1999年10月2日
しぇるぱとよめさん
山域:京都
保津峡、旧舟曳路
納税協会に納税月報という雑誌があるんだよ。去年のバックナンバーをめくっているうちに面白いコースの紹介があったよ。ほら、これ。 保津川の旧舟曳路を歩く、ほほぅ、面白そうね。行こう、行こう。でも、ちょっと待ってね。今日がNHKの「すずらん」の最終回なの、それを見てからね。 さてと、着いたよ、JR保津峡駅、橋の上が駅なんだね。よく似た風景がJR福知山線にあるね。西宮名塩と武田尾駅、トンネルとトンネルの間に鉄橋があって、そこが駅になっているんだね。 無人駅なのね、切符の回収箱に切符を入れよう。この先は丸見えだから、トイレはここですませておかなきゃね。 川くだりの舟が通るぜ、カヌーが浮かんでるよ。駅前の駐車場はカヌーのひとの車だな。 |
橋を渡って対岸に向かうのね。ここからはトロッコの線路が真向かいなのね。また、吊り橋を渡ってトロッコ保津峡駅に向かうのか。ほほぅ、トロッコが駅につくと鐘が鳴るのか、なんて鐘、ふぅん、カリヨンか。 駅の売店の脇から路は始まるよ。しばらくはコンクリのどてを行くよ。川原におりるよ。砂地には靴の跡はあるね、ところが、蜘蛛の巣がいっぱいだ、今日はわれわれが始めての通過者だね。 |
ここが問題のところだよ。路は水際にしかないだろ、雨で増水時には水没してルートが無くなってしまうのさ。 そんな時はどうするの。 トロッコのトンネルを通るしかないさ。時刻表をよく見て大丈夫の時だけ入っていくのさ。 駅員に止められたらどうなるの。 しらない、ひとりひとり銘々の判断だね。わたしは晴れが続いて水位が下がっているはずの今日をチョイスしたんだよ。 ねぇねぇ、この先、淵が続いているよ。ずっと水際の岩をたどるのかな。 そうよなぁ、どうなるんだろ。安心したまえ、路があった、山を登るようだな。 |
どんどん登っていくのね、地図を見せて、川は鋭角に曲がっているのね、山に登って岬をショートカットするわけか。おぅ、今度は道は降りていくよ。トロッコの線路に出たよ。トンネルと鉄橋のわずかな隙間だね。 どろどろどろと何か音がする、あそこにJRの鉄橋があるよ、列車が通過するたびにトンネルが共鳴するんだ。 JR鉄橋の下、ヒューム管からすごい勢いで水が出ている、水を浴びるけどしょうがないね、ひゃぁ、濡れた、濡れた。 トンネルの涌き水を集めて捨てているんだろね。 どこかで食事にしましょうよ。 |
川原に降りようか、つい目の前を川くだりの舟が通って行くね。カップのうどんを食べているのも丸見えだ、対岸をトロッコも行くよ。 トロッコが止まった、あちこち止めながら説明してゆっくりとたどるのね。何も急ぐ旅じゃないものね、おおい、手を振るよぉ、手を振ってぇ。 ところで、舟曳路てなんなの。 なんだろなぁ、帰りの舟を曳いて行くための路かなぁ。昭和24年からこの路はやめてトラック輸送に変わったようだよ。 さてと、先を続けようか。コース取りが難儀だな。道が途切れたり、出て来たり、岩を越え、水際をたどり、クイズやってるみたいだね。 つかえたよぅ、どっちへ行こう。 引き帰して岩を回ってこっちへおいで。 今度は下の水際のほうが楽なようだぜ。 |
釣りのひとがいる、聞いてみようか。すみませぇん、この道はずっと水際をいくんですかぁ、山の中に道はありますかぁ。おまへんな、たいがい川のそばと思いなはれ。すぐに旅館に出まっせぇ。 ありがとぅ。 川のカーブで波止めの堤防に出たよ。かみそり堤防だな。平均台を通るようで目が回るね。足許ばっかり見てちゃだめね。 |
物売りの舟がいるよ。川くだりの舟にくっついて売っていくわけだ。 もうこの淵からは物売りの舟のエンジンで押してもらうわけね。相互扶助ということね。 旅館の建物が上にあるよ。あともうちょっとだな。 やっとアスファルトの道にでたね、この淵の向こうに渡月橋が見える、嵐山の駅までもすこしね。 |
参考記録、保津峡の舟曳道は水没、清滝高尾へ
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