2004年2月13日
しぇるぱ単独
山域:広島県中央

やはりマイナーか、大土山

 

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論山堤雪に埋もれた山はいやだね、そこそこ適当な雪がある山に行こうぜ。大土山なんかどうだろう。
大土山とはJR芸備線沿線の山なんですよ。ところが、線路からはこの山は見えない。前景の山が隠してしまっているんですね。
まずは吉田口駅に自転車をデポします。車はそのまま向原駅に向かいます。
駅前の信号を東へ、ざっと2キロも走ると、大土山憩の森、という標識が出てきます。
そのへんの道端の空き地に駐車して、標識に従って林道を歩いていこう。この林道がまっすぐ延々と長いよねぇ。
山の両側には松林が続いている、枯れることもなく健康な姿じゃないか、ケッコウケッコウ。
庭石の貯石場とある、ははぁ、巨石がごろごろと積み上げてある。そういえば、このへんは庭石屋が多いところだね。
山の木を切って、ちょっと表面を引っ掻くと、その下は石ばっかりなんだね。
天の岩座神社の鳥居シャワシャワシャワと谷の流れの物音が聞こえる、池が上流にあるそうなのだが、もう近いのかな。
あれ、気が付くと、沢の音は聞こえなくなってしまったよ。ぬか喜び、どれだけ歩けば池に到着するんだろ。
あった、枯れススキを透かして土手が見える。あそこがそうなんだ。
池の名前が論山堤、水利権を争って延々と論争したから、この名前が付いたんだそうな。
今はマスの養殖をやっているようで、魚釣り禁止の立て札が出ている。
キャンプ場がある、ここはパスしよう、目指すは次のキャンプ場なんだね。
さて、第二のキャンプ場、絵地図があるが、ずいぶんと省略強調してある地図だよ。
山を降りてから見直すと、なるほどと納得したもんだが、これから進んでいこうとするには理解しにくい地図だよねぇ。
高天原、ご神体クマに注意と看板がある、野犬の群れもいるのだそうな。野犬にあえば、戻れ、引き返せ、と推奨している、この野犬はそうとうタチが悪いのだろうな。
大土山登山道と標識が案内している、さぁ、ここからは山道で、雪の道なんですよ。
誰かが歩いた足跡があるが、最近のものじゃないね。豊富にある足跡はヒズメがふたつに割れた足跡なんですよ。
シカなのかなぁ、イノシシなんだろうなぁ。前足の足跡に後足の足跡が重なるように踏むのはどっちだったかしら。
どっちもそうなら判定不能だね。
ヒズメの動物でよかったよ、肉球の見える足跡なら、クマか野犬じゃないか、そっちのほうがはるかに恐い。
立て札がある、ここは休猟区なんだ、保護区域なんだ、鉄砲で誤射される心配はないね。
谷越しに大土山をこの斜面、道はどっちだろ。ゆるく弧を描いて登る道と、直線で登る道に別れている。直線のほうに赤ペンキが塗ってあるからそっちにしようか。
道の両側が溝状に掘り下げられているんですよ。なんだか舞台の花道を進むみたいで気持ちがええね。
どこまでも続くよ、その労力努力には恐れ入るね。やっと平らなところまで来たぞ。
へぇぇ、鳥居がある。石の岩座神社というんだそうな。いったん下がった低地の先の高みにまた鳥居がある。
低地には横から道が来ている、さっき、どっちへ行くかと悩んだ道の出口なんだろうね。
ここが高天原、千畳敷なのだ。岩のひとつひとつに名前があって、シメナワが掛けてある。ご神体なんだな。
岩に登らないで、と看板で懇願している、困る嫌だと言っているんだもの、従いますよ。
念仏岩天照大神、猿田彦大神など馴染みの名前もあるが、聞いたことのない名前の神もいるね。
いつの時代から信仰が始まったのか知らないが、段々と教義が複雑進化して行ったんだろうね。何かの役割を担う新しい神を誕生させたということなんだろう。
もとの鳥居まで帰ろう。この先にも盛り上がった道が続いている、さては、これは高天原への参道なのかしら。
ガイドブックを開いて見ると、土塁と表現している。土塁とは城の防備の盛り上げ土手だが、このへんは城とは無縁の場所だがなぁ。
分岐があって、そのどっちにも土塁がある。解ったぞ、この土塁は山主の境界なんだ、論山堤でも示すように、徹底的に境界を明示させるためだ。ものすごい労力だね、主張の激しさ惜しみない体力、ヘキエキするね、お付き合いしたくないなぁ。
尾根道をどうやら、大きくぐるりと半円を描いて進んで行っているようだ。尾根を歩いているんだが、なんにも展望が効かないのが残念だね。
大土山の鉄塔念仏岩があるそうな、コースを外して横道してみようか。
ははぁ、これがそう、南無阿弥陀仏と彫り込んである、はるほどね、念仏岩と名付けるしかないね。
大正9年の仕事だそうな、まだその時代は岩を彫る気分が横溢していたね。彫ると尊敬されたもの。
今は、自然破壊、ドグマの主張と、尊敬どころか、非難される時代だよ。許す気分が違ってきたのだよ。
元の道へ、しばらく歩くと電線が現れて平行するようになってきた。電線の果ては、ほら、通信鉄塔だよ。
どこの会社のものか、名前がない、NTTなら名前をたいがい名乗っているから、それ以外の会社のものだろうな。
三角点は鉄塔の後ろ、記念写真を撮らなくちゃね。
ついつい、うかうかして鉄塔の建設道路を降りてしまったんですよ。道が南に向かっている、これは間違いだ。
大土山三角点引き返して、三角点まで戻ろう。三角点の後ろをのぞくと、ははぁん、やっぱりぃ、ちゃんと山道がある。
こっちが正しい道なのだ。親切な看板があって、見晴らし台、潜り岩、その中間に下山道、と案内がある。
これが見晴らし台かい、樹に埋もれて見晴らしなどありはしないさ。
中間の峠まで来たぞ、この先に行けば潜り岩、どうせ何かに見立てた岩があるんだろう、止めた、ここから下への下山道を進もう。
北の斜面だから、雪が豊富にあるね、人間の足跡は無い、イノシシ、ヤマドリの足跡だけだよ。
道は広いよ、雪に覆われているので踏み慣れ具合は解らない。
鎖で封鎖されている、さらにもう一箇所封鎖されている、関係者以外立入禁止とある、ハイカーが忌避されているよ。
麓では、大土山への誘導看板が幾つもあるが、どっこい、現地では石を掘り出すのに邪魔になるらしい。
北への斜面山遊び人がうろうろすると、働く気がせん、ということなんやろか。なんでやねん。これは漫才のボケ突っ込みの真似なんだよ。
ハイキングかチャリかバイクか、そのどれかが何かして、石屋を怒らせてしまったんだろうな。
雪の融けた舗装路に出た、さっき山道に分岐したキャンプ場へ続く道なんですよ。
この先の舗装路が長いなぁ、車をキャンプ場まで運んで、ぐるっと一回りしてキャンプ場まで帰るコースにすべきだったかな。
舗装路を歩く、どこまでも歩く、やっと池の傍を通る、根武の池という名前なんだとさ。
さらに歩く、果てしなく歩く、集落が見えてきた、上高地という名前なんだとさ。
集落の水の流れは東に誘導しているが、従わない、西の峠を目指そう、ほら、乗り越えて西への斜面になった。
七曲りジグザグの道のまま、下りていく、下りていく、下りていくぅ。
JR吉田口駅集落が現われ、小田小学校の横を通過していく。鉄道の踏み切り、正学踏み切りと言うんだそうな。
ここから吉田口まで線路沿いの道を歩く、やれやれ、やっとデポした自転車のところまで帰れた。
自転車で向原の先まで行くんだが、車にとって自転車は迷惑な存在なんだろうな。一度は思い切り警笛を浴びてしまった。
自転車と歩きとは、使う筋肉が違うようだ。疲れる箇所がまるで別物だね。
スピードを落とすとコケルので、必死にスピードを維持し続けなきゃならないのはつらいなぁ。
やっと車の駐車場所まで帰れた。
今日は、ちょっと長距離すぎた、前後の舗装路をカットすべきだろうな。自転車で繋ぐのは余計なことだったな。
大土山に人気がないのも当然だろう。地味な山で、高天原以外にセールスポイントが無いんですよ。
高天原以外、展望が全然ない。大土山の頂上も樹に埋もれてなんにも見えません。
大土山をお勧めするかと聞かれると、ここは止めて他の山にしたらどう、と返事します。

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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