2005年10月6日
しぇるぱ単独
山域:広島市佐伯区湯来町

ブナ、コウヤマキ、東郷山

 

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コンクリート壁の地図巨大な杉がある山があるんだとさ。
一本の杉が四本に別れているのか、四本が一本に融合したのか、そこは不明だが、判らなきゃ確かめてみようよ。
湯来町は、自治体合併で広島市佐伯区になったんですよ。そこに東郷山があって、四本杉があるのだそうな。
高速道路の広島北インターを下りる、大田川沿いにさかのぼって行くんですよ。標識に従って、湯来への道、橋を渡って別れて行くんですよ。
今年の9月の台風14号はすごかったようだね。大田川の支流、水内川が湯来町を流れているんだが、堤防の崩壊があちこちで見受けられる。
川原の竹や林がポマードを塗ったように寝て倒れている、川幅いっぱいに増水した証拠だね。倒れた竹やぶが枯れているんだから、ただ事ではないよ。
県道は、道の路肩をえぐられて、赤いポールが立って、相互交通になっている箇所がいくつもあるよ。
湯の山温泉に近づいていく、山の上は岩場なんだなぁ、岩場の下に朱塗りのお堂がある、どのように道が付いているのかなぁ。
東郷山登山口違った、朱塗りの建物に見えたが、先駆けの紅葉だった。
旧町役場の前の交差点で左折、川筋から離れて谷の道を行くんだね。
道が谷の底を走っている間はなにも気にすることはないよ。谷間が開けて里になったら、どこで曲がるか注意しなくちゃね。
神社がある、道の反対側に、団栗亭という喫茶店だかレストランだかがある。
神社は、どうも最近建てたんじゃなかろうかね、鎮守の杜など無く、ここは植木屋だろうか、新興宗教だろうかと、首をかしげたくなるほど明る過ぎる風景なんだがね、大森八幡神社という名前なんだそうな。
その神社・団栗亭の手前に道がある。普通に走ると、神社に視線が行って、この道を見逃してしまう、わたしも見逃した。
バス停大森の看板があるから、それが決め手となる。それを見たら左に曲がるんだよ。
見逃した、団栗亭も通り過ぎた、この場合、次のバス停が伏郷、ここで左へ曲がる道がある、今度は見逃さないようにね。
谷道から尾根道へバス停大森から入ると、疑うことなく谷の奥へ進んで行けるが、バス停伏郷から曲がった場合、これでええのかいと半信半疑になるだろう、間違いない、信じて進みたまえ。
途中、たんぼのコンクリ壁に、ペンキで地図を書いてある、これが何よりの頼りになるんだよ。
谷向こうに道が見え、電線が平行して走っている、地図ではいずれ合流すると書いてあった、ほらぁ、合流した。
谷沿いの林道なんですがね、細いし、傾斜は急だし、どうも怪しげだな、と不安になるが、舗装路になっていることだから、ともかく進んでみようか。
平地があって畑になっているよ、畑を過ぎると舗装路は終わり、ここでユーターンだね。
あのね、道が荒れて、舗装路と地道に激しい差が出来ている、谷の水があふれて道路の土砂を持ち去ってしまったんだな。
ここで転回すると、タイヤを取られて危ない目にあうかもしれない。バックしようぜ、もっと後ろ、畑の近くに安全に転回できる場所がある、ここに駐車しとこうな。
舗装路の最後に東郷山への標識がある、ここから山道が始まるのだな。
尾根道の急傾斜意外にも道幅は広いぜ。草に埋もれた細い道を想像していたが、全然違うぞ。
支脈の谷沿いの道なのだが、ずっと流れはナメだぞ、岩盤の上を流れている。表皮の土砂を持ち去って、岩の芯の上を流れているのだなぁ。
中電の送電線の巡視路なんだね。鉄塔番号106、107への案内杭が出てきたぞ。
次の案内杭、105番へと誘導されるのだね。
中国電力が中電、関西電力が関電、中部電力が中電、東京電力が東電、東北電力が東電、北海道電力が北電、北陸電力は北電かね、陸電かね。
四電、九電、もとの名前は想像できるでしょ。
さぁて、中電というと、どれを指すのでしょうか。東電も北電も同様。関電、四電、九電は紛れることはないね。
自然発生的に呼び出したものだろうから、自分のところが中心、同じ略称が他地域にあるなどお構いなしなんだろうね。
送電線鉄塔105番の杭からは、谷筋から離れて尾根道に移る。階段を踏みながら、どんどん傾斜を稼いでいく道だね。
プラスチック廃材のリサイクル最終製品が黒いプラ階段だと聞いたことがある。
間伐材の階段とプラ階段と、どっちがコストが安いのかしらね。
これだけプラ階段が多いということは、勝負あったということだろうかね。
稜線に出てきたよ。トントントンと進んで、送電線鉄塔に出てきたよ。
ここから鉄塔はみっつ、稜線と送電線が重なって登って行くところなんだね。ここの傾斜もかなりのもんだよ。
瀬戸内海の海岸線に平行して山脈が流れている、もう一本の山脈、間に谷間が開けている。この広島郊外のロケーションがよく判らんのですよ。
今、鉄塔から眺めると、新興住宅団地が見えている、すると、ここは通勤圏内なのかい、山越えの交通手段はあるんだろうねぇ。
山歩きしていると、送電線は助かるなぁ。道はきれいに刈り込んでくれてあるし、鉄塔が、山座同定の手助けになる。
東郷山頂上カンザシ鉄塔、花魁の頭、自然破壊だ、と罵るひとがいるが、わたしは許容派だよ。
とりわけ、中国山地は特徴に乏しい、鉄塔の様子で、あれはどこどこと区別できるというもんです。
関電では、若狭に大量の原発がある。送電線が何本も京都・兵庫に敷設されている。その関電巡視路でどれだけ世話になったことか。
ちょっと問題が出てきました。
ヒロボーという会社があります、模型のヘリコプタを作っている会社です。
送電線の巡視に、空から無人のヘリコプタを使ってTVカメラで監視して、ひとが歩いて見るよりも、空中から調べることを提案しています。
おぉい、道が荒れるじゃないか、草に埋もれてしまうじゃないか。今まで通り、巡視路を保全してちょうだいよ。
みっつめの鉄塔で、送電線から離れて尾根を進んで行くんだよ。
ブナこのあたりは、つるつるの地肌の木が多いね。
以前は、即座にリョウブと断定していたんですよ。関西でヒメシャラという木を知りました。それからは、判らなくなった。
物を知ったことで愚かになった例だね。リョウブと言うべきか、ヒメシャラなのか、どっちともつかない。
もう少し極めると、愚かが拭い去られるんだろうがね。しゃぁない、今は愚かでいるしかないよね。
図鑑を開いて眺めてみたが、花が咲く時期でないと決め手に欠けるよねぇ。
さぁ、着いた。ここが東郷山の頂上。麓の方向が切り開かれていて、おおむねあっちから登ったんだなと教えてくれます。
ここまでは道の幅も広くて、何の心配も無い道でした。
ガイドブックに登場してもええのにね、そうか、傾斜がきついから万人向きじゃないということかしら。
さぁて、ここからはスペシャルバージョン、四本杉へ下りて行くにはちょいと難路らしいんですよ。
コウヤマキ斜面を北に下りて行く、こっち側の斜面にはブナの大木古木が多いねぇ。尾根から谷一面、ブナで覆われている。
進んで行くと、針葉樹の大木が増えてきたよ。「広島のブナ林」南々社の本に、コウヤマキと書いてあったから、コウヤマキなんだろう。
モミ、イチイ、コウヤマキ、カヤ、もひとつ区別がつけられないな。マツやスギのように身近な木なら簡単なんだがね。
尾根を下って、反転して谷を横断して、別の尾根へ乗っていくように進路を取っている。
道は、あるにはあるが、イバラが繁っていて痛い道だよ。
谷抜けしている、転がらないように注意しなきゃね。
横へ横へと進んで行って、尾根を越えた。大量の雨水で押し流された崖に出たよ。
ここは、崖を下へ降りて行くしか道がないようだね。表皮を流されて無残な谷抜けの姿になっている、岩角木の根にすがって進むしかしょうがないね。
崖の谷底に工作物が見えるぞ。
崖の崩落四本杉には、倒壊防止の鉄輪が巻きつけてある、その写真を見たことがある。鉄輪が見えるからには、あれが四本杉なんだろうな。
遠くから写真に撮ったが、周囲のスギと溶け込んでしまって際立たせようがない、写真は失敗、失敗。
崖を半分も降りたかしら、ちょっと危険を感じてきたぞ。
昨日の雨で、足許がゆるい、滑って崖崩れを誘発すると大怪我のもとになるな。ここまでにしよう。引き返そう。
普通は登りより下りのほうが早いでしょ、ここは違う、下りは注意しながら降りるから時間がかかり、登りはさっさと足を進められる。
東郷山の頂上から四本杉に行くつもりなら、覚悟を決めて進んで行くことですね。
さて、もとの東郷山頂上に戻ったぞ。
ここから先は道がええなぁ。どんどん歩ける、あっという間に登山口まで戻ってきたよ。

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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