2004年4月29日
しぇるぱ単独
山域:広島備北

八つ見えるか、八国見山

 

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谷から見える八国見山高速の中国道、七塚SAのあたりで、北に尖った山が見えるでしょう。鉛筆の先のような尖峰なんですよ。
気になっていたが、判りました、口和町にある八国見山がそうだと判りました。
釜峰山に登っていると、八国見山が、次はこっちだよ、お出でお出で、と手招きするんですよ。
今日はほんとは東城の山に登るつもりだったんですよ。登山口に着いてカメラを忘れたのに気がついた。しょうがないので取りに戻ったが、ずいぶんと時間のロスをしたもんだなぁ。
そうだ、こんな時こそ手近の八国見山に行くべきだね。
口和町は口南と口北の地区に分かれているんですよ。その間に峠があるのだが、その峠から八国見山の尖った峰がよぉく見える、ええなぁ、低い山だが、姿がええよね。
八国見山登山口麓の谷に近づいて八国見山を仰ぎ見る、三角形の姿は、ほんまに幾何学のカタチだなぁ。
道は、八国見山の肩でふたつに別れるんですよ。かたっぽは大規模林道で比和町のほうへ、かたっぽは県道で高野町へ。
県道のほうが道幅が細いんですよ。冬の始めに、登ろうと志したことがあるんです。そのときは県道のほうに、冬季通行止め、と看板があって、これ以上入るのを止めにしたことがあります。
その後、ロケーション調査で寄って見ました。看板の奥には集落があるじゃないか、山越えの道は積雪で通行止め、ただし、生活道路は冬でもちゃんと生きている、こういうことだったんですね。
徒然草のなかの仁和寺の僧正、先達はあらまほしきものなり、まさにその通りだね。ま、トライ・アンド・エラー、やってみなくちゃ解らないものね。
八国見山登山道県道の先に入ってほんのわずか、細い道の先で道がふくらんでいる、ここに車を止めさせてもらおうか。
看板があって、八国見山県環境保全区域、地図があるからイメージを把握しとこうね。
引き返して、民家の蔵のそばから入っていくんですよ。入ると、広い道と狭い道に別れている、どっちだろ。
広い道はたんぼへの道だろう、草に埋もれた細い道がそうじゃないかね。
あたり、こっちを選択して正解だった。道は用水路の丸太橋を渡って、杉林へと誘導しているよ。
この道はあまり踏まれている道ではないね、たまに誰かが訪ねてくるという程度だろう。
山の北側に谷がある、道はその谷に近づいていくんだよ。谷の流れがせり上がって道と同じ高さになる。
ブナの幹滝ではないが、急な傾斜だよねぇ、富士山地形なんだもの、渓流は全部、滝みたいに滑り落ちて行くことになるよね。
渓流のそばに炭窯の跡がある、ここから谷と離れるのだね。
何度も道を切り替えながら登っていく、平らな場所があるが、ここも炭窯の跡なんだね。
道の真ん中にブナの幹が曲がって伸びている、クヌギの樹相が旺盛なんだが、ブナもちらほらと点在するね。
急な坂を乗り切って、とりあえず、稜線に出たよ。八国見山から北へ伸びる山波の稜線なんだね。
北の稜線だからかね、シャクナゲの群落が見える。花の盛りの当時は素晴らしいだろうが、今は、その姿を想像するしかしょうがないよね。
展望地から口北の谷をめぐるましく道が折れ曲がる、左が下だったのが今は右が下になっている、これが曲がらずに真っ直ぐな道だったら、とても登れるもんじゃないよ。
梢越しに北の風景が見える、口和町の田口の集落だね。集落の東に熊山(笠尾山)があるのだ、これもいずれは登る候補に挙げとこうね。
さらに奥の山は県境の山なんだろうな。梢が邪魔して、山容が判然としないね。
北から西へとぐるっとまわって、山の南側を歩いていることになる、反時計周りに螺旋を描いたことになるんだね。
ここだけ伐採して、展望がよくなっている、山主の好意なんだね。
展望地からは八国見山から流れ出す宮内川の谷がよく見えるなぁ。
展望地から釜峰山比熊山・高谷山があれ、ということは三次の街はあそこ、東に比叡尾山が続くから、我が家はあのあたり、おっとっと、これ以上詳しいことは言わないでおこうね。
目を転じると、釜峰山が見える、里からは姿かたちが素晴らしく見えるのに、ここから見ると、平凡でのっぺりしているな。
その間のはるか南に尖峰が見える、カシミールで確認したところでは男鹿山、女鹿山らしい、その隣の山塊は岳山なんだろうな。
頂上は? この先かい。なんだ、ほんの直ぐで頂上だった。
木立に包まれて展望はないな。頂上は森の中の平らなんだな。三角の鋭い山容なんだから、山頂も尖った姿でいてほしかったが、それは無理というものだね。
八国見山頂上八国見山、やくにみやま、ここから八つの国が見えるのだろうか。
備後、安芸は間違いなく見える、備中、出雲も、ま、見えるわね、伯耆の国も見えるとしようか、石見もかろうじて見えるとしようか。
これで六つだよ、あとのふたつはどうしたの。
これこれ、それを言っては野暮というもの、美辞麗句なんですよ。たぁくさんの国が見えるのだよぉ、という意味なのさ。文字通りに受け止めず、見立て、こしらえ、を味わってほしいね。
あんまり姿が秀麗なので、神奈備の山として祭った、その祭りの名残りが国見山、美辞麗句で飾った八国見山として、今にある、ということだと思うよ。

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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