2003年7月6日
しぇるぱ単独
山域:奈良東部高原

天理の大国見、奥へ奥へと

 

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桃尾の滝天理の大国見の山へは何度も通ったもんだがね。
北側に平行して西名阪国道が走っている、そこから見ると、大国見の山は、どう見ても中腹のこぶなんだよね。
大国見から先の高みはどうなっているのか、極めなくては胸のつかえは消えないね。
今日はいつもとは違って、駐車する場所は桃尾の滝までは行かないよ。滝本上バス停、この近くの道のふくらみに置くことにしよう。
ぐるっと回って、上流の天理ダムから戻ってくる予定なんですよ。戻り道で、最後に滝の坂道を登るのは嫌だものね。
集落を抜けて桃尾の滝、ごみひとつなく清浄な雰囲気だね。誰もいないから注連縄を潜って滝つぼまで近づこう。
いつ見ても高い落差で、姿がええね。
滝から先はしばらくはコンクリ道、谷を離れて山道になる。
途中、分岐があるが、間違えると古い墓地へ誘導されるんだよね。間違えても引き返すしか方法がないから、ロスも軽微ですむよね。
これははるか昔に得た経験、知ったからには、同じ間違いを繰り返しはしないさ。
大親寺あじさいの中をたどれば大親寺、明治のころ、廃れたんだそうだ。昭和の戦後に再建したということだそうな。
檀家のない寺は大変だよ、信者を獲得するのに験を示さなきゃならない。験力は薄れてくるものなんだそうな、維持し続けるのは並大抵のものじゃないんだそうだよ。
ここから先は杉林のなか、もともとは田んぼに植林したものなんですよ。こんなとこまで田んぼがあったことが驚きだね。
杉丸太を渡した橋を何回も渡るんだが、雨上がりなので滑るんですよ。しっかりと踏ん張らなきゃ。
さぁ、山道だ、登るぞぉ。
峠に出たよ。大国見への反対の道は日本山妙法寺へ続く道なんですよ。行ったことがあるが、イバラの道だった。あれからうん十年経っているから、様子は変わっているだろうがね。
次の峠で西名阪国道の岩屋米谷への道、はっきりした標識があるから道はあると思うよ。昔々、わたしが試した時は途中で道が無くなって引き返したことがある。今は、整備が進んでいるから、そんな羽目に陥ることはないでしょうね。
大国見、頂上の祠霧の中で、夕方のように薄暗いよ。先を見ても、後ろを振り向いても、ぼんやりとした風景だね。
ぽんと、いきなり大国見の頂上に出てしまった。
最後の斜面の登りの取り付きで、尾根道と山腹の道と別れているはずだったんだがな。山腹の道を行くと、岩塊が累々とあって、ボルダリングで遊ぶのにぴったりの箇所があったんだがね。そっちの道は草に埋もれてしまったんだろうな。
山頂には祠があって、そこからの展望は素晴らしいのだが、今日はあいにく霧の中だもの、なんにも見えないさ。
エンジンの音がごうごうと響いている、谷向こうは西名阪国道なんだよね。
だれか来た、こんにちわぁ、頂上から先には道がありますかねぇ。
えぇ?道があるんですか、地図に道など書いてありませんよ。行ったことがありません。
ここで一声かけておかなきゃ、あらぬ疑いをかけられるもの、あいつめ、しゃがみに行きよった。
うんこ、ちゃいまっせ、探査、踏査、エキスペディション、なのだよ。黙って消えると不審がられるもの。
大国見頂上踏み出してみると、案外、道はあるもんだね。獣道踏み跡からずいぶんと進化した道だよ。
頂上からちょいと下がって分岐になった、真っ直ぐに尾根道を下がろうか、左へ尾根道を水平に行こうか。
テープがあって、書き込みがあるんだが、滝、ヤツ岩、示す方向がばらばらなんですよ。下がれば桃尾の滝へ誘導されると解釈して、水平道を行こうかい。
歩くにしたがって、テープの書き込みがひんぱんに出てきて、どうやら、歩いてる先の方向が滝ということらしい。
さては、滝とは、桃尾の滝ではないね、長滝町滝本町の意味じゃないかしら。中村というテープ書き込みがひんぱんに出るが、これは意味不明だな。地図にそんな地名は見当たらないぞ。
草かぶりの道が続くが、ここは難儀な箇所だな。ノイチゴの藪じゃないか。迂回することも出来ないし、ええい、中央突破だ。
イテテテ、夏の盛りにはこの道は不向きだね。草の枯れる秋から冬にかけてがオススメだね。
このあたりが最高地点らしいのだが、寄れないよ。草のトンネルを行くしかないので、頂上部をかすめて下りていくことになる。
長滝の集落林道に出たよ。これをたどれば里に出る、という安心感に包まれるね。でもね、草に埋もれて休眠中の林道なんだよね。
板に大きく掲示してある、新聞記事のコピーのようだぞ。
ふるさと歴史散歩、タイムスリップ第48回、超古代文明、イワクラ信仰、八つ岩
要するに、この山中に八つ岩がある、この岩を毎月参拝するグループがある、だんだんと高齢化してメンバーが減ってきた、ということなのかい。
そうなのか、テープや目印はこの八つ岩参拝のひとによるものなのかい。掲示に中村正治と責任表示してある、テープに書いてあった中村とはそういう意味だったのかい。
道理でね、テープの内容が、山仲間のお約束と離れた表現で、理解するのに散々首をひねったものね。
ともかくも林道、どれだけ草に埋もれても、山の中の細道とは雲泥の差だね。楽なもんだ。
あれ、軽トラがいる、山のマサ土を運び出しているんだ。
天理ダム上流をこんちわぁ、この道は天理ダムに行けますか。
ここはもう福住に近いとこでっせ、このまま林道を行って、右へ右へと曲がれば天理ダムに出られまっせ。どこから来ましてん。
桃尾の滝、大国見から山道をたどりました。いやぁ、えらい道でした。
そうでっしゃろ、ちかごろ山仕事には誰も入らんもんね。
林道が長いね、ぽくぽく歩いて、送電線が頭の上に見えるようになった。あ、とうとう林道を抜けた。
道の向こうには広い平地が広がっているよ。なんだろ、畑には見えないなぁ。さっきの軽トラが戻ってきたぞ。
この広い地面は何なんでしょう? 工場用地、セキスイ化学の、ほぉぉ、そうなんですか。
はい、右へ右へと曲がるんですね、どうもありがとう。
こんなところまで工業開発の手が伸びているとは思わなかったな、さすがに西名阪国道沿線だね。
工業用水なんだろね、水道タンクを横目に見ながら歩くと、街道に出たぞ。
天理ダム堰堤左が田んぼなので、里はあっちだな、里を目指して左に誘導されかけるが、ストップ、待て待て、ここは、助言のとおり右へ行こうかい。
道は下がっているんだがね、山の中へ誘う道なので、これでええのかしら、ええわい、信じて行こうかい。
集落のひとが総出で道の草刈りをしている、こんちわぁ、こんちわぁ、好奇の目が痛いね。
長滝町の集落だ、散居じゃないんだよ、密集のかたち、どこでも関西の農村集落は密集が多いね。
集落から天理ダムまで思い切り道を下らなきゃならない。やっとダムを巡る街道まで出たよ。
いつ見ても、このダムはたっぷりと水を湛えている姿を見たことがないね。容量の半分までも溜めていないんじゃないかね。
ぐるりぐるりと曲がり曲がってダムの下、あともうちょっとで駐車場所に帰れるぞ。
で、このコースの評価だが、もう一回来たい気がするかい? いや、もう充分。二度とは来ないさ。
山の中はイバラだらけだし、後半は舗装路歩きが長くて草臥れるだけだよ。ガイドブックに従って、大国見までの往復で、オイシイところだけを味わうのが一番だと思うよ。

参考 大国見と蟻

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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