2008年7月16日
しぇるぱ単独
山域:岡山県津山市

広戸仙、別の名前が爪ヶ城

 

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声ヶ乢今夜、大阪で囲炉裏の月例会があるんですよ。
一年に一度ぐらいは顔を出さないと忘れられてしまいそう。
ということで、出席するんですが、単にこれだけでは、費用対効果、コストパフォーマンスがあまりにも悪いよね。どこか山に登ってから夜の席に出ることにしようぜ。
兵庫・岡山の山でどこかええ山がないか。那岐山の近くが今まで登ったことのない空白区域になっている。よし、広戸仙、この山に登ろう。
実はね、今は合併して津山市だが、合併前は勝北町、そこの役場の前に広戸仙と案内看板が出ているんですよ。
わたしの刷り込みでは爪ヶ城、古い地形図もそうなっているんですよ。ところが、新しい地形図を見ると、広戸仙となっている。
いまでこそ、両者は一緒のものだと認識しているが、一時は、爪ヶ城と広戸仙が隣り合わせていて、別々の山だと思い込んでいたもんです。
高速道路は津山インター、ここからは、下の道を那岐山の方向へ進む。
旧役場前で標識に従って左折、広戸仙へと向かう。
第1展望台地図を仔細に眺めていると、山の麓から広戸川という川が流れ始める。
旧町役場の近くまで来て、さらに南下して、いくつかの川と合流するが、名前は広戸川のままで、最後は、津山市街の南で吉井川に合流する。
なるほど、広戸の名前はこの近在では鳴りとどろいているのだ。だから、国土地理院に改名運動して、地形図の名前を広戸仙とリネームさせたのだ。
別名、爪ヶ城の由来はね、どこやらの方向から眺めると爪の形に見えるからだとか、中腹の矢櫃城から最後の砦、詰ヶ城だからだとか、あれこれ言っております。
ずっと舗装路を登って、ここは
声ヶ乢こえがたわ、この峠に駐車して斜面を登って行くんだね。
峠の切り通しから階段の道が始まる。
まむし注意と恐ろしい立て札があるが、道は刈り払ってあるからね、繁みが濃かったら不気味だが、これならすぐにわかるから安心だよ。
道は折り返し、切り替えながら、何度も曲がって登って行く。
昨夜は夕立があったものらしい、地面が濡れていて、草葉はぐっしょり水を含んで、水蒸気も充満していて、展望は悪い、極めて悪い。
第2展望台から
声ヶ乢こえがたわの峠の反対側の山形仙が真向かいに見えるはずなのだが、ぼんやりと霞んでいる。
ここが第1展望所、天気が悪かったのだ、展望はあきらめて先を急ごう。
谷向こうに稜線が見えている。こっちの稜線を詰めて登って、そっちの稜線に折れ曲がって移って行くのだな。
その稜線の接合ポイントから尾根の先端へ向かって、第2展望所
水蒸気もだいぶ薄れて、真向かいの山形仙も見えるようになってきた。でもまだぼんやり。さっきは全然見えなかったのだぞ。ラッキーと思わなきゃ。
反転すると、これから登る稜線が見えている。
第2展望所までは草を刈ってあって快適な道だったのですよ。ここからは草が刈ってない、繁るに任せたままだよ。
岩場があって鎖が置いてあるが、そんな大層な岩場ではないよ。ははぁ、そうか、冬の雪の季節に値打ちが出るのか。
標高1000メートルと案内があるあたりに石のベンチがある。こんな重い石をよくここまで運んで来たもんだな。
岩の展望台からこの先の峰に注目、やぐらのようなものが見える、そこから槍のようなものが突き出ている。
アセビの植生を通り抜けて、広戸仙の頂上が見えてきた。水平な稜線の先に台形の頂上部が載っているのだね。
山頂あと600メートルの看板のポイントで、展望所の案内がある。どれどれ、どんな展望か寄ってみなくちゃ。
ほぅ、平らな岩の上から展望が開けているのだよ。
うぅむ、広戸仙の全貌がここから見える。象の背中を思ってちょうだい。水平な背中ね。象の頭が頂上部。顔と鼻は反対側だから見えていない、そう解釈してね。
なるほど、と納得したらさっきのポイントへ引き返そう。
登山路と矢印に従って前へ進む。
あのね、岡山県人は意外なところに厳格なんだよね。登山路と下山路を厳密に使い分けているのだよ。
登り方向の矢印には登山路、下り方向の矢印には下山路、そう表記してある。両方に矢印のある看板がない。
第3展望台からわたしは、登りも降りも、どっちも登山路だと思うよ。そんな区分も取り決めも考えたことがない。
ただね、安芸高田市の大狩山、ここには地元の人の思い入れがあって、ここは是非とも、時計回りで一周してほしいのだそうな。一方通行で歩いてほしいのだそうな。
この場合は、登山路・下山路の意味は別の意味を持つことになるがね。
この先を進めば第3展望所、第1、第2の展望所はアズマヤだったが、ここのは屋根がなく、やぐらだけになっている。
遠くから槍かと見えたのは避雷針だった。
ここには三角点があるのだ。基準点名を調べてみると、爪ヶ城、譲るところは地元に譲ったが、譲れない基本は守ったちゅうことなのだろうね。
真向かいに滝山が見える。背後に那岐山があるのだが、写真に撮ってもぼんやりとしか出てこない。
この先に広戸仙の頂上が見える。ここからどっと下って登り直すのだ。
どさっと相当下りたような気がしたが、カシミールでコース断面図を見てみると、たいしたことがない。感覚ではギャフンというほど下りたような気がしたんだがね。
広戸仙山頂狭い尾根道を水平に歩いて、岩場がこんもりと盛り上がっている。そこが最高地点、新しい地形図には1115mと標高が書き入れてある。
地形図の書入れが新旧で違っているので驚いたもんだよ。そのへんが古い地形図と新しい地形図のサービスの違いなんだろうね。
さきのやぐら、三角点のところまで帰って、そのまま来た道を戻ろうか。別の道を進もうか。
えぇい、男の子。安全第一で元のコースを引き返しては男が廃る。新しい道を降りていこう。
最初はね、新しく切り開いた道なのか、前々からの仕事道なのか、判然としなかったんですよ。
歩いているうち、解ってきた、これは昔ながらの道だ。
草刈りはしてある、今年の一回目の草刈りはすんでいる。毎年、草刈りは実施してあるように見えるね。
時々、鉄板に赤い○の印が出てくるんですよ。このコースだけに出現する目新しいサービスだね。
下山道の看板と洞穴コースの看板がある。洞穴コースは通行禁止になっている。道が崩壊したんだろうね。
甲山基準点ここが矢櫃城跡だと案内があるが、どうも合点が行かない。
こんな高いところに防衛拠点を構えてどうするの。領地が荒らされても駆けつけるのが間に合わないだろうに。
作物は刈り取られ、領民はさらわれ、人買いに売られてしまうだろうに。隣りの領主との争いは、略奪・人攫いが一般的だったのだそうな。
弱い領主の領民は、強い隣の領主に保護を求めて、領地領民、ごそっと移って、段々と侵食されていくのだそうな。
さて、そんな弱肉強食の世界です。こんな山奥に城があったとは思えない。あっても砦塞の程度のものだろう。のろし台程度のものかもしれないね。
見も蓋もない反論だが、最近の中世研究はこんなふうです。庄屋文書や寺社文書の解読が進んだんですよ。
領民がおとなしく領主に従っていると思うと大間違い、ちゃんと「頼うだお方」を見極めて、村ごと里ごとにごっそり鞍替えするのはよくあることです。
今までの被官が追い出されて、隣りの領主から被官が派遣されたら、もうだめ。諦めるか、全面戦争に打って出るか、さぁ、弱い領主、どうするのかね。
折り返しながら尾根道を下りていっているね。
林道と出会うここは県下有数のアセビが卓抜優勢な区域だと看板がある。ほんまだ。アセビの樹は太いし、アセビの純林がどこまでも続いている。
ええと、ここが鞍部、尾根を伝わって下りてきて、今度は登って行くことになります。甲山へ登っているのだね。
登るに連れて、振り返れば、広戸仙が見える、滝山が見える。
最初は、矢櫃城址の尾根が視野を塞いで、頂上は見えないが、登るに連れて、段々と背後の広戸仙が見えるようになってくる。
ここが甲山の頂上、ここのは三角点ではないぞ。二級基準点とある。
基準点とは国土地理院の関与するものではないのだそうな。防3と銘打ってある。自衛隊が測量したポイントかもしれないね。
頂上から南に岩陰がある。ここに兜神社があったのだそうな。明治期に麓の広戸神社に移したのだそうな。
この先は植林の中の道で、もっと間伐してほしいな、ちょっと薄暗くて気持ちが悪い。
ぽんと林道に出た。やれやれ、舗装路だ。
峠の茶屋舗装路で安心なのだが、これがけっこう長いのだよ。
アズマヤがあって、鉄板で踏み切りが作ってある。ハンググライダーかパラグライダーのテイクオフポイントだな。
この先、舗装路はまだ続くのだよ。
鳥居があって、ははん、山の神か。違った、愛宕神社と書いてある。こんな山の中には筋目の神はなかなかいないものなのにね。
峠の茶屋まで出てきたぞ。ここから駐車場まではほんのちょっと、やれやれ、一周して帰ってきたよ。
これから広島へ帰るのではないよ。さて、これから大阪まで足を伸ばすのだ。囲炉裏の月例会に出席するのだ。

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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