2005年1月25日
しぇるぱ単独
山域:広島県東広島市

中天神嶽、西天神嶽、東天神嶽

 

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登山口駐車場天気予報で雨じゃない日を選んだつもりなんだがね、雨は降らないが、深い曇り空でうっとうしい天気だなぁ。
これでは、山頂からの展望も水蒸気が立ちこめてほとんど見えないことだろうね。しゃぁない、自分で日取りを選んだんだもの、文句を言ってもしょうがないさ。
広島県のほぼ真ん中、賀茂郡豊栄町に天神嶽があるんですよ。
前に縦断して登ったことがあるが、その時は、雨が降ってきたので大急ぎで下りたもんだよ。ちょっと心残りがある、もう一度行ってみようよ。
山腹の道は稜線に出る天神嶽の北側に登山口があるんですよ。その名も天神沖、いかにも姿かたちと目的用途がマッチした集落の名前だね。
集落を抜けて舗装路はくねくねと曲がりながら登って行くんですよ。
舗装路と別れて地道が始まる、ここに天神嶽登山口の案内がある、地道をすこし入って行くと駐車場の広場があるんですよ。
ここから歩きの登山道が始まる、ブルドーザでならした広い道だよ。ドーンと縦にまっすぐ進めばええよ。
脇に枝道がいくつもあるが、それを行っても構わないさ。折れ曲がって、串刺しの縦の道と交差することになるんだがね。
この山もそうだが、このあたり一帯の山、ブルで縦横に引っ掻いて仕事道を付けているぜ。
地蔵の広場保安林の看板があって、環境保護の標識があるのに、ブル道がなんぼでもあるのは矛盾していないのかね。
このへんの山は自然林で、植林の山でもないよ、林産物の売上と比較して到底引き合わない作業経費だと思うがね。土木の業者に自治体から予算執行して、企業の命脈を保った、雇用を維持した、とでも言うのかい。
そうではなくて、山主が自分で手配したのならええ度胸だなぁ。
縦の一本道も稜線に出てきたよ。次も同様に稜線を縦にたどって行くんだよ。
ひづめの跡がスタンプされている、イノシシの足跡だね。
道の脇を掘り返している、掘るエネルギー消費と得た餌のエネルギー収入とどっちがどうなんだろうね。エネルギー収支は赤字なんじゃなかろうか。
中天神嶽頂上梢を透かして石像が見えてきた、巨大なお地蔵さんの石像だよ。
このあたり一帯には地蔵の石仏などがたくさん置かれている、案内によると、天龍夫妻の信心によるものだそうな。
天龍さんとは何者なの? よく判らんのですよ。大正から昭和初期、ここで修行して、賛同するひとびとによって地蔵などの石仏が集まった、ということなんですがね。
天龍さんは、僧侶なのか、在家なのか、麓のひとなのか、遠来のかたなのか、ネットで調べても検索に引っかかってこないよ。
ただね、板碑石碑の内容が、和歌であったり、漢詩であったり、教養の裏打ちがある、信者のレベルは高いよ。
西天神嶽三角点50年記念の石碑もあったが、50年とは没後を意味するんでしょうね、50年後もまだ慕われているとは、天龍師、なかなかの人物だったんでしょうね。
アズマヤがある、前回には雨の中だったので雨宿りさせてもらったが、今日はパス、そのまま登って行くね。
頂上には岩場がある、ここが中天神嶽で、天神岩なんでしょうね。大きく、忠孝、と彫りこんである。
彫刻については前回にさんざん悪態ついたから今回は繰り返さないが、こういう行為はわたしは嫌いだよ。
本来なら、この岩の上から遠くまで展望できるはずなんだがね、今日は曇天で雲が垂れている、近めの東天神嶽、西天神嶽、豊栄町内の板鍋山が見える程度で、遠くの山は霞みの中だよ。
安宿へ分岐の峠岩のてっぺんのてっぺんに登るなどの危険な行為は止めておくよ。通常の平らなてっぺんでじゅうぶん満足だよ。
西天神嶽を目指そうか。前回は雨が降ったので行かなかった、宿題の残りをやるようなもんだね。
いっぺん下ってゆるゆると登る、稜線は強風で樹がなぎ倒されて麓への視界が広がるよ。へぇぇ、道路が見える、あれは県道だな。
ところがね、帰りに県道から逆に見上げると、前山と本稜線と区別が付かないんですよ。どこを歩いたんだろ。低山だもの、ま、こんなもんだね。
とんとんと登って、ここが西天神嶽、三角点が設置されている。
東天神嶽の岩場切り開かれて、山頂は広場のようになっている。西に岩場がある、南西にも岩場がある、本来なら絶好の展望の場所なんだろうが、展望を楽しむのは、またの機会を待つとするかね。
引き返して中天神嶽、地蔵の広場から東天神嶽を目指すとしような。
谷の源頭部に小屋がある、宗教施設なんですよ。以前にうっかり扉を開いたら中はずいぶん不気味だったよ、今回はパス、触らずに過ぎようぜ。
峠まで下りた、ここから谷に下りれば
安宿あすかの登山口、反対側からの入り口なんですよ。
稜線をどんどん登る、振り向けば中天神嶽の頂上岩場がよく見える。
東天神嶽から中天神嶽をやはり冬に登るべきだね、葉の繁る時期にはその姿が見えないもの、前回に見損ねたのを取り戻したというわけだね。
頂上が近い、岩が門のように並んで出迎えてくれている。
東天神嶽はどこが頂上とは判定しにくいんですよ。でも、頂上の特定などどうでもよくなってくる、岩に心奪われるんですよ。
頂上から岩が前方にせり出している、地面が平らにせり出している。突き出た岩場が一箇所、二箇所、三箇所。港の桟橋埠頭のように突き出している。
それぞれの岩の上で他の岩を見比べる、いやぁ、それぞれがええなぁ、どれも風景は別々のものだね。
岩の向こうに中天神嶽の頂上の岩場が見える、西天神嶽が続いて視野に入ってくる。いっぺんに眺められる、ええとこだね。
東天神嶽の平らな岩場前に来たときはここ東天神嶽は木立の中だったが、伐採草刈りして歩き易くなっている、ありがたいね。
西天神嶽、東天神嶽、名前の付け方に文句があるぞ。北天神嶽、南天神嶽と命名してくれていればそれが自然なのにね。
もひとつ言おう、こんなに低いのに嶽とはなんだい、岳ではなく嶽とはおこがましいぞ。ま、宗教の山だから許されるか。
しゃぁない、どれもこれも、地元でそう呼ぶのならしょうがない、従おうじゃないの。

参考 広島県中央の天神嶽 '03/9/25

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