2003年1月19日
さたやん、まささん、しぇるぱぁに、しぇるぱ
山域:奈良中央

高取城址から飛鳥へ

 

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高取の旧街道近鉄壺阪山駅に着いたけどさ、雨模様やね。電車の中では、大したことないわい、となめていたが、かなりの雨が降っているね。どうしましょう。
行きましょうよ。傘というものがあるもの、傘もさせない狭い道に入るわけじゃないからね。
国道を行くより、旧街道を行こうよ。案内看板には土佐街道、レンジロードと書いてあるよ。レンジとは連子窓のことかしら。古い家並が続くものね。
店屋の少ない、時間の止まったような街だね。古いお屋敷に石川醫院と看板があるよ、旧漢字で書いてあるとは由緒ものだね。
土曜日には玄関の待合をはみだすほど患者が待っていたな。何代もの信用を重ねた結果なんだろうね。
壷阪寺ええと、このへんで右折するはずだぜ。このまま行くと家老屋敷に行ってしまう。
狭い道をうねうねと右へ左へ、記憶を呼び起こしながら歩いている、これでよかったかな。歩いて登るのは久しぶりなんですよ。
ふぅん、これが浪曲で有名な夫婦の墓なのかい。壷阪寺縁起で名高いね、墓はここだったのか。
ツマワオットヲシタイツツ、オットワツマヲイタワリツゥゥゥ
反対だったかな。
街のはずれに製薬の工場があるはずだよ、あったあった、置き薬で有名なんですよ。置き薬は富山だけじゃないんだよ。
五百羅漢バス道に出た。ええと、谷を行く道はどうだったかな。もう少し先、民家が尽きて、赤い鳥居が見えてくるあたりやね。ほら、標識。谷に下りよう。
谷底の道に沿って、電線と電話線も平行している、あんがい踏み均された道やね。
よく踏まれて草も生えてない道やね。あれ、土橋が朽ちて真ん中が折れてる。
谷の最後は七曲り、出たところが駐車場、正面が壷阪寺なんやね。
駐車場の脇に石が山積みされている、インドからの輸入品やぜ。インドの装飾が多くなって、ヒンズーの寺の雰囲気に近くなってきたと思わないかい。
なかなか達者な寺だよ、次々にイベントを起こして、信者を拡大しているもの、企業経営も見習わなきゃね。
高取城址急坂舗装路からはずれて、山道に入って、五百羅漢、最初見たときは暗い杉林の中だったんだよ、伐採されてしらじらとむきだしに明るくなって情緒もなにもなくなった時期もあったよ、今は植林も成長して、再びしっとりした感じを取り戻したね。
隣りに新しい羅漢群像があるが、前にはこんなものはなかったわね。
インド羅漢ちゃいまっか。あんなに輸入石材があふれているんやもの、ありそうな話しやね。
ここからは濡れた斜面の道と格闘やね。ここで滑るとえらいことや。
尾根道を歩いて、舗装路に出た、ここが高取城址への分岐なんだが、舗装路を行くと天守閣の裏から直登できるんやで。
高取城址あれ、また高取城址の分岐に出た。
間違えた、さっきは山道を行くべきだったんや。ここが通常の城址への分岐なんだよ。だけど、常識に逆らってこのまま林道を進むよ。
今度は間違いないよ。ほら、林道終点。七つ井戸、ここまで水汲みに来たんやね。ここから登るんだよ。
急な道やね。石垣の横腹がふくらんでいる、ほっとくと崩れるがな。
天守閣の下の広場に出るんやね。目の前の石垣が天守閣なの? 振り向くと、高い櫓の石垣もあっちこっちにあるんやね。
なんとか雨も止んだようやね。あっちが吉野大峰方面なのか、ガスが湧いて墨絵のようやね。
猿石方向盤がある、沖縄、富士山、そこまで見えるんかい。
この先には芋峠、前に行ったことがあるがね、感想? うぅん、平凡、無理に行くほどのもんじゃないよ。
戻ろうか、大手門のほうへ行こうよ。
伐採が始まっているなぁ。ちゃうちゃう、石垣の大掃除、石垣の保護のようやぜ。
石垣に生えた木を切って、石垣の足許も切り払って、石垣を浮かび立たせようとしているんだよ。
ここが猿石、壺阪山駅と飛鳥の栢森への分岐なんだね。栢森へ行くよ。
勧請縄、女綱だいぶ尾根を下がったが、まだ石垣があるよ。
藩の規模に比べて、はるかに入れ物が大きすぎやしないかい。足軽の警戒パトロールはさぞかし草臥れたことだろうね。
下りの道もなかなかに長かったね。やっと街道に出た。ここが栢森(かやのもり)。
ほらこれが勧請縄(カンジョウナワ)、女綱、女のシンボルを示しているんだよ。
勧請縄とは、注連縄の前のカタチなんやね、結界やね、疫病のバリヤーの意味を示すものなんだがね。
勧請縄はあちこちで見受けるが、男型女型のセットになっているのは他では見たことがないよ。
勧請縄、男綱勧請縄の男綱は次の集落の稲淵にあるんだよ。
ここが栢森と稲淵の中間、飛鳥川上坐宇須多岐比売命神社(アスカカミカワニイマスウスタキヒメジンジャ)、川の瀬、岩肌が美しいやろ、それを愛でて祭ったんじゃないかな。勧請縄はこの神社のためだと思うよ。
ここが稲淵、勧請縄の男綱だよ。だれが見ても、これは男やと解るやろ。
なるほど、解る、解る、しもた、さっきの女綱をしっかりと見とくんだった。
橋を潜って、田んぼのほうへ向かうね。、このあたりの棚田は都会のひとからの援農で支えられているんだよ。秋にはイベントで、案山子コンクールをしている、面白い案山子がずらっと並ぶよ。
高松塚古墳丘を越えて、集落を抜け、さらに丘の上、丘の続きに高松塚はあるんだよ。ほら、これ。
ちいさい塚なのにね。これがそうか。世紀の大発見からもう何年経ったんだろうね。
壁画館でコピーを見ていこうか。
コピー!それはあまりに安っぽい、せめてレプリカといってちょうだいよ。
飛鳥駅、やれやれ、やっと着いた。さたやん、新しい山靴の慣らしで足が痛かったでしょ、雨に濡れたから、かえって足に馴染んだかな。
今日はいちんち雨でしたね。お疲れさまでしたぁ。

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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