2008年4月12日
しぇるぱ単独
山域:広島県庄原市

古蘇山、東城、吉野山林王?の山

 

画像をクリックするとそのままそこだけ拡大表示されます
Microsoft Edge のユーザーは、画像・テキストにちょっと触れてください、その効果で、ポップアップページは消えます
Internet Explorer Google Chrome Mozilla Firefox のユーザーは何もしなくてもポップアップページは消えて行きます

 

大一商店の管理人宅今日は集落の寄り合いのはずだったが、段取りが違って延期になった。暇になったんだから、どこかに出かけようよ。
前々から目を付けていた山があるんですよ。
地図を眺めているうち、富士山型の山を発見、同心円の山で、川も道も山裾を迂回していて富士山地形そのものだなぁ。
なんという山なんだろう。山の名前がわかりません。
あれは2月28日のこと、東城の道の駅で聞きました。
道の駅では、ずいぶん親切で、電話で山の麓の民家に問い合わせてくれて、ありゃぁのぉ、あんたんとこの裏の山はどういう名前かいのぅ。
一方で、住宅地図のゼンリン地図がありますよね、そのページをめくって調べてもくれる。
電話と地図と、同時にわかりました。あの山の名前は
古蘇山こそやまというのだ。
ありがとうございます。雪が融けるころ、山に登りにきますね。
もう雪も融けてだいぶ経つし、行かねばなるまいて。あんなに親切に探してくれたんだもの、ちゃんと応えねば。
この分岐から古蘇山へ東城から国道が北へ向かって走ります。市街地からすぐに、国道から県道12号線に別れて進む。
県道12号線という若い番号なので、当然、幅広の道だろうと思い込んでいました。大違い。
対向車が来たらバックしなきゃならない、狭い狭い道でした。
谷が開けて人家がちらほら見えるようになってきた。人家の近くではちゃんと対向の車線が確保される道になったよ。
お、真正面に富士山型の山が見える
地図を見て多分こうだろうと想像していた山が目の前に見える。姿はええよ、ただね、思いのほか、低いねぇ。傾斜もゆるい。ま、しょうがないか。
地形図には点線だけれど道がある。北から登って南へ降りるつもりで来たのだよ。
スタート地点とラスト地点を自転車で結ぶ予定で、自転車を積み込んでいる。さぁて、どこがラスト地点だろう。
車を止めて、聞いてみるのだが、おばちゃんは、わしゃぁ嫁に来たんじゃけ昔の道は知らんけぇ、おばあちゃんは、こっちから山には登れんよぉ。
参ったね。おじいさんがいた、こっちから
古蘇山こそやまに登る道はありますか。
峠の手前の四つ辻
古蘇こその山かいのぉ、そがぁな道はないよのぉ。道はあってものぉ、それぞれの家の道じゃけのぉ、じきに行き止まりになってしまうよのぉ。
え、あのね、地図には道があると- - - そうですか、ありがとうございました。
こりゃ無理だ、明治大正のころならあったのだろうさ。古老が知らないということは、相当昔から廃道になっているのだ。
予定変更だ。スタート地点から頂上往復、こうするよりほかに方法はないみたい。
千鳥別尺のヤマザクラ、看板を横目にどんどんと奥に入って行く。
このあたりから入って行くはず、という地点に立入禁止の看板がいくつもあって、ノットウェルカムの雰囲気がありありと感じられるんですよ。
もっと奥からかと、県道12号線を奥へ突っ込んで行く、この先岡山県境は通行止め、と看板がある。こんなに若い番号なのに道が途絶しているとは。
転回できる道幅をみつけて引き返す。立入禁止のずっと下に駐車して、様子を見ながら歩いて行くことにしよう。
歩いてみると、立入禁止の立て札には(株)大一商店と名乗りがある。
民家があって、民家の向かいに建物があって、頴川エガワ山林事務所と看板が出ている
林道は行き止まり大一商店、頴川、これは吉野の山林王だ。吉野の山地主で幸福相互銀行のオーナーだ、この名前には覚えがある。
すると、この民家は大一商店の現地経営の支配人か番頭さんなんだろうね。
立入禁止を許してもらうべく、こんにちわぁ、と叫んでも応答がない。許可をお願いした、黙認を得た、ということで山に入って行きますよぉ。
どの山道を進むか、テープも標識も何もないけれど、ここの道の傍には電線が山奥に入って行っているのですよ。
ずいぶんとキャタピラで踏み締めた山道が奥に続いている。電線に沿って、とにかく奥へ進んでみよう。
私有道につき立入禁止、この看板はズイと胸に突き刺さるが、ここはひたすら、ごめんなさいねぇ、勘弁してくださいねぇ。
始めは山の現場事務所への電源かと思ったが、
古蘇山こそやまの頂上に通信塔が見えたのを思い出した。通信塔への電源だ。
安心して電線の下を歩いていたが、道は左右に分かれて、真ん中を突っ切って電線が走っている。
こりゃ困ったな。とりあえず右の道を歩いてみよう。違うな、道は下がり勾配になってきた。引き返そう。
左の道は、梢が見通しを塞いでいたので戸惑ったのだが、この道だ。ちゃんと登りの勾配で間違いはない。
獣道か、ひとの踏み跡か四つ辻の交差点で、この先、峠を越えて道は下に下がって行っている。電線も谷の下に架線が延びている。梢の向こうに人家が見えるよ。
ははぁ、通信塔の電源と思ったのは早合点だったのだ。集落から集落へと繋がる電線だったのだ。
峠の手前の四つ辻まで引き返そう。
カシミールの軌跡は削除しとこうね。さっきの試しに歩いた右への道の軌跡も削除しとこうね。余計な情報は混乱を招くからね。
尾根のすぐ下を並行に歩く道だね。ほぼ水平の道だね。
ありゃ、尾根を曲がったところで、林道もここが終点だ。上を透かしてみると、この上が頂上だと思うよ。
めちゃめちゃ急な尾根だが、道があるような無いような。踏み跡が続いているのだが、体をうんと曲げなきゃこんな道は通れない。
これで解りました。1メートル程度の木の枝の下を通過できるのはケモノしかいない、これは獣道だ
植林帯が終わって自然林の中に入って行く。今ならまだ歩けるよ。絡んでくるから、緑が繁る初夏から先はとうてい抜けられないと思うよ。
こっぽりと山の姿が冠に見えている、この先が頂上だろうと思うよ。
古蘇山最高地点はい、ここが
古蘇山こそやま頂上、赤い測量杭があるが、自治体の測量杭だろう。国土地理院のものではないね。
岬状に突き出した頂上で、この先へ、短い尾根をつたって太尾根に向かう。
アセビの向こうに林道が見えている。その先に通信塔が立っている。ここも
古蘇山こそやまの頂上なのだ。
直立しているポールがテレビアンテナ、西に面したパラボラアンテナと東に面したパラボラアンテナがある。
西側は伐採されて通信領域が確保されている。真正面に見える山は、あれは福田頭だろう。比婆山を当ててみたが、違うな。ここから比婆山は隠れて見えないみたい。
下に民家が梢越しに見える。航空写真のように眼下に見える、と言いたいが、違うね、ペッタンコ目線でしか見えない、低い角度で眺めているのだ。
梢に邪魔されてはいるが、多飯ヶ辻山の偉容は透けて見える。
どれ、ほんまに南に降りる道はあるのかないのか確認しよう、ふぅむ、ちゃんとした踏み跡があるとは思えないね。むらびとたちの話しは本当だったのだ。
地図と対照すると三角点がここにあるのだ。これがそうかい、新し過ぎる標石なので怪しんだが、工事で欠けたのかな、三角点山頂と決定しよう。
電柱の識別ネームを見てみる、千鳥、なんだい、登山口から一緒に歩いた電線じゃないか。峠からあのまま歩いて行けばよかったのだ。
古蘇山のテレビ塔これで、林道を歩けば元の道に帰れると確証を得た。降りて行こう。
電線を邪魔する梢を切り開いた箇所がある。あの山々は岡山県との県境なんだな。低い県境で、とても障壁とは思えないね。
空を見ながら、電線に沿って歩こう。こっちから登山口に歩くのに見当は立て易い。
反対に登山口から頂上へ向かうには、一箇所要注意だね。うかうかすると谷を降りるから、電線に注意して登りの道を選ぶようにすることだね。
来るとき迷った峠を越える
登るとき、いったん反対側の斜面に抜けて、そこから頂上へ登り直す、こんなコースで歩くとは想定していなかった。
あとはとんとんと登山口まで降りてきた。
頴川エガワ山林事務所を覗き込んでいると、ひとが出て来た。なんでしょうか。
あ、すみません、立入禁止の山に入ってしまいました。
古蘇山こそやまの頂上まで行って来たんですよ。
登る前に声かけたんですが、留守のようでした。
パラボラアンテナの切り開きあのぅ、大一商店、
頴川えがわというと、吉野の山林王じゃありませんか。幸福相互銀行で知っています。
いやぁ、銀行が倒産してね、連鎖で大一商店も破綻したんですよ。この山だけが個人資産でね、大一商店はここだけで営業しとるんですよ。
裁判も大詰めに来とるようでね、もう整理がつくと思いますよ。吉野も四国も、山を全部差し出して、大一商店の持ち山はここだけになってしもうた。
おやまぁ、そうなんですか。現役当時、幸福相互銀行と取引があったし、大一商店も知らんわけじゃないのですよ。それじゃぁ、どうもぉ。
あのね、事情をかいつまんで言うと、こういうことなんですよ。
巨大山林地主の大一商店というのがあったんですよ。金融部門にも手を伸ばして、戦前に無尽会社を設立して、戦後は、それが幸福相互銀行と名前が変わったわけですね。
バブルが弾けて、幸福銀行は破綻宣言して、アメリカの投資ファンドが買い取って、関西さわやか銀行、再び売られて、合併して、今は関西アーバン銀行という名で、三井住友銀行の系列に属しています。
銀行の破綻の原因として、グループ会社への不正融資事件で、頴川えがわ社長は逮捕・起訴されて、懲役4年6か月の実刑判決が下った。
ま、こんなところです。
岡山県境の山々へぇぇ、驚いたね。こんなところでひっそりと生きていたのかい。
これは個人情報を洩らす行為だろうか、周知の事実を書き述べることなのだろうか。
後者だろうと信じて書いたが、後々、この部分は書き換えるかもしれません。
それにしても、さっき話したひとは番頭さんなのだろうか、それとも、
頴川えがわ一族の息子さんなのだろうか。従業員かなぁ。
駐車場所まで戻ったぞ。この地区の有名なヤマザクラを眺めて帰ろうか。千鳥別尺のヤマザクラの看板のところまで戻って、むらびとに質問。
ヤマザクラはどこにあるんですか。
谷向こうのあそこの山裾よの。まだ咲いとらん。25日を過ぎてかのぉ。ここのサクラは遅いんよ。
なるほどね、まだまだ咲く気配はないね

OS,プラウザの種類、ヴァージョンによっては、JavaScriptErrorと宣告され、表示されない場合があります。
その時は下の文字、数字をクリックしてみてください。
1 2 3 4 5 6 7 8 9





詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


前ページへ

あちこちの山へかえる

トップページへかえる

 囲炉裏へリンク