2010年11月30日
しぇるぱ単独
山域:島根県出雲市

鰐淵寺がくえんじから鼻高山はなたかせん

 

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鰐淵寺新しく、出雲国神仏霊場巡拝を始めました。次は、二番目の鰐淵寺です。
高速道路の山陰道が延長されて、わたしの頭の中はちょっと混乱しております。
斐川インターまで延長されて走ったことはあるんですよ。今は出雲インターまでさらに延長されております。
昔の道と記憶が違う、カーナビが新しい道に追いついていない、ドライブマップが古いままで新しい道が載っていない。
こういう場合は、交通標識が頼りになります。ひたすら前方の空中を見つめて、案内に従って、右へ、左へ、指図通りに動いていきます。
日本海側に抜けて、唐川川をさかのぼって、
鰐淵寺がくえんじへ、浮浪の滝を起源とする浮浪山一乗院鰐淵寺、谷底に立地する修験の寺です。
矢尾峠への渡渉鰐淵寺の縁起はこうです。開祖の智春上人が浮浪の滝で誤って仏具を滝の淵に落とした。それを鰐(ワニザメ)がエラに引っかけて差し出した、これが寺の名前の起源です。
アリゲーターでもクロコダイルでもないのだよ。海のサメが淡水の滝の水で泳ぐ、飛躍があってもそれを咎めてはいけない。
この地方では、サメのことはワニと呼ぶ。因幡の白兎の伝説で、ワニが登場するがサメのことです。ワニは重要な食材なのです。
鰐淵寺がくえんじの詳細は出雲国神仏霊場を見ていただくことにして、寺から先を急ぎますね。
寺の上手に浮浪の滝への案内があるが、脇道になるので、そこはパス、このまま谷を溯って行く。
ほどなく分岐になって、直進する道は
遥堪ようかん峠へ、そっちではなく、谷へ下りて流れを渡渉して矢尾峠へと向かっていく。
倒木の丸太橋しっかりとした道があって、路肩には石垣を築いてある。だいぶ昔からの古道だよ。
最初の渡渉から数えて5回ほど川を渡る。ブリキ板の標示がある。もちろん、段々と流れの水量は減ってきてドボンの可能性は少なくなってくる。
次のは渡渉とは違うな。涸れ谷を渡るのに、倒木が差し掛けられ、トラロープが三方から張られ、結び目と真下の木の根とを結んで、横揺れしないように細工してある。
体操競技のような平均台渡りをすることになる。
谷はゆるやかになってきて、谷の源頭部に達したぞ。峠が見えてきて、ここは矢尾峠、稜線沿いの道と交差する。
今までは、島根半島の山だから、島根山脈というのだろうと思っていました。
矢尾峠宍道湖北山、最近の呼び方はこうです。宍道湖北山県立自然公園から呼称がそのように定まったようです。
一本目の山列は、西の端、日御碕・追石鼻から出雲大社の北側の稜線は鼻高山・旅伏山まで続く。
二本目の山列は、
十六島うっぷるいから島根半島沿いに美保関・地蔵崎へと続いている。
一本目は宍道湖の西側なので、宍道湖北山とは言いにくいが、県立自然公園に含まれているので、北山の延長線とみなしてもええだろう。
その北山トレールを行く。中国自然歩道とも重なったコースでとても歩き易い。
四つか五つのコブを越えて進む。コブの数え方は念入りに数えるか大雑把に数えるかで違うから、適当に受け流しておいてね。
鼻高山頂上西峠というタワに下りる。ここからは急登を登って、稜線の登りの途中なのだが、三方界という表示がある。
鰐淵寺、矢尾、日下、三角形の角が指し示しているのだが、意味不明、進路の標示ではなかろうし、単純な方向指示とも思えるし。
ここから先、わずかに歩いて、鼻高山の頂上に到着しました。
三角点が二つあるように見えるがね。
古い三角点と新しい三角点が並んであるように見える。どっちにも頭に十字が刻んである。
古いのが摩耗したから新しい三角点を埋めたのだろうか。その場合は古い三角点は撤去するだろうね。疑問は疑問のまま先送りすることにするね。
激しい下り頂上は広場になっている。灌木が背の高さまであるので、方向によっては、よく見える方向と隠れて見えにくい方向がある。
日本海のほうをながめると、
十六島うっぷるい風力発電の風車群が見えている。
出雲平野が広く見えていて、
斐伊川ひいかわ神戸川かんどがわが接近して離れているのが見える。
斐伊川と神戸川は、洪水の度に、合流したり離れたり、宍道湖に流れ込んだり、日本海に流れたり、水路が一定していなかった。
洪水被害が激しいのでふたつの川を分離して、江戸時代元禄のころには、斐伊川は宍道湖へ、神戸川を日本海に流すように水路を確定した。
写真に撮ったのだが、水蒸気が多くて、ぼんやりとしか写らない、見せてあげられないのが残念だ。
峠遠く、三瓶山が見えている。出雲のひとには三瓶山は遠いのだろうか、近いのだろうか。石見の山、よその山と思ってしまうのではなかろうか。
体を反転させると宍道湖が見えている。
さて、出発しようか。灌木が密集した一番細い切れ込みから入って行く。通路が細いのは最初だけ、じきに道は広がって歩き易くなる。
コブの数が四つ程度か、何度もコブを登ったり下ったりで進んで行く。
ものすごい斜面を降りることになる。樹は生えてはいるが崖地だよ。トラロープが補助にあるが、ひたすら完全に頼らなければ降りていけない。
ひどい斜面を降りてからは稜線は安定してきた。
老樹稜線から鰐淵寺が見えている。あんな谷底に寺を開いたのだ。
いくつかコブを越えて、峠に到着した。峠の名前の標示を探したんですよ。どこにもない。無名の峠なのだろうか。
この峠からの谷の名前が伊努谷というのだそうな。すると、ここの峠の名前は伊努峠、あるいは伊努谷峠というのかもしれない。
北山TRという札があちこちにあるんですよ。ここにもある。北山トレールの略称なんだろうね。
谷をどんどん降りて行くんだが、地蔵がある、最初に見た地蔵が十一丁、次の地蔵が十丁、ははぁ、丁石なんだ、カウントダウンしているのだ。
丁とは、60間を一丁とする(約109M)距離の単位なのか、単に順番を示すだけの序数なのか、いつも曖昧なんですよ。
谷の出口しょうがないよね、山の中で正確を求めるほうが間違っているよね。
この周辺は鰐淵寺の境内林・止め山ということで、古木がとても多い。幹に太い空洞を抱えている古樹もある。
墓地があって、歴代住職の墓が並んでいる。あちらこちらに墓地が飛び飛びにある。子院も数多くあったということだから、各位階の僧侶の墓なんだろうね。
谷の出口に八百屋お七と小姓吉三の墓がある。この二人の墓は各地にあるんですよ。放火犯だよ、なんでこんなに人気が高いのだろうね。
あとは谷沿いの舗装路を帰るだけ、途中で谷川が暗渠になっていてね、トンネルの上に道が重なっている。
狭い谷底で治山治水するにはこんなウルトラCの工法も必要でしょうね。
参考 出雲国神仏霊場 第2番鰐淵寺

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




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