2008年12月15日
しぇるぱ単独
山域:鳥取県日野町

鳥取県、日野町根雨の宝仏山

 

画像をクリックするとそのままそこだけ拡大表示されます
Microsoft Edge のユーザーは、画像・テキストにちょっと触れてください、その効果で、ポップアップページは消えます
Internet Explorer Google Chrome Mozilla Firefox のユーザーは何もしなくてもポップアップページは消えて行きます

 

日野町役場前々から宝仏山には目をつけていました。標高差がただごとじゃないというのです。
ただごとじゃない、そういうの大好き、いっぺん行ってみたいものだ。
最近では、岡山鳥取県境の毛無山けなしがせんに登るとき、通る道々、宝仏山を見上げたことがあります。
米子へ行くのに、高速道路を使わないルートを発見しました。道後山の近くで広島鳥取の県境を越えるルートです。
全部国道だけに道幅が広い、それなのに、交通量もまぁ空いている、有料道路を使うより、こっちのほうがええ。
さて、行くぞ。鳥取県の天気予報は雨のちくもりだが、今日は新聞休刊日だから出かけるとしよう。
へぇ、新聞休刊日に何か意味があるの?いえ、なんにも関係ありません、何となく、踏み出すきっかけに使っただけ。
朝まだ暗いうちから出かけるのだよ。いつまでも霧が深いのでライトをつけたまま走って行くよ。
道後山の峠を越えて鳥取県に入る。日南町、日野町、江府町、県境から順番に並ぶ町だが、何が共通していると思う?
400mポイントそれはね、いずれも合併せずに単独町制を選んだ町。日野川の流域にあり、JRの伯備線が通っている町。
もひとつ共通点、全部、黒坂警察署の管内なんですよ。
通る途中で、黒坂警察署の看板を見た。なんで警察が集落名を名乗っているのだ。ずいぶん狭い範囲じゃないか。
広島県では、おおむね自治体の名前が警察署の名前なんですよ。岡山・島根・山口、だいたいそうなっている。
たぶん、日本全国そうなっているのだと思うよ。
鳥取県だけが、自治体の名前と警察署の名前が一致しなくても別に気にしない、そんな感覚のようです。
郡家警察署、智頭警察署、浜村警察署、八橋警察署、黒坂警察署、名前と管轄区域とが不一致です。
鳥取だけが異例というのではないよ。大阪の堺にね、黒山警察署というのがある。
黒山という地名は無いんですよ。付けた名前を連綿と引き継いで、今でも黒山警察署と名乗っている。
小平大阪に住んでいたころ、この警察署の前を通るたび、奇妙な感じを受けていたもんだよ。名が体を表わしていない。
日南町の生山、日野町の根雨、江府町の江尾、伯耆町の溝口、どこも、黒坂よりはるかに市街地の体裁が整っている。
それなのに、なんで、それらの市街地が警察署を自分のところに引き寄せようとしないのか。
せめてこんな動きはないのかね、黒坂の名前を広域の姿に合うような名前に変えようとしないのかね。
それはね、明治19年に黒坂警察署をここに置いたのですよ。明治からの名前をそのまま名乗り続けているのですよ。
歴史の重みで動かしようもないのだろうね。先例を覆すのは不可能なのかもしれない。
根雨の市街地に入る。
川沿いにバイパスが市街地を迂回しているが、ここは敢えて旧道へ入って行かなきゃならない。
目標は山陰合同銀行根雨支店、ごうぎんの山の会が登山路の道標を設置した、という記事を見ていたのでね。
大平ええと、ここがごうぎん、登山道の案内があって、「役場・ごうぎんの駐車場をご利用ください すぎの子会」とあるが、銀行の駐車場にはそれほどスペースがあるわけじゃない。
営業の邪魔になるだろう、町役場の駐車場を使ったほうがええだろう。ここが町役場、JR根雨駅の真向かいなんだね。
さぁ、歩こうか。ふたたび、ごうぎんの前まで戻って、次の路地を曲がればええのだな。宝仏山道入口と看板がある。
路地の突き当たりに日野町歴史民俗資料館、建物に沿って右側を迂回して谷沿いの道に入って行く。
谷の板橋を渡って杉林の中、すぐに突き抜けて林道と交差するのだよ。
道を渡って向かいの斜面を登る
ここからが杉林の中なんだが、ジメジメと暗い谷底の道で、陰々滅々としたガラガラの石ころ道だよ。
谷底から左へ抜けて明るい稜線に出る。やれやれ、ほっとした。
600mポイント標高400mと看板があって、覚えておいてね、根雨の街では188mの標高だったんだよ、まずはここが400m。
登り尾根の道から、気持ち水平尾根に傾斜が変化してくる。
谷向こうに大きな山が見えているが、今の段階では、どれが宝仏山の山頂なのか判断できない
候補としてあの山だろうと推量はできるが、見えているところがそうなのか、さらにその向こうなのかが判らない。
日野川の谷筋が下流に開けた空間に白く雪をかぶった山が見える、当然、あれは大山だ。
稜線はこぶになっていて、そのこぶを越えると、小平という看板のあるポイントに出る。
昔々、ここは牛の放牧地だったということだが、道の片方は植林地、もう片方は笹原で、ふぅん、そうなのかねぇ。
尾根は大きく折れて曲がって、日野川と平行に進むようになってきた。
視界が変わってきて、川筋の集落が見える。見えているのは北へ進む県道なのだな。
800mポイント水平尾根を進んで、大平と看板のあるポイントに出た。ここも放牧地だったそうなのだがね。
尾根のこぶこぶの集合で、尾根筋は平らだが、どっと斜面が切れ落ちているから、牛の放牧には向いていないように思えるがねぇ。谷底に降りた牛をどのようにして集めるの。
標高600mと看板が出ているが、ちょっと異議あり、違うと思うよ。
ここではなくて、大平と小平の中間、尾根の屈曲点あたりに標高600mと看板を出しておいてくれたら納得なんだがね。
このへんからはぐっと斜面が持ち上がっているのが見て取れる。
実は、ここまでは、何だい、何だい、標高差が凄いと言うけどたいしたことはないわい、と鼻先でせせら笑っていました。
ここからがハイライト、標高差とはこういうものだ、と思い知ることになるのでした。
ぐんぐん登って、標高800mの看板がある。地図の上でも800mとマッチしている、ここでは異議なし。
なんで断定できるのかって?それはね、GPSの時刻位置とデジカメの時刻が一致する場所が800mだからなんですよ。
頂上手前さっきの600mの位置では、両者のデータが狂っているので、異議を唱えたわけです。
足許が滑るのだよ。登り始めたころは晴れていたのに雨になってきた。地面が濡れているのに落ち葉が積もって踏ん張りが効かない。
ずるりずるりと滑るのだよ。ダブルストックで四足歩行、ストックの先端を突き刺して体を引き上げる。
尾根をそのまま真っ直ぐ登る踏み跡がある。横を見ると、山腹へ逃げている踏み跡もある。山腹をジグザグに折り返して進む道なんだろうな。
ここは直進、真っ直ぐ登ろう。
決め手になったのは、笹の葉が雨に濡れている、笹原を進むとズボンがぐっしょり濡れてしまう、それは嫌だね、こういうことでした。
真っ直ぐ登ろうとしているんだが、重心が後ろにそっくり返って、ぐらりと体がゆらいでしまう。
横の笹原を見ると、もうダメ、こっちが楽、と横に逃げた踏み跡がいくつも見えている。
宝仏山三角点この先はどうかと、地図を見ると、稜線は狭くて、反対側の斜面も転がり落ちるように切れ落ちている。
稜線に出ました。なるほど、予想通り、両方とも切れ落ちていて、狭い稜線を登って行かなきゃならない。
はい、ここが三角点、さっき降っていた雨はちらほらと雪に変わっている。
記念撮影を終えて、しゃがんで稜線の先に目をやると、あれ、向こうのほうが高いじゃないか。
地図で確認すると、三角点が1002.0m、この先には1005mのポイントがある。そういうことか、知ったからには、最高地点を踏まずに降りるわけにはいかないね。
大きな岩場があって、乗り越えて、到着しました、宝仏山最高地点。
登り始め188m、最高地点1005m、その差817m、その程度のものは北アや南アにはあるだろうさ、山里に限定するとね、駅から歩き始めてこれだけの標高差、そうそうざらには無いと思うよ。
石碑があって、「宝仏山山頂 1005m」大山隠岐国立公園に編入されたのを記念して建てたものらしいね。
宝仏山最高地点寄贈者はごうぎんすぎの子会、企業サークルだから会社経費で、とはいっても、石材を運び上げたり、地面を掘って据え付けたり、労力は大変なものだよね。
山頂は切り開かれていて、根雨の市街が見える。いや、雨にくもってかすかに見える。天気のええ日に登りたかったな。反対側はガスに包まれてなんにも見えない。
捻じ曲がったブナが広場の脇にある。伐採しては、ひこばえの芽が出て、伐採を重ねて、このような異様な姿になったのだねぇ。
さぁて、降りるか。
登り始めは晴れ、途中から、雨、雪、再び晴れて日が差すようになってきた。
冬の山陰は天気がまちまちだなぁ。

OS,プラウザの種類、ヴァージョンによっては、JavaScriptErrorと宣告され、表示されない場合があります。
その時は下の文字、数字をクリックしてみてください。
1 2 3 4 5 6 7 8 9





詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。
でも軌跡を示しています、高低を示す断面図も表示できます


前ページへ

あちこちの山へかえる

トップページへかえる

 囲炉裏へリンク