2007年9月22日
しぇるぱぁに、しぇるぱ
山域:広島県庄原市

八つ見えるか、八国見山2

 

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谷の入口から八国見山あたし、いま、縄文遺跡の発掘のアルバイトしてるでしょう。その発掘現場は山の上なのよ。そこから北の方向に尖った山が見えるのよ。
他の山と違って、三角のかたちをしているのよ。それで、むすび山と言うんだと。正しい名前が八国見山だと言うていたな。
毎日見てると無性に登りたくなってきた。あそこ、行こう。むすび山、行こう。八国見山、行こう。
八国見山は庄原市の口和町にあるのだよ。口和町の中央の峠、口和中学校の下へ行くと、ほら、真正面に八国見山が見えるだろ。
ほんまよねぇ、むすび山とはよぅ言ぅたよねぇ。ぴったり三角のピラミッドのような山なのよねぇ。
バスの通う街道から宮内の谷に入って行こう。谷の出口からも端正な三角形は見えるだろ。
八国見山登山口道はどんどこどんどこ、山の裾からだいぶ登って来るのねぇ。
道が二分する。幅広の道は広域林道、道幅の狭い道が県道なんだよ。この県道は冬には雪で交通途絶してしまうのだよ。
その県道に入って行く。入ってすぐ農家があるだろ。ここを行き過ぎて、道の幅が極端に広い箇所に出た。ここに駐車しよう。
ここから農家まで引き返すのだよ。八国見山自然環境保全区域と看板が出てる。農家の土蔵の横、肥えぐろとの間が登山口なんだよ。
間違えた、道のままに誘導されるとたんぼに行ってしまう。前に来た時も間違えたもんだよ。
草原の中をまっすぐ進んで、農業水路に出会うだろ、水路の丸太橋を渡れば、その先は山道だよ。
農業用水をまたぐ最初は草が繁って、かなわんな、えらい道を歩くのだな、と思ったら、しっかりと踏み込まれた道に変わるのね。よぅし、これならダイジョウブ。
道の下には深い谷が刻まれているだろ。さっき間違えたたんぼの水源なんだね。
深かった谷底がせり上がってきたよ。ちょろちょろと水の流れが見えるまでになってきた。
あぁ、ここで谷から離れるのか。前に歩いた印象では谷通しに登った記憶があるが、それは間違いだった。
水の流れていない隣の谷に道を移したのだった。こっちの谷の幅が広い、それで、ジグザグの切り替えがし易いので道を移したんだね。
この山は富士山地形以上に三角の角度が尖っている。今が一番傾斜が急なところだよ。もうちょっと行くと尾根に出るから、そこで休憩しような。
やっと尾根の道へ植生はクヌギとブナの混在林になってきた。だんだんとブナのほうが優勢になってくる。
尾根に出たよぉ、峠の状態になっているよぉ。休憩するの?冷たいお茶を飲むぅ?
この周辺にはシャクナゲが多いだろ。この上にもない、この下にもない、ここだけに集中しているのだよ。花の時期かい、5、6月かなぁ。
尾根道はすぐに山腹に取り付く。登りは東側斜面を登ってきた。これからは西側斜面を進むのだよ。
右側に谷底が見えているだろ。切り返して、左側が谷底になる。ふたたび切り返して、右側が谷底になる。
右が谷側の状態がしばらく安定して続いていく。記憶をたぐるのだが、こんな状態で登ったのだったかなぁ。
島根県境方向記憶と現実とは違っていた。何度も切り返しながら山腹を登って行くのだ。
風で樹が倒れて見晴らしが効く場所に出たが、見渡す山はどこの山なのか見当も付かない。決め手がないのですよ。
決め手を探すと、中間に深い谷があるから、その谷は高暮ダムではなかろうか。すると、その後ろは県境の山、指谷山、指谷奥ではなかろうか。
始めて道が日光に照らされるようになった。南斜面を歩いているわけだよ。
倒木で視界が開ける場所ももうじきだよ。
ほら、ここ。宮内の谷が正面に見える。視線をまっすぐ南に延ばすんだよ。縄文遺跡の発掘現場は先の山の中、あそこから八国見山を眺めていたのだよ。
入口の谷から三次方向すると、ずっと奥の盆地が馬洗川の平野、その手前の谷が西城川なのね。ははぁ、だいぶ位置関係がわかってきたよ。
すぐに頂上、ここで曲がれば頂上だよ。ここが八国見山なのだ。
踏み込まれて広場になっているのね。三角点があるだけで展望はなにもないのね。
ここから八つの国が見えるかというと、見えません。真意は、たくさんの国が見える山、八は美称なのさ、数詞の8ではないのだよ。
いったん、この山のカタチを覚えたら、遠くからでも、あれは八国見山と見定められる。
高速中国道の七塚原SA付近からも見えるし、島根県境の指谷山からもユニークな姿は見間違うことはない。
八国見山頂上こんな素晴らしい山なのにどうして来訪者が少ないのかって、それはね、この山は往復するのに、あっという間に終わってしまうからだよ。
せっかく時間とガソリンを消費してやってくるのだ。広島や岡山から来るとしたら、短かすぎる山より堪能できる別の山を目指すのも当然だろうね。
昔々、山頂には神社があったんだとさ。その参詣で江戸時代から踏み固められた道だもの、なんぼ来訪者が減ったにしても、道ははっきりしている、間違うことはないさ。ふたたび人気が出てくることも、ひょっとして、あるかもしれない。

参考 2004年4月29日 八つ見えるか、八国見山

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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