2003年12月17日
しぇるぱ単独
山域:広島芸南

瀬戸内の山、黒滝山、白滝山

 

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興亜橋の向こうに黒滝山先日の日曜日に忠海に来て、ロケーションを確認しといたんですよ。今、備後西国を巡礼しています。三原の寺を廻ったので、その時、ついでに足を伸ばしたというわけです。
これが一直線で最短距離だと、本郷から仏通寺経由の道をたどってみたが、細すぎる道で肝を冷やす道だったよ。やっぱり、竹原市の忠海に行くには、三原経由で海岸沿いに行くのが一番だね。
先日の下見で、駐車するには忠海港にスペースがある、というのを確認しといたんですよ。港に用事のあるひとだけ、と条件がついているが、かんにん、大目に見てね。
岸壁に駐車して、ふと思ったんだが、今、地震があって津波が来たら、そのまま波にさらわれてしまうなぁ。おいおい、リスクを考えたら何も出来ないさ。出発しようぜ。
地蔵院をバックに針の山忠海の市街から見ると、黒滝山は岩だらけの山だな。こんな山は南播磨でずいぶん見てきた。瀬戸内海沿岸なので同じ風景なんだね。
塩田で、塩釜を煮詰めるのに焚き木の燃料がいる、採り尽して、再生不能の山にしてしまったんだね。
街道に出て、橋を渡る、ガソリンスタンドの角を曲がるように案内が出ている。次々に案内があるから、安心して進めるね。
道を進むと、地蔵院の前に出てくる。この寺は、本堂と庫裏がくっ付いた建物になっているんだ。ここから黒滝山を見ると、山頂は針の山に見えるね。
寺の裏は広い墓場、自然に墓石を眺めながら歩いていくことになる。
戒名で、院号や居士信士などの位階の区別がある、死後までも階級を指定されるのはいやだよ。
黒滝山の針の先端地獄の沙汰も金次第、死後長くにわたって、死んだ当事の財布の具合が丸見えになるもの。
わたしの墓石には戒名ではなく、俗名を刻むことにしよう。
墓場を抜けると、車道がある、その上にジグザグに遊歩道が切ってある。
遊歩道の始めに数台分の駐車スペースがあるが、これは墓参り用なんだろうかね、解放されているのだろうかね。
ジグザグの最後にトイレがある、お堂がある、第一休憩所さくら堂とある。
ここからは忠海の市街と港が一望できるね。朝方は雨模様だったんだ、蒸気に包まれて遠くの展望があいまいだが、これはしょうがないだろ。今、フェリーが港に入ってくる、のどかだなぁ。
黒滝山頂上お堂の後ろからは山道になる、山道というより参詣道だね。道の脇に観音像が刻まれている、西国観音だね。
当然、四国巡礼だろうと眺めていたが、番号と寺名で西国巡礼なんだと気がついたよ。
だけど、番手がばらばらだなぁ、逆順になったり、突然先の番号になったり、まちまちだね。
何ぉぉ、乃木将軍腰掛の岩ぁ、なるほど、椅子のような岩だね、忠海重砲大隊特命検閲のため、ここに来た、てかい。
岩に刻んであるのは、西国巡礼ばかりじゃないよ、地蔵や布袋や羅漢、十三仏など、様々なものがあるね。
小さな鳥居があって、幸福の鳥居潜り、とある、ここを無事に潜れれば幸福になる、ということなんだろうね。
尾根に出て休憩舎がある、海も見ようよ、反対側の頂上も仰ごうよ。
黒滝山から白滝山をやっと観音堂まで来たよ。ここは麓の地蔵院の奥の院だそうな。麓を見ると、墓場から港までがわずかの平地だね、その先の平らは海だもの。
引き返して、頂上へ向かおうか、石鎚神社の鎖場がある、ハードルがあるからには立ち入り禁止なんだろうね。
迂回路を登ると平地、右に行けば突き当たりだった、梢越しに白滝山が見えるよ。
左に道を取って、階段の道とロープの道がある、ロープを手繰る道にしようか。登れば、ここが頂上、黒滝山。
目の前には、麓から見た針の山がある。頂上には大岩が鎮座する。これが黒滝山だね。
岩の後ろには木の階段の道がある、尾根通しの道なんだね。梢が途切れて全貌が見えた、あれが白滝山なのだ。
尾根を下りて、山腹をたどる道になると、木々に包まれて視界はさえぎられる、時々白滝山の岩場が見えるね。
龍泉寺の後ろに頂上ここの分岐はどうしようか、駐車場、白滝山、白滝山と書いてあるほうだろうな。
歩きながら見たところ、これは古い道だぜ。最近流行りの道ではないような気がするよ。
道は下がりながら、車道に出たよ。何の案内もない、案内はないけれど、車道を歩いて上に行くしかあるまいよ。
峠のところが駐車場だな、さっきの案内は、駐車場に向かうのが正解だったんだ。
駐車場からは白滝山へ車道歩き、車止めで止めてるから車は来ないさ。
寺に出たぞ、白龍山龍泉寺、曹洞宗の寺だそうな。本堂の後ろに頂上の岩塊がそびえているよ。
頂上の岩には石仏の刻像があるのが有名だそうだが、なるほど、これか、岩のあちこちに刻んであるね。
頂上の岩の線刻近すぎて写真に撮れない部分もあるよ、体を反らせて撮った刻像がこれだよ。説明によると、江戸時代初期に刻んだものだそうな。
ここが白滝山の頂上、黒滝山の向こうには海が広がる。反対側を眺めると、似たような岩山の向こうに高速道路が見える、山陽道なんだね。
帰りは別の道を歩こう。龍泉寺の山門の先に展望台がある、そこの尾根を下ることにしよう。
下りながら振り返ると、白滝山は岩また岩の山だね。当然、植生も貧弱なものだね。
下りたところが遊水地というか砂防ダムというか、谷を渡って反対斜面を登るんですよ。
そんなに苦労することなく元の来た道に戻る、ひとが大勢登ってくるよ、今日はウィークデイだもの、全員リタイヤ族だと思うよ、わたしもそのひとりだけどね。
白滝山から黒滝山を黒滝山の肩のところまで帰ってくる、ここに分岐があるんですよ。黒滝山の頂上を迂回する下山道がある、こっちを戻ろうか。
おおむね、8の字を書くように歩いているんだね、一筆書きの最初が8の字の一番下から始まるんだよ。
こっちにも西国巡礼の石仏がある、ははぁ、さては、かっての古道とは関わりなく、今の道が付け直されたので順序がばらばらになったのか。
竹やぶを通って行くが、竹やぶの地面を丹念に掘り返してあるね。もちろん、こんな無駄なことはひとの手じゃないさ、イノシシの仕業だよ。
ぐるっと廻って、さくら堂まで帰ったよ。あとは、もとの道を戻るだけだね。
白滝山の頂上♪ふぅるさとのきしをはぁな・れ・てぇ、ひぃとぉりねのた・び・じのはぁてぇぞぉ
♪ふぅるさとのきしをはぁな・れ・てぇ、ひぃとぉりねのた・び・じのはぁてぇぞぉ
歌声は無くて、オルゴールの拡声器の音だ。再び同じサビを繰り返す。12時のサイレンの代わりなんだね。
最初は、何の曲か、といぶかしかったよ、曲の途中から始まるからだよ。歌を当て嵌めると、これでよかったかな。
 名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実ひとつ
小学校唱歌「椰子の実」の歌の後半の部分なんだね。前半の部分は採用されなかったんだ。12時の時報も、港町ではこんな様子なんだねぇ。

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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