2008年6月6日
しぇるぱ単独
山域:島根県東出雲町

毛利の尼子への前線基地、京羅木山

 

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おちらと村松江市内の月照寺に行ってきました。中国地蔵で順番に参拝を重ねているのです。
普通なら、その後は近所の山に登るのですが、松江の近所というと、どこへ登ればええのだろう。
いろいろ考えて、松江とは離れるが、東出雲町と安来市の境界の山、京羅木山に登ってくることにしました。
松江からは高速道路の無料区間を進めばええ。無料区間の終点が東出雲インター、京羅木山への道は有料区間から行くのが近いのだが、ここで降りるのが経済的に正しいやりかたです。
ところで、東出雲インター周辺の地名、出雲郷なんだが、読み方はわかるかな、いずもごうではないよ、あだかえ。どうだ、参ったか、とても読めないだろう。
わたしも始めて見たときは、あまりのことに絶句したよ。
そこから、県道53号線を探して走ってちょうだい。内馬という交差点から左折して出雲東部広域農道を進む。
この道は、ジェットコースターのように上下動が激しい道だよ。尾根を越え谷に沈み、波乗りサーフィンを堪能できる道だよ。
草生す参道へ県道324号線と交差すると、その道に曲がればええ。
ついうかうかと県道の末端まで行ってしまって、ここはどこ、と見当を失ってしまった。引き返して、盆地が谷あいに入る間際、そのポイントで注意すればええのだった。
道ばたに巨大建物群がある。いやいや、ビルディングではなく、民家スタイルの構造なんだが、どう見ても公共施設にしか見えない建物群がある。
そこがおちらと村、介護予防拠点施設とある。道の駅風の食べ物屋を予想していたが、そうではなくて学習センターになっているようだ。
おちらと村とは、おっちらと、つまり、ゆっくりと、こういう意味の地元の言葉なのだろうね。
隣の建物が上意東研修センター、どっちも勉強を志している施設群なんだね。
そうそう、読み方は、かみいとういとうの集落は、かみいとうしもいとう、とふたつに区分されるのだそうな。
庭から道に出ようとしたら、里山マップが売店にあります、との看板、売店はどこだろ、郵便局を併営している建物が売店だろうな。
雨が掘りこんだトレンチ京羅木の里山マップをもらって、これで安心、帰りにお礼の買い物はするからね。
橋を渡って、三叉路に案内札がある、広い谷の方向に歩き始めたが、里山マップとマッチしないね。違った。ここは直進すべきなのだ。
入り口に廃屋がある狭い谷へ進む、この先では生活道路のくっきりとした道には進まない、もやもやと草が生えている道へ入るのが正しいのだ。すぐに小さな案内札があって山道へ誘導される。
案内板には、金刀比羅宮300メートル 金刀比羅宮を経て京羅木山に至る2300メートル
最初は、これは大変な草むらを歩かなきゃならない、と身構えたが、草に覆われているのは入り口だけだった。
石段があって、草からは解放される。ただね、雨上がりなんですよ、コケが濡れていて、滑る、滑る、ええことばっかりじゃないんだよねぇ。
道が古くなると雨水の流路が道を掘り下げて、深いトレンチの底に沈むことになる。ずいぶんと歴史の深い由緒正しい道なんだねぇ。
尾根を歩いて、広場に出る。ここは富士ヶ瀬公園というところだそうな。石灯籠が残っていて、トイレがありベンチがあり、要するに公園だね。
金刀比羅宮ここから舗装路が始まるが、草の道が正参道ということでそっちから進む。
池があって、木の葉にモリアオガエルの泡が水面の上にある。この泡の中に卵を産んでいるのだ。
狛犬があって石鳥居があって、ここからが金刀比羅宮の神域なのだよ。
神門を潜って、両脇の格子の部屋の中を見ると、弓矢を持った随神が守護している。神門のある神社は珍しい、神主衣装の随神を見たのも始めてのことだよ。
写真はねぇ、残念なことに撮れなかった。格子の隙間が狭くてどうにもならんのですよ。
社殿の正面に進む。看板によると、毛利元就が戦勝を祈って出雲大社の分霊を勧請した、主神は大物主大神(大黒さん)
昭和40年に出雲金刀比羅宮と名前を改めた。おいおい、主神にも副神にも金刀比羅の神などないのにどういうわけだい。
金刀比羅宮の主神は大物主大神、これでええのだそうです。上部団体を出雲の大物主から讃岐の大物主に変えたっちゅうわけだね。
足は自然と舗装路のほうへ向いてしまうよなぁ。舗装路を下がっていくと集落が見えてきて、曲がり角に分岐が現れた。
集落と山道の分岐下れば集落だが、登りの舗装路があって、頂上まで2000メートルとある。なんだ、たったの2キロかい。
この先で道路はバリケードで封鎖されている。なんぼ車で登ってもここから先は歩かなきゃならないのだ。
金刀比羅宮へ200メートル300メートルという標識がある。気がつかなかったな、金刀比羅宮からの道があると知っていればその山道を歩いたのに。
金刀比羅宮の山と次の山の間に吊り尾根がある。
この吊り尾根に馬乗番場と名前を付けてある。その昔この百米は乗馬練習場だったとか。さぁてね、そんな伝承があったのやら、あっても不思議ではないと後世の見立てなのやら。
頂上まであと1000メートル、と看板がある。半分来たのだ。まだ半分あると言おうか、もう半分来たと言おうか。
山伏塚への分岐が現れた。300メートルということだが、もらった里山マップを見ると下り斜面の先にあるものらしい。戻るには登り直さなきゃならん、面倒だな。パス。
途中、何度か分岐を見かけた。東からの登山路下山路なんだがね。登山対象の山として、けっこういろんなコースが開発されているんだね。
金刀比羅宮への山道頂上まで500メートル、残りわずかだ。親切過ぎるくらい面倒見がええよ。
林道を敷設したときに巨石が出る、その巨石をまとめて並べるとベンチの代わりになる。その石の上から展望が効くよ。
中海に流れ込む川が見える。対岸の島根半島が見えるはずなんだが、雨上がりで水蒸気に包まれている。残念だが今日は遠くは見えない。
この先で林道も終わり、ベンチがあって、飯梨小学校・能義平野を望む、と看板が出ている。
これは地元の関係者にしかわからない、来訪者にはどこがどれと確定することは無理、見渡して眺めるだけにしておこう。
ここから階段が続いているのですよ。徐徐と225段頑張れ!と看板がある。
長い階段だぞと予告しているのだろうが、徐徐と、とはどう読むのだろうね。徐行の徐だから、ゆるゆると、おっちらと、こう読ませたいのかしら。
ほんまに長い階段だぞ。あと100メートルと看板が出ている。よぅし、もうちょっと。
頂上だ。頂上は切り開いてあって、観音像が鎮座している。観音像の背後に三角点がある。
頂上直前に急な階段どうも最近出会う観音像は、どれも愛想が悪い、厳めしい顔つきなんですよ。仏師がどう表現するかは世間の注文に合わせたものなんだろうね。これが世間の好みなのかねぇ。
東の谷から対岸に、尼子の月山富田城があるんですよ。谷の対岸の京羅木山、星上山に毛利が布陣した。ここから敵城は見下ろせて、ついに落城降伏させたわけです。
これと反対の場面もあったのだよ。
尼子が攻め寄せて、毛利の郡山城を包囲して、盆地を挟んで真向かいの山に布陣した。こんなこともあったのだよ。
尼子はついに攻め切れなくて撤退したが、毛利は成功した。この違いは何だろうね。
兵力の差より兵站の差が大きく違ったのだろうね。将兵の数より輸送人足の数が決め手だったのかもしれない。
市街地が見えるが、あれは月山富田城の麓の広瀬の街ではなかろうか。
富田城はここから見下ろせるよ。防備に乏しい城を本拠にしたのが尼子の根本的な間違いだったのだろうね。
京羅木山の頂上さてと、降りるか。
樹木にユニークな名札をかけてあるのですよ。面白いから紹介するね。
コシアブラ ウコギ科 経木の皮に利用された
エゴノキ(チナエ) エゴノキ科 粘り強い木 てんびん棒などに利用した
タブノキ クスノキ科 下駄材として利用された
クロキ(ハエノキ) ハイノキ科 灰が媒染剤として利用された
ネズミモチ(通称カワツバキ) モクセイ科 太鼓のバチ

薪炭材として利用された、という樹木の名札は他にもあるが、当たり前すぎるのでそれらは紹介しない。
どんどん降りて行って、金刀比羅宮へ、という分岐が気にかかる。
登った道はコンクリート道、この道は山道、ほんの二三百メートルのことだから、どんな道か探ってみたいよね。行くべし。行くべし。
月山富田城を見下ろすよく踏まれたええ道だよ。どんどん降りて行って、たちまち神社の屋根が見えてくる。
出たところは本殿の横、拝殿の前に回ると、登りに歩いた道と合流した。
ほんとだ、拝殿の右側に看板があって、京羅木山登山道に合流する 200メートル、と書いてある。
登りには、京羅木の里山マップの太線の道を歩かなかった。拝殿の左側が開けているのでどうしてもそっちに引っ張られてしまうよね。
帰りには太線の道を歩いたからええか、ま、こんなこともありました、ということで笑っておこう。
続いてさっさと降りて、家を目指して帰るとしよう。

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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