1999年3月13日
しぇるぱとよめさん
山域:兵庫丹波

山嵩弥十郎、弥十郎嶽

弥十郎ケ嶽頂上

矢問源氏さんのレポートでみた弥十郎嶽、面白そうだぜ。今日はこっちにしようよ。山頂からの展望もなかなかのものだということだぞ。
そぅお、そっちでもええか、行こうよ。

弥十郎嶽の北の街道についたよ。
波々伯部神社(ははかべじんじゃ)があった、家並みが連続してどこから入るか見当がつかない、これだ、○○キャンプ場の標識、ここで曲がろう。
ははぁ、魅力のないキャンプ場ねぇ、薬師野ケ原キャンプ場というのか。
大きな砂防ダムね、頂上への標識はこっちね。
林道も終わって植林だな、ここの杉林はよく間伐してあるよ。光が差し込んで林の奥まで見とおせる、こうでなきゃね。
植林を抜けたら標識があったよ、この稜線を登って行くのね。山腹をわたって行くよ、水平道だ。
谷ののど、ロープに注意
山嵩弥十郎の洞窟

登山口と別の谷に入ったな、地図を見ると、前峰と弥十郎ケ嶽の間の谷を直登するようやね、ほら、見てみ、真っ直ぐな谷だ。
わたしの地図では稜線を通すように赤線が引いてあるが、現実は違うね、谷の底を歩いている。
地図と現地が違うことはよくあることだ、その時は自分の地形の観察を信じることだ。ずれを確認しながら行くことだね。

がらがらの道ね、カズラの多い道ね。巻きつけられて締め上げられているのはアジサイかな、ミズキかな。
友達でね、カズラを探しているのがいるんよ、ここに来たらいくらでもあるのにね。
谷がふさがったよ、どう行くんだろ、あの大岩の後を行くのか、あんた、この岩の上から谷を振り返ってみ、あのぼさぼさの谷を来たんだよ。滝を越えたんだね。
この先も谷の岩を越えて行くのか。ロープがかかってる、あまりロープを頼らずに行こうぜ。

洞窟が見える、これが山嵩弥十郎の洞窟かい。なかなか奥が深いじゃないか。
山嵩(さんか)とはね、山の民の異名なのさ、木地師、ろくろ師、お椀やお盆をろくろで繰りぬいて作って樹を求めて漂泊する民なのさ、わたしの子供の頃も、竹のざる、み、などを売り歩いていたよ、「そうき」と呼んでいたがね、漢字でかくと総器かな、里の村人は山の民を、まつろわぬもの、異分子、として、山嵩と異名をつけたんだね。
親しみながらも恐れている、その名前を山嵩弥十郎と弥十郎嶽に名付けたんだろうね。岳を使わずあえて嶽の字を使ったので、そのあたりが想像できるな。

稜線に出ましたよぅ、植林で展望は効かないね。
あ、空間が開いている、頂上だぁ。
曇り空で周囲の山がよく見えないね、あ、雨、杉の樹の下で雨宿りして昼食にしよう。

これで12人目、食事中にやってきた人の数、だれもが篭坊温泉から来てそっちへ帰って行くね、キャンプ場から来たのはわれわれだけだぜ、圧倒的少数派だな。



カシミール展望図をつけました。
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