山城址と案内板がある。
駐車場にあって、それ以来、始めての案内だよ。
ここの立て札に謝意を述べますが、お願いだから、入口の分岐に立て札を立てておいてほしいものだね。ごく簡単な作業なのにね。
ここからは谷の流れと並行して登って行くのだよ。自然石を積んだ石段もある。
始めての案内板道は細いが、それでもこの道が日山城の大手道だったのだそうな。
毛利元就が妻の実家の吉川家を奪って、次男の元春が吉川家・日山城を継いだ。
それ以来、吉川元春が毛利の北部軍団の総司令部になるのです。
三男隆景は三原の小早川家を奪って、家督を継いだ。彼は水軍の総司令部になるのです。
そんな経過で、吉川元春は、この日山城で尼子と対戦し、豊臣秀吉と戦っていたのですよ。
この大手道を歩いてみると、とても数万の軍勢を指揮した城とは思えない。
おそらくこうだろう、館を麓に置いて、中枢機能をそこに移したに違いない。
情報戦、外交折衝、兵站補給の事務方は山の上にいては仕事にならないものね。
火野山の南西麓に吉川元春館跡というのがあるが、ここに吉川元春の隠居所があったのだそうな。
道の駅なのか、復元したレプリカなのか、現在、そういう施設が営業しております。
隠居の館があるのなら、現役当時の館がないはずがない。どこかにあったはずだよ。
山の上の城から足軽が槍を連ねて駆け下りる、その場合、槍が梢に引っ掛かって渋滞することだろうよ。
大門の原長い槍は持てない、短い槍しか持てない。こんなことでは戦にならない。山城の限界は早くから解っていたはずだよ。
お話しをもとへ返そう。谷の流れと道が並行していて、何度か流れを渡渉して、どんどん谷を登って行く。
雨の日にはこの道は途絶することだろうよ。なんぼ城が立派でも、アクセスは最悪だね。
枝にブリキ板の案内があって、日山城は谷から離れる、谷沿いに進むと浄必寺、寺の跡はどうでもええさ、城跡のほうへ進んで行く。
やっと谷筋から離れた。山腹を登っている。尾根道を登っている。
米蔵段と案内がある。ここは狭いからこの奥に米蔵段があるのだと思うよ。
がんばって登れば平地が出て来た。中城と立て札がある。
この奥は、谷の源頭から続く崖の道を登ることになる。
登れば、大門の原と看板がある。平地になるように開削工事が施されている。
姫路丸という名前の場所がある。さっきの崖地の道を守備する建物があったのだろうね。
大原の門は平地だが、土木工事で残した稜線が皿の縁のように取り巻いている。
二の丸からの展望その稜線に登ると、←二の丸、本丸→の看板、先に二の丸から訪問しようか。本丸は最後まで残しておいたほうが楽しみが多いだろう。
どぉんと掻き上げの壁がある。土木工事を施して、傾斜を急にしたのだ。
壁を登ると、そこは二の丸だった。
地籍図の測量の跡が残っていて、二の丸からは麓への展望が効く。どこを見ているのか見当がつかない。
引き返して、本丸のほうへ向かおう。
下り丸という立て札がある。名前のとおりなんだろうが、下り丸という名前には始めて出会った。他では見ない名前だねぇ。
本丸、三の丸と立て札があって、下を覗いてみたが建物を建てるスペースはないぞ。三の丸への方向を示しているのだろうね。
壁を登って、ここが本丸。
広場はある、ただし、萱に覆われて踏み込む余地はない。
広場の向こうから展望はどんなもの、と確かめたいが、どうにもならんね。冬から春の枯れ草の時期でないと手が出せない。
広場の入口に三角点がある。だれもが三角点で満足して、そのまま引き返している。わたしもそうしよう。
本丸跡下り丸と三の丸分岐の中間に、野イバラが繁っている箇所がある。麓から頂上までで、ここだけは痛い思いをしなきゃならない。10歩の距離を我慢しながら歩くしかない。
二の丸本丸分岐まで戻って、大門の原を過ぎ、姫路丸から尾根道があるようなのだが、まぁ、来た道を戻ろうか。
崖の道を登った印象があったが、降りる時には、さらにその印象が強まるね。
急な坂道で、谷の源頭の狭間を降りる、横切って尾根へ抜けて、尾根道を降りて行く。
尾根道の途中に、梢の間に米蔵段と立て札が見えている。
備蓄食料なのだが、中腹のここまで運んでくるのがやっとだろうね。
毛利の威勢が周囲に及んで、反乱反撃を受ける恐れはもう無くなった。
麓に備蓄すればええさ。初期の頃には山上に食料倉庫も必要だっただろうが、その必要もなくなったと見るべきだろうね。
案内板には、日山城には広い範囲に建物が点在してある、と書いてある。
一時期はハリネズミのように立て篭もることを優先して軍略を立てたことだろうよ。
大手道がこの谷沿いの道、アクセス道路がこんなに貧しいのでは、先々の隆盛は望めないね。
砂防ダム毛利の威勢が及ぶにつれて、この日山城の役割も終わった、と考えるべきだろうね。
有名無名の城をあちこちで見たが、馬も通えないこんな道は、どんな無名の城でも見たことがない。
尼子との戦で、勝った城を次々に接収して、前線に近い位置で軍団を指揮した、日山城はぬけがらになった、このように考えたほうが実態とあっているように思うよ。
一番狭い隘路を抜ける、流れと道とが並行したり渡渉したりの繰り返しになる。
長雨の時期に合戦が起きたらどうするの、雨が止んで水が引くまで出撃を待つのかい。
林道に出て、軽トラも走れる道になってきた。
そのまま進むと、砂防ダムの下まで降りてきた。砂防ダム左岸の林道と合流する。道の奥まで進んで、これは違うと見捨てた道だよ。
このあたりの分岐分岐に立て札を立ててほしいのですよ。
入口さえ判れば、あとはダイジョウブ、吉川元春時代からの道が今でもしっかりとしている。
駐車場までの途中に、常仙寺跡、石段がある
常仙寺跡石段を登って訪問すると、寺というよりも、塚だった。
塚には吉川興経が祭られている。吉川家を乗っ取って、そのときの当主吉川興経を隠居させ、幽閉した、その供養なのだそうな。
さて、駐車場に戻ろう。
看板に書いてある片道40分はとても無理だよ。うかうかと誘いに乗らないようにね。

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。
でも軌跡を示しています、高低を示す断面図も表示できます


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