2004年2月20日
しぇるぱ単独
山域:広島備後南

備後の岳山、西からは人気薄

 

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駐車所へのガイド前に岳山に行ったことがあるんですよ、「備後の岳山、巨石、怪石」、その時は東から登ったもんだ。
頂上で、西から登ってきたグループと出合ったことがある、こっちからも登れるのかい、いずれは西からも登りたいな、と思ったもんだよ。
そのいずれの時が来たよ、それが今日なのさ。
上下の町を通過して、矢野温泉の案内がちらほら出てくる、矢多田という名の信号交差点を越えるんだよ。
ここで左折すると、岳山の東の登山口、斗升バス停へ行くんだがね。今日は行かない、真っ直ぐ行くのさ。
トンネルがあって、抜けると直ぐに左折するんだよ。この道は県道なんだが、恐ろしく細い。反対から車が来ると交わす道幅がないんですよ。
Bコース、Cコースの分岐運良く、対向車はいなかった。集落に、岳山、岩海の観光看板がある、それを頼りに進んで行こうよ。目指すは扇原集落なんですよ。
たいこ岩への案内、びょうぶ岩への案内、ぼちぼちこのあたりなんだろうがなぁ。おっ、おばあさんがいた。
すみませぇん、岳山へはどのあたりから入って行くのでしょうか。
もうちっと行くとのぉ、人形がおるけぇの、そこを曲がると駐車場があるけぇの。 どうもありがとう。
ははぁ、人形とはこのことかい。太鼓をたたく兵隊人形だわい。まずは、人形の横の案内図を眺めて全体を把握しとかなくちゃね。A、B、C、とコースがあって、ここから取り付くと、BからC、あるいはその反対のコースになるんだね。
旧妙剣の大岩ようし、わかった。道を曲がって駐車場に入ろう。
駐車場の上に民家がある、犬が大勢いて、警戒の声をあげてくれるので、避けて大回りで家の後ろに行こう。
登山路と案内標識があるんだが、間隔が間遠で、あんまり当てにならない。踏み跡擦れ跡を観察しながらたどるしかないね。
さいわい、木の種名が名札でかかっている、名札を探しながら進んで行こうぜ。
山腹の中心をたどる道から尾根へと誘導されてきた。
岩海と名付けるからには、累々とした岩の重なりを想像していたんだよ。違ったなぁ、岩のひとつひとつは大きいが、ばらばらに点在するんだよなぁ。
妙剣の上の見晴らし波が打ち寄せる風景を岩で想像しちゃいかんのだよ、瀬戸内海の島々の風景を岩で見立てたと思えばええのかな。
奈良県の神野山鍋倉渓と同様に累々と谷を埋める岩を想像していたが、肩透かしだった。
縦に長い大きな岩がある、旧妙剣とある。妙見なら北斗七星なんだが、妙剣ならば、四国の剣のほうが縁が深いかもしれない。
岩の傍の樹の肌が擦れている、幹を登って岩の頂上へ渡ったやつらがいるらしい。
もうちょっと上に登ると、絶好の岩のポイントがある。
岩は切り立って町はあっちだな。正面の山は男鹿山女鹿山なんだろうな。
岳山頂上これという際立った山がないので、微妙な山の差異で山座同定しなくちゃならない、えぇい、そんなん、解るかい。
尾根を進んで行くうち、微妙な尾根の交差点に出てきたぞ。
尾根の組み合わせからして、こっちがAコースなんだろうな。荷物を置いてちょっと寄ってみるか。
こっちのほうが踏み跡擦れ跡ははっきりしている、どこまで行ってもびょうぶ岩らしいものは見当たらない。止めた、引き返そう。
尾根の明るい切り開きを進んでいく、裸木のこの季節はええよなぁ。梢の向こうが透けて見えるのがええよなぁ。
おっと、尾根の交差点、ここまでは前回の記憶にあるよ、あとちょっとで岳山頂上だ。ほら、ここだ。
三角点があって、岩の向こうが見通せて、ただね、どこを見ているかが判然としないのだよ。狭い視野だもの。
けぬき岩から前山をさっきの尾根分岐から前山が見えたよな、今日はそっちへ向かうとするぞ。
梢越しに六部岩が見える、差別の用語と気になるのか、はさんばこ岩と言い換えられたものだがね。
尾根を進むうち、おや、面白い、岩の間を通らなきゃ先へ進めない。折れて曲がってクランク状に進むようになっている。
狭い隙間だから、ザックを下ろして手に持たないと岩の間に引っかかりそう。
たぶん、この岩がけぬき岩という名前なんだろうな。
抜けてから振り返ると、岩の上を渡る擦れ跡も見える、なんだい、パスしてしまうとは面白みの解らない連中だ。
登ったり降りたり、岳山から登っているのか降りているのか判定しにくい尾根をたどると、ここが前山の頂上。
けぬき岩の隙間見通しのない三角点で、ただ単に来たというだけのオシルシだね。
三角点の先に長い岩の頂上がある。岩の割れ目を見ると、底まで絶ち切れているよ。さぞかし、なんとか岩と名前が付いていることなんだろうね。
この先は道が荒れていて進むのは止めたほうがよさそう。引き返そうか。
Cコースの分岐はここだろうと見極めを付けた地点があるんですよ。そう、分岐の標識がなんにもない。
案内がなくても気配でわかるさ、踏み跡が先へずぅっと誘導している、そうだと信じて行くしかないでしょ。
谷を降りながら、だんだんと谷の真ん中へ道は収斂していく、道を付けるとしたらこんなはずだぜ、その推測がピタリ当たった、登山路の札を見つけたよ。
前山頂上よしよし、この道に間違いはない、木の種名名札も時折現われることだしね。
ええと、谷が平らに広がってきたぞ。右か左か真ん中か、ま、踏み跡擦れ跡に従って行こうかね。
休憩舎ふうの建物があった、山仕事の合間の手すさびなんだろうね。
その向こうには林道がある。林道を抜ければ民家が見える。そのまま歩けば、あれぇ、これは県道だぜ。
舗装路を歩いて、朝の兵隊人形のところに出たよ。駐車場まで歩いて戻る。
駐車場から山を眺めると、山腹に大きな岩が見える、ははぁ、あれが妙剣の上の岩場だったのか。
今朝歩いた民家の前でBとCのコースが分岐するんだが、戻りのコースは外してしまった。
民家へと出てしまったしょうがないさ、さっきの谷底が広かったんだもの、見当を付けるのを間違えたんだ、まぁ、間違えたところで大差はないさ。
東の斗升から入るとはっきりしたコースなんだが、西のここ扇原から入ると、ほとんど廃道だね。
一年間で何人入山することだろう。見通しの効く今の季節はええよ、夏の葉の繁る季節には道は覆われて解りにくいと思うよ。
踏み跡擦れ跡の判断が付くひとならOKだが、自信がなけりゃぁのぉ、西からの道は止めたほうがええ、東からの道にしんさい。

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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