2000年4月30日
しぇるぱ単独
山域:兵庫県

静かでキツイ千丈寺山

 

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バス停から集落を、真ん中の谷を登るのだ あかふじ米の看板のところが登山口

今日は三田の千丈寺山に行くことにしよう。
助役のナワバリ内なんだが、今日はご本人は姫路のはず、挨拶だけはしておこう、こんにちはぁ、庭場をちょっとお借りします。
有馬富士を横目に琴引峠、琴を引きずるのなら悲惨な伝説だが、当然これは琴を弾くロマンの命名なんだろね。
西国札所の花山院を過ぎると、道にセンターラインが無くなってきたよ、慎重に交わしながら、もうぼつぼつこのへんがそうなんじゃないかな。
乙原口のバス停、近在をぐるぐる回るが駐車場所がないね。やはり、ここ乙原口のバス停の交差点が道がふくらんでいて、ここが一番よさそう。
集落の真ん中から登るんだそうだ、そびえるあの山が千丈寺山なのかな。
千丈寺山に登るんでっか、それならこの先の米屋の脇から入るんでっせ。あかふじ米の大きな看板を目印にしたらええよ。
どうもすみません、ありがとう。
炭焼き窯跡、確かな道はここまで、あとは悪路 いやぁ、田舎のおばちゃんは親切だ、向こうから声をかけて教えてくれた。
手前に大きな脇道があるがこれは違うだろう。あかふじ米の看板に近づいて見よう。なるほど、納得、看板に千丈寺山とベニヤの板切れが打ち付けてあるじゃないか。
草むした古道だ、軒先の生活道路を外してあぜ道に誘導してあるんだね。ベニヤ板に誘導されて右へ左へ、道には柵があるが、これはイノシシ撃退の電柵なんだね。またいで行こう。
ここからは山道、植林の中、はて、三叉路だ、どっちだろ、草むしてはいるが真ん中の道だね。
植林は成長してもう伐採時期を迎えるね、この時期になると黒い森の憂鬱も薄れてくるね。
下に渓流の音が聞こえてきた、このへんは道が広いね、牛馬荷車の通った道なんだろね、森の入口は肥沃だから、自然は失った領域を奪還したが、がけ地のここはさすがに回復不能なんだろう。
小さな祠炭焼き窯跡に到着、広い道もここまで、ここからは谷の岩を渡りながら行くことになるね。
おいおい、これは大変な傾斜だ。
今までは涸れ谷の中だったが、ここからは谷を離れて一挙に山腹を追い上げて行く、疎林のなかを真っ直ぐだよ。アキレス腱を伸ばして踏ん張って、ぐいぐいと踏み込んでいく、うっかり石を踏み落とすことがある、石はぶんぶんと加速度を上げて飛んでいくよ。
こら、石を落とすんじゃない。
ごめん、踏ん張ると靴の下の石が押し出されて落ちていくんだよ。
小さな石の祠に出てきた、山の神なんだろね。

広場の祠、護摩火の焚ける炉もある

祠の前から千丈寺山を、ほら、あんなに尖っている

道の随所にに炭焼き窯の跡が見える、ガイドポイントに炭焼き窯を使うと混乱するぞ。これほど窯跡があると、炭の運び出しに道も踏み固められたわけだ。
まだまだジグザグに道は切りあがって続くね。えいえいよっと。
広場に出たよ。大きな石の祠がある。祠の前には護摩壇があって火を焚くようになっている、振り向くと、木を切り払って麓が見える。ここの護摩火は麓からもよく見えるようにという配慮なんだろね。
樹々の間を透かして千丈寺山がぬっと伸びているのが見える、あそこを目指すのか。
稜線は細い、どんぶりの縁をたどるようだよ。
見おろすと登ってきた谷が見える、谷底から傾斜がはげしく突き上げているな、つらかったのも当然だ。

頂上の横梯子、この岩場を渡る

千丈寺山頂上、こっちは三角点の広場

松の枯れ木の根元が焼け焦げている、こんなところで火を使うわけはないよな、落雷で燃え出したんだろね。
岩が出てきた、岩場を踏んで先を急ごう。千丈寺山の最後の急登、登るのもつらいが降りはさらに神経を使ったよ。
最高地点は岩の横梯子、ここを越えると三角点の広場、やっとここで食事ができるぞ。
ザックにノートパソコンを持ってきて、カシミールを展開、白髪岳、虚空蔵山が山頂から見えるということだが、引き比べても判定できないわい。
わかるのは大舟山、羽束山、これはカシミール抜き、一目でわかるさ。
千丈寺湖のほうへ向かいたかったが、もとの駐車場所に帰らなきゃならない。さぁ、あの急な坂道をだだくだりに降りていくぞ。


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