宍道湖のもう一本の放水路、佐陀川

10年12月12日

宍道湖から佐陀川を、日本海へ往復
でも軌跡を示しています、高低を示す断面図も表示できます
地図を眺めていて、佐陀川が宍道湖から日本海へ抜けているのに気がついて興奮したもんです。
出雲神仏霊場を巡るのに、佐太神社の周辺の地図を見ているうちに、川が海へ貫いているのを見つけました。
以来、佐太神社を訪ねるのが楽しみで、楽しみで、これは水平な道だから自転車で巡るべきだね。
宍道湖の北岸を進んで、一畑電鉄の松江イングリッシュガーデン前駅の近くに進む。
イングリッシュガーデンがあるが、2時間を越えると駐車料金は有料になる。近くに農協のスーパーがあって、名前がエコロ、ここの駐車場に止めさせてもらおう。
もともと、ルイス・C.ティファニー庭園美術館前駅という長い長い名前の駅があったんですよ。
美術館は閉館して庭園だけが残った。そこで松江イングリッシュガーデン前駅と名前を変えた、というわけなんですよ。
南阿蘇鉄道に、南阿蘇水の生まれる里白水高原駅という駅がある。もともとは日本一長い駅名を誇っていた。
一畑電鉄の新設の駅の、ルイス・C.ティファニー庭園美術館前駅に負けていたが、改名したので、日本で一番長い駅名のチャンピオンの座を回復したのだそうな。
イングリッシュガーデンには寄らずにそのまま進んで、国道から離れて宍道湖湖北自転車道を行く。
国道と並行する道で、歩道が広くて、歩道の縁石の段差を埋めて、自転車に衝撃が伝わらないようにしてある。
佐陀川の堤防に到着、自転車道専用の橋があって、太兵衛橋、佐陀川開削の指揮を執った清原太兵衛を顕彰して橋に名前を付けてある。
宍道湖に一番近い橋が茶屋前橋、もっと宍道湖に近寄りたいが、佐陀川河口の周囲は私有地のようなので、ここから眺めるだけにしとこう。
引き返して、堤防に沿って進む。
佐陀川の西側には沼地が広がっている。たんぼも湿田のままで排水ができていないね。
堤防の上に上がってみると、天井川じゃないか。たんぼより川の水面が高い。ゼロメートル地帯なんだね。ゼロメートル以下なのだ。
橋に差し掛かると、これより下流の堤防は未舗装で草の道になっている。右岸側の県道を行くしかないよね。
川から離れて山裾の道を大きく迂回して、再び佐陀川に接近する。
川の傍まで来ると、佐太橋があって、橋を渡って佐太神社へ向かう。
佐太神社は出雲神仏霊場の4番目で、出雲の国の二の宮と称している。出雲大社があるからには、一の宮とは言えないよねぇ。
参拝後、佐陀川に沿って下流へ向かう。
かなりの速さで流れている。宍道湖と日本海との落差はだいぶあるのだ。
このあたりが山と山が接近していて、開削に一番労力を要した箇所だと思うよ。
斐伊川が宍道湖に流れるのは昔からだが、神戸川も川筋を変えて宍道湖に流れ込むようになった。
宍道湖の水位が大きく上がって一帯が浸水に苦しんだ。
神戸川の改修が先行して、日本海に開削して流れを固定した。完成したのは元禄の末、1700年前後のころ。これ以来、現在まで川筋は変わっていない。
清原太兵衛の佐陀川開削工事は、完成が天明7年、1787年。放水路が完成すると、宍道湖の水位が1メートルも下がったのだそうな。
1メートルも水位が下がると、湖岸はうんと後退するよね。後背地の沼地が乾いたのも含めて、新田を開発して、経済効果は抜群のものがある。
以来、中の海から境港の狭い水道を通る水路と、佐陀川から直接日本海に放流する水路と、二本の放水路が完成したわけです。
島根半島の背中を断ち割る工事だが、2年で完成したということだから、凹みの峠を切り通したので最小の労力で済んだ、ということなのだろうね。
佐陀川の途中にマリーナがある。プレジャーボートが宍道湖へ日本海へ、江戸時代の海運の道から現代のレジャーへと時代の要求は変わったのだよ。
佐陀川の最後が恵曇えとも漁港、ここも難読地名だねぇ。イカ釣りの漁船が係留してある。
海に出る最後まで見たからもう満足だ。帰ろう。帰ろう。
佐太神社の前から道を佐陀川の左岸へと変える。流れの上下を勘違いしやすい川だもの、右岸左岸と言い分けるのもよぅく考えなきゃならない。
佐陀川からどんどん離れて行って、たんぼの中に自動車がたくさん止まっているのが見える。上空には鳥が舞っている。
白鳥の自生地だ。餌付け場と言うべきかな。白鳥や鴨がたくさんいる。
水田に水を張っていたり、乾いた田でも稲の二番穂(ひこばえともいう)が実っていたりで、水鳥の楽園になっています。
ラムサール条約を掲げるNPOが鳥の保護にあたっていて、白鳥米として、ブランド米で売り込んでいるようです。
さぁて、一周してもとの農協Aコープまで帰ってきたぞ。
時に、松江イングリッシュガーデン前駅はどこだろう、農協施設の建物の裏側にあった。朝にはどこにあるのか不明だったので、ふぅん、これか、とまずは納得。
注、GPSの捕捉に失敗しました。
   仕方がないので、手書きでGPSのログを書き上げました。
   位置関係は記憶をたどって、時刻はデジカメのタイムスタンプから、この時刻に通ったはずと類推・割り付けしました。
   粗い精度なので、Google Map で、高低差の変化が現実とかけ離れています。
   そこのところはご勘弁ください。   
参考 今日の行動は出雲神仏霊場と重なっています。「出雲国神仏霊場 第4番佐太神社
JAくにびき、スーパーマーケット・エコロ 交通煩瑣の国道から自転車専用道へ
自転車専用の橋、太兵衛橋から佐陀川下流を 茶屋前橋から宍道湖を、ここから佐陀川が始まる
佐太神社前の佐太橋から下流を 佐太神社本殿
佐陀川の川幅が一番狭いところ、掘削工事が困難だったろう マリーナ、宍道湖にも日本海にも両方行ける
恵曇(えとも)漁港、イカ釣り船 恵曇(えとも)漁港は左右に広い
白鳥の群れ、NPOで保護、白鳥米のブランドで売っている 農協施設の裏側に一畑電鉄の駅、松江イングリッシュガーデン前
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