2008年1月17日
しぇるぱ単独
山域:広島県東広島市

名前がでか過ぎ、日本ヶ峯

 

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国道から林道へ東広島市の白竜湖、椋梨ダムの道端に、日本ヶ峯と案内があるのが気になっていたんですよ。
日本ヶ峯とは、いったい何だ。ある日、軽トラで林道を山奥へ進んでみました。
ほとんど肩の位置まで登ったところに、ほんまに日本ヶ峯の案内板があるのを確認したよ。ここから登ったんじゃぁ、小学校の遠足にもならん。別の日に登ることにしよう。
今日がその登る日と決めました。
白竜湖の湖畔、道の膨らみに車を置いて置くことにするね。
道の膨らみの内側は、広場になっていて、ダム水没記念碑が建ててあります。
ここから林道を歩けば、いちにちの行程になるだろう。無理矢理のコース設定だが、こんなこともあり、ということでやってみよう。
こんにちわぁ。 釣りかいね、趣味のあるひとはええね。えっとたくさん釣りんさいよ。
釣りだと決め付けらてしまったぞ。ということは、山歩きなど想定外、ハイカーなど見たこともない、ちゅうことだろうね。
落ち葉掻きここは東広島市河内町小田の地域なんだが、地図を眺めると、一の組、二の組と始まって、十二の組まであるんですよ。
六の組はさらに細分されていて、六の上組なんぞというのもある。
谷の下流から順番に数が増えていっている。こんな小字に名前を付けたのは、いつの時代に付けたものだろうかね。
順番に数を与えていく方式は近代的なやり方だものね。中世の頃には、こんな方式はあったものだろうか。
江戸時代、干拓の地所に、埋め立てた順番に数字を与えていく例はあるのですよ。こんな近代的な考え方は、海でも山でも時代の空気で同時進行することだろうね。
中世以前の命名だとすると、既にその時代、デジタル思考、抽象概念を扱う素地がある、ということで、さらにアッパレと言わなきゃならない。
明治初期、北海道では東N条北M条と命名した。これと同じ方式が時代を超えてはるか昔からあったのなら、これは凄いことですよ。
そうかい、で、それは集落を尋ね回って確認したのかい。いいや、頭の中で考えただけ、実際はどうなのかは知らない。
はいはい、そうですか。前へ進もう。
背の高い祠バブルの頃に不動産開発で造成したが、ちっとも売れない土地がある。そこに日本ヶ峯への標識がフェンスに結び付けてある。
この案内があったので、日本ヶ峯に興味を持ったのですよ。
道を進んで、造成土地の入り口と反対方向、左へ曲がって山裾の道へと進んで行く。古い看板があって、錆びてはいるが、林道日本ヶ峯線と読める。
看板に、脱包の励行、転倒に注意、矢先の確認、銃の管理の徹底、とある。
こりゃ怖い、あっち側は必ず気を配ってほしいが、こっち側でも撃たれないように注意しなきゃね。
さっきのおばさんが林道で落ち葉を袋に集めている。落ち葉を腐らせて肥料にするのだ。
こんにちわぁ。 あぁ、びっくりした、釣りじゃぁないんかいね、山かいね。日本ヶ峯へのぉ。山頂の見晴らしぃ?どうかのぅ。ぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ。
行くんならのぉ、秋のマツタケの時期に行きんさい。いぃや、いぃや、誰が入ってもええんよね、縄張りも何にもしちゃぁおらんけぇ。
いやぁ、にぎやかなおばちゃんだった。
再び日本ヶ峯の案内水源の森と看板がある。入ってみると、水が流れ出していて、泉に井戸輪を沈めて枯れ葉などで汚さないように蓋をしてある。
林道の舗装路を通らない、山の中の道があるかしら。この奥に小道は続いてはいるが、地図と対照してみると、林道を行ったほうが賢いように思えるね。
道を逸れて奥に広場がある。箱が重ねてあるが、なんだろう。覗いてみると、ミツバチの巣箱だった。
トラックのタイヤの跡が重なっている、事業を休んでるわけじゃないね。今は冬なので、ミツバチも休眠中なんだろうね。
足のひょろ長い建物がある。寄ってみると、神社・祠だった。
マレーシアのサバ州のキナバル山に登ったことがあります。キナバル山への海岸の住居でこんな姿を見たことがあるぞ。
彼らはもともとは海洋民なんですよ、海面に柱を立てて床を張って住まいにしているのだが、陸地に上がっても伝統的な建物様式を引き継いでいます。
その姿を思い出した。
こんなに床が高いのは、他では見たことがない。日本の様式とはかけ離れているぞ。ひょっとして、南の海洋民のDNAを受け継いでいるのかい。
峠トタン板で囲まれた土木の資材の集積所の前を通って、このあたりから日本ヶ峯の前山かと思える山が見えるが、地図と照らし合わせると、前山も前山、はるか前山に相当するね。
ガードレール越しに、谷底から向こうの山まで見渡せるところに出た
この谷は、ダムから放流される谷で、谷間が狭まって、岩場が連続するので深山峡という名が付いている。その谷間を見下ろしているのだ。
谷底の国道を走ると、いかにも狭い、と感じるのだが、ここから見ると、広い谷だ。見かけで判断してはいけない、ほんとは谷底はもっと深いのだよね。
道の下に池があるのを眺めて、そのあたりで看板が出てくる。
スタートの看板には3.5kmとあったでしょう、今度の看板には1.5kmとある。
どうしてこんなに平凡で無意味な場所に看板があるのか不思議だね。
こう考えれば理解できるか、看板に1.5kmと書いてしまった、ならば、その距離を測って、そこに看板を立てよう。
二つ目の池が道の下に見える。地図では三つ見えるように示してあるが、ふたつしか確認できない、三つ目の池は道路から離れているのかもしれない。
生活環境保安林門があって、山腹を開拓したところに出て来た。ぶどう園を作りたいのか、ただ単にブルドーザで掘り返したのか、意図が判らない造園だね。
はげしく迂回して折れ曲がって、さっきの造園の上に出て来た。林を透かして土の肌が見えている。
これが人間の歩く道なら、急傾斜でも真っ直ぐに道を付けているはずだよ。自動車道路だもの、迂回して傾斜を緩やかにしないと登れない。
人間と自動車と、どっちがパワフルか、比較するフェーズによっては結論が逆転するのだ、いろんなこと、愚にもつかぬことを考えながら歩いております。
で、やっと坂道を上り詰めた。この先は下りの道に変わって行く。
土砂流出防備保安林の地図がまず出てくるが、これは現在地が狂って表示してあるので、信用しないようにね。
三叉路に到着しました。交差点に、日本ヶ峯 生活環境保安林 と看板が出ている。
左に進むと、指標がいっぱい出てくる。まず、地図看板を眺めて、おおよその道のイメージを掴んでおこう。
中央コースで登るのが最短コースなんだな、ではそのコースを進もう。
西条盆地の景観道は公園風で、いろんな分岐があるが、上へ上へと進んで行けばええ。
ここに生えているのは松ばっかりだな。たまに杉が生えているが、疎らだもの、
実生みしょうのもので植林したものではないだろう。
なるほどなぁ、おばちゃんがマツタケの時期に来い、と言った意味がわかった。
これだけ松が生えているんだから、マツタケが生えているかもしれない。生活環境保安林として公開している山だもの、誰が入ってもええのはわかる。
振り返ると、西条盆地、西条盆地を浅い皿にたとえるとしようか。
手前の縁が頭崎山、岩谷山、沼田川の外縁部分。盆地の向こうに遠くの外縁、曾場ヶ城山、水ヶ丸山、小田山。皿の底の部分に高屋・西条・八本松の平地。
こんな姿で見えるでしょ。
枝葉で隠されているが、透けて見えるのは
たかむら山だ。飛行場の方向は木々に邪魔されて見えない。
北の方向、東の方向は判らんなぁ。展望はあるんですよ。見えてはいるんだが、何ちゅう名前の山かさっぱりわからん。
篁山山頂から、北コース、南コースとあるが、どっちへ行こう。
南の展望があるかもしれないと、期待を込めて南のコースを行こうか。
稜線に巨石が転がっていて、なかなか楽しいね。期待していた展望は無理です、木々に阻まれて何にも見えない。
下りて行くのに、正反田池のほうへ向かおうか。
今までは、おおむね草刈りは丹念に刈ってくれていたが、この道は刈り残してある。ノイバラがあって痛い痛い。気をつけて歩こうね。
出て来たところが正反田池、小さな池だが、日本ヶ峯周回コースの重要ポイントなんですね。
バタバタバタと大きな鳥が池から飛び上がった。池の水面を踏み渡りながらやっとテイクオフ、10歩くらい水面を駆け出してやっと飛び上がった。
最初の登りくちに到着、これで中央コースと南コースが結び合ったわけだ。
どうしても気に障るのは、日本ヶ峯と名前を名乗ったこと。日本ヶ峯に登りました、と世間に言うのが恥ずかしいじゃないか。
日本ヶ峰頂上こんな低山で日本ヶ峯とはオコガマシイ。そりゃ、名乗るのは勝手だが、名乗るべき何かの由緒は欲しいよね。
近畿の大峰山、ここの中心の山上ヶ岳、頂上に日本岩があります。山上ヶ岳ほどの山が頂上の岩を日本岩と名乗るなら言うてもええ、納得できるんですよ。
さぁ、湖畔の駐車場所まで林道を引き返すかね。
思えば、無理に林道を歩き通すなど、そんなことする必要はなかったね。素直に林道を自動車で上まで来ればええのさ。
午前中に1時間とか、午後に1時間半とか、日本ヶ峯を短時間で楽しむように考えれば、それでええと思うよ。

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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