中国観音霊場巡拝
第14番 多喜山水精寺大聖院
平成16年12月1日巡拝
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今日はこれから宮島へ渡るんだが、宮島に寺があろうとは、中国観音を巡るまで、思いもしなかったな。
島全部が厳島神社の神域だと思い込んでいたが、大きな間違いだったな。島には墓が無いと聞いていたんですよ。そこで、当然、寺も無いだろうと早合点したんだが、それが間違いだった。
連絡船で島へと渡る。二社で競争しているんだが、片っぽの会社の桟橋は台風で壊れて、今修理のさいちゅうだ。気の毒に、災難は平等でも、運と不運は別々なんだよね。
観光案内で島のイラストマップをもらおう。今日は地図は持ってきていないんですよ。
桟橋から出ると、鹿がたむろしているよ。そうだった、宮島は鹿の島だったんだ。
マップを見ていて気がついたんだが、厳島神社から離れて民家の山寄りにちゃんと何軒かの寺があるじゃないか。
寺がなければ葬式も出せない、どうするんだろうと気をもんだが、そこはそれ、うまく折り合いをつけてあるんだね。
海岸通りを行こうか、商店街を行こうか、やはり人混みのほうへ足が向くね。先生が小学生を引率している、わたしも小学校の修学旅行は宮島だった。
高校生が大勢歩いてくる、だれもビニルの買い物袋をぶら下げている、やぁ、商店街の店のひと、商売になったね、良かった、良かった。
大鳥居は海の中だよ、干潮の時間帯と合わなかったな。
厳島神社は台風で被害を受けたが、右楽房左楽房、どっちだったかな、回廊正面の建物が倒壊したんだが、突っかい棒して直してある。回廊の板も新しいのと古いのと混ぜ混ぜで修繕してあるよ。いかにも応急修理といった感じだね。
今日は厳島神社が目的じゃないんだよ。神社を越して、さらにその向こうに大聖院がある、そっちが目的なんですよ。
神社の裏道、紅葉谷の流れを渡るのに筋違橋、「みせんさんけいミち」と石灯籠の案内がある。
渡れば、ここからは大聖院ワールドだね。道は真っ直ぐに大聖院目指して路地になっている。
ふぅむ、このへんは神社要人の住まいが多いのか。由緒深いお屋敷が並んでいるよ。
もともと、大聖院は厳島神社の別当寺として、神社の祭祀運営にも携わっていたというから、神仏習合の時代には不即不離の仲だったんだね。
谷の流れの橋が御登山橋、この橋を渡って大聖院へ入って行くんですよ。
仁王門が大きい。それぞれの仁王の前に鈴があって綱が下がっている、へぇ、神社の参拝鈴と同じだよ。賽銭入れて、じゃらじゃら鳴らしているものね。
階段には筒を幾つも並べて、それぞれ回るようにしてある、チベットのマニ車と同じ趣旨なんだろうな、一回廻せばお経を一回読んだと同じ。
足許には羅漢像がいくつもいくつもある。羅漢信仰は後世からのものだが、なんでもええじゃないか、信仰に息を吹き込むものならどんどん使えばええさ。
御成門をくぐると、正面に勅願堂、不動堂なんだろうな。手前の建物は観音堂なんだろうな。奥に、大師堂、摩尼殿。
新しくなにかの石像が完成して、命を吹き込む儀式が執り行われている。大きな寄進があったということなんだね。
平日なのに、参詣者は多いねぇ、繁盛している現役の寺だねぇ。
続いて弥山に登っています。「石段を行く、宮島弥山」 山のレポートも見てみてください。
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