宇根山、自転車で登山
09年1月28日
|
宇根山へ登ろうと、甲山から反時計回りに一周 |
今日は自転車で走ろう。いくつか候補があったが、雪は消えているはずの南の道にしました。
世羅町と三原市の境界に宇根山があります。この山の頂上にコンパスを置いて、ぐるっと周囲をひとまわり、こんな企画を立てました。
円周の始まりは世羅町の甲山からだねぇ。
甲山は今高野山の街、世羅郡の東半分を占める太田の庄があったと思し召せ、平家の荘園になり、後白河法皇の荘園として寄進され、さらに永代供養料として高野山根本大塔に寄進された、のだそうです。
そこで、荘園経営の本拠として、今高野山龍華寺が開かれた、子院も十二院あった、こういうことです。
中心の龍華寺は一部を残して滅失してしまい、今は幾つかの子院が残っています。
衰微した子院の跡地には、料理屋ができたり、ほかにも、温泉を掘って大衆演劇の温泉劇場にしている跡地もあります。
荘園の経営は、尾道の商人が代官・奉行としてそれにあたったのだそうです。
そりゃそうだ、坊さんが経営するより、商人が請け負ったほうが向いていると思うよ。
出発しよう、西から回るコースにしよう。久井・三原に向かう県道を進むとしよう。
世羅盆地の外縁の峠を越えなきゃならない。
振り返ると、甲山の街が一望できる。背後の山は新山、シャンテパルク新山というキャンプ施設があるのだそうだが、寄ったことがない。
世羅町と三原市の境界は変哲もない平地にある。自然の境界の峠で分けるかと思ったが、違うのだねぇ。
この人為的な境界は地頭のちからだと思うよ。
峠を越えて開墾開拓を命じる、隣の地所を横領する、質に取って正式に奪う、こんなことだったのだろうね。
どんなに乱暴行為でも、鎌倉・室町時代には中央の政権の威令は地方には及ばないからね、その時代に確定した境界が今に伝わっているのだろうね。
宇根山への案内がある。行かない予定でいたが、誘われると気持ちがぐらつくね。行ってみようか。
莇原集落を進んで、うぅん、この字は読めないな、畑にひとがいる、すみませぇん、莇原とはどう読むんですか。
あぞうばら、へぇぇ、思いも寄らない読み方なんですね。お邪魔しましたぁ。
さらに峠を越えて次の谷を上流へ、人家が果てると、あとはひたすらペダルを漕ぎに漕いで、どんどん登って行きます。
道を真っ直ぐ進めないよ、道の右端から左端へ、左端から右端へ、うねうねと蛇行しながら登って行く。
通信塔が見えるので終点はもうじきだろう。
宇根山家族旅行村に到着、バンガローやテントなどの世間でよく見る姿のようだね。
今はシーズンオフで閉鎖している。
舗装路がどこまで続くのか自転車を漕ぎ続けてみるに、この先は反対斜面に下っている。これ以上進んではいけない、引き返そう。
もともと今日は宇根山に登る予定ではなかったのだよ。地図を用意していない。ドライブマップしか持っていない。
そもそも宇根山の三角点はこの近くなんだろうか。
通信鉄塔が決め手じゃないかな。今までの経験では通信塔の隣りに三角点があるのはよくあることだよ。
自転車を止めて、ここからは歩いて登って行こう。
登り詰めると、寺があった。宇根山至幸院、新しく出来た寺のようだね。無住だ、住職は他の寺と兼務しているのだろう。
山門を潜ると、真正面に弘法大師の銅像がある。へぇぇ、真言の寺なのかい。
像の後ろに進んでみると、あった、宇根山三角点。
宇根山の三角点は一等三角点なのだそうな。やはり一等となると、なにやら嬉しくなるもんだね。
ネットで見ると、宇根山に登りました、こんなお話しはあんまり出て来ない。
なんぼ一等三角点の山でも、ほとんど見放されているね。
ま、ええさ。自転車で登ったんだよ、と別の切り口で紹介できるものね。
下に降りると久井岩海を指す案内がある。行ってみようか。
ははぁ、ここが久井岩海の入口かい。入ってみると、なるほど、岩が累々と重なって岩の海とはよぅ言うた。
府中の岳山で岩海と看板があったんですよ、岩海とはこの程度のものなのかい、しょぼい、と岩海の評価を下げたものだが、ここの岩海を見ると納得する。
奈良県は山添村の神野山に鍋倉渓というのがあるが、これとよく似ている。
今日はとても全部は見られない、入口の一部分だけ見て、残りは別の日にしよう。
岩海の看板前から道をどう進むかは勘なんですよ。方向を見定めて東へ向かう。山の中にも十字路がある。ここも勘。東へ向かう。
集落が出て来て、御調町と書いてある、ははぁん、勘は正しかった。ここの集落は山岡というのだった。
むらびとに道を聞いたのだが、たくさんしゃべってくれた、大きな道を左に進め、この言葉だけ大事にして、あとは聞き流しておこう。
あった、なるほど、大きな道、進んで行くと、世羅町と看板が出て、大当たり、正しい道を進んでいるのだ。
出た集落が宇都戸、ここは小学校もある、郵便局もある、警察の駐在所もある、大きな集落なんですよ。
ここからは国道194号線を進む、この国道は尾道と三次を結ぶ国道で、馴染みの国道なんだよ。
やっと甲山の街に到着、今高野山の駐車場に戻ったぞ。
予定とは大違いのコースを走ったが、結果オーライ、このコースの方がはるかに面白かったよ。
|
|
今高野山の境内地、今高野山とは高野山の荘園のこと |
久井三原への道から甲山の街を |
|
|
宇根山への分岐 |
宇根山の天文台 |
|
|
宇根山至幸院とある、寺の背後、通信塔前に三角点 |
ここが宇根山三角点 |
|
|
久井の岩海の入口 |
久井の岩海、なるほど、これは岩海だ |
|
|
宇都戸で国道194号線と合流する |
今高野山への朱塗りの橋、高野橋、芦田川とある |