2013年2月25日
しぇるぱ単独
山域:広島県庄原市

勝光山しょうこうざん、ヤブが濃いので諦める

 

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県道の大曲りわたし、数年前、地元の山岳会に入っていました。長くは続かなかった、2年間だけ。
登山例会で話している内容が、
勝光山しょうこうざんに登ったとか、これから登るとか、風に乗って切れ切れに聞こえてきます。
へぇ、登れるのかい。そんなら
勝光山しょうこうざんも登山対象にカウントしとこうか。
記憶に留めたのが5~6年前です。記憶も薄れて潜伏期間数年経過、本気で登ってみようか、とその気になりました。
なんで勝光山が気になるか。庄原の市街地から見ると、山肌にものすごい崖地、露天掘りで掘りまくっているから一面に露頭だらけなんですよ。どこから見ても見えているもの。
林道の切り通し勝光山の鉱山で掘っているのは、蝋石、タルク、カオリン、炭酸カルシウムに代表される白色鉱物、こんなものを掘っています。
神石、三次からも見えていて、山座同定の指標に使っております。似たような山に混じって、勝光山があそこなら、西の山はこれだろう、背後の山はあれに違いない。
で、採掘の邪魔になるから南側からは登っちゃいけないだろう。北から、裏側からなら、登っても構わないだろう。
庄原から国道432号線を進むが、途中で県道467号線に入る。盤之谷はんのや峠を越えるんですよ。
盤之谷はんのや峠の南側には積雪はないが、盤之谷はんのや峠を越えると路面はタイヤでカチカチに雪を踏み固めている。ちょっと怖いよ。
タイヤ跡はここまで峠からだいぶ降りて、反転するくらい大曲りのところがある。大曲りの手前、小曲りのところが膨らんでいるので車を止めよう。
大曲りからは谷沿いに道が奥に入っている。車が入った形跡があって、タイヤの跡がある。こういうところは心強いね。
獣の足跡がある。肉球の足跡だ。犬が一緒に入ったのだろうね。
谷のどん詰まりで大曲り反転する。次の尾根を渡って谷の頭を越える。
次は尾根の切り通し、林道は尾根を深く断ち割って次の谷へ渡って行く。
今度の谷は大きいのですよ。水の流れがしょろしょろと聞こえてくる。
林道もここまで車はここまで来て引き返している。無理もない。この先は未整備で、重機で引っ掻いただけだから車が通れる道ではないものね。
おいおい、橋がない。切り立っている。橋でなくても、太いヒューム管を埋め込んで、谷の水を流す工事をすべき箇所なんだがなぁ。
左岸は幅広の道、右岸は狭い道、狭い道は両方からイバラが突き出しているから通りにくい、左岸の幅広の道を行くべきだね。
橋がないならしょうがない、石を踏んで流れを渡渉する。
大型トラックが余裕で擦れ違えるほどの幅広の道で、草木が突き出しているけど、避けて歩くスペースはなんぼでもあるよ。
また渡渉すべきところがある。さっきのも今のも、流れまで深く降りて行って渡って登り返すのだ、ちょっとメンドクサイぞ。
尾根乗越もう一回渡渉、そんなに流れまで降りて行かなくてもすむので、ここは堪忍してやろう。
おーい、行き止まりになったよ。重機で引っ掻いた道はここまで、この先はヤブで、突っ込んで行けるようなヤワなもんじゃないよ。
しょうがないから流れを渡って右岸に移動しよう。こっちにもちゃんと重機で引っ掻いた道があるんですよ。
谷から離れて尾根へ向かう。
尾根を越えて、さっきの谷とは反対の谷の山腹を進んで行く。
あれは比婆山と吾妻山、西へ眼を移して行くと、どこから見ても判る八国見山の隣だから熊山、別名、笠尾山、ずっと東を見ると、道後山が見えている。
道が行き止まり比婆山、吾妻山、道後山のページはなんぼでもあるが、熊山のページはあまり見ないでしょう。ここにあります
ありゃりゃ、道が行き止まりになったよ。ここから先はヤブが分厚いので分けて入るのは出来ないね。引き返そう。
尾根まで戻って、尾根道を進む。昔々はここを人が通ったこともあった、何年も何十年も歩くやつはいない、その程度の踏み跡がある。
なんとか頑張って道まで抜ける。峠のところに抜けるが、二方向にしか道がないのですよ。目指すは勝光山の方向なんだが、そっちへ向かう道がない。
なんとか頑張れば道に出るだろうとヤブに入ったが、ヤブに阻まれ、雪が邪魔して、どうにもならんね。
やめた、あきらめた。こっちから登るのは労力ばっかり消費して見返りが少ないコースなのだ。
勝光山谷底まで降りて来た。右岸の道を降りてみようか。
だめだ、枝葉が繁って、通れやしない。やはり、左岸の幅広い道を歩くのが正解だね。引き返して、渡渉点から左岸に移る。
勝光山の斜面には道が櫛の目のように並行しているんですよ。この櫛の目、隣りの道と繋がっているのか怪しいのだよ。行き止まりの道も多いのだよ。
潔く勝光山はあきらめよう。倒産して以来、メンテしてないからヤブ化しイバラに覆われ、魅力に欠けるよなぁ。
道を横断する流れをみっつ渡渉して、車の通る林道に戻ってきた。
諦めて引き返す朝に登るときは、雪が締まって体重を支えてくれた。温度が上がると、腐れ雪になって、クシャクシャと靴が埋まってしまう。雪から靴を抜きながら歩かなきゃならない。
林道を歩いて、もとの駐車場所まで帰って来た。
2009年に鉱山は倒産しているんですよ。
露天掘りでコスト安で掘ってるはずなんだが、外国にはもっと安く掘っているところがある。輸入品に駆逐されて倒産です。
管理パトロールする人はいないはずだから、鉱山の入り口から入っても咎める人はいないかもしれない。
でも、そんな鉱山道を登ったところで、登山しました、と言えるかしらね。
大曲り勝光山にもう一回挑戦する気はあるかい。いいや、もうその気はありません。鉱石の運搬道を歩くか、ヤブを抜けるか、どっちも魅力に欠けるよねぇ。
ところでこの会社、株式会社勝光山鉱業所、HPも存在していて独自ドメインも維持管理しているんですよ。
2009年、民事再生法を申請しているが、あれからどうなったんだろう。会社更生法の申請じゃないので、旧経営者の未練は見え見えですよね。
独自ドメインを維持しているということは、金を払っている、すなわち、経理課が存在しているということなんでしょうね。
生きているのか死んでしまったのか、よくわからん。子会社の勝光山運輸のトラックは今も走っています。

詳細地図、地図上のどこで撮った写真なのか解ります

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