安芸高田市、北の半分

08年11月25日

時計回りに、吉田、八千代、美土里、高宮を回りました
でも軌跡を示しています、高低を示す断面図も表示できます
合併した自治体の支所めぐりを始めてみると、これでなかなか面白いものだとわかりました。
財政規模をはるかに越えた豪勢な役場を建てていたり、財政が乏しいので止むを得ず簡素な建物だったり、いろいろです。
この先、債券を償還できる見込みがなく、独立独歩でやれる自信がなく、大規模合併に追い込まれたのも当然のことだと思えます。
それでいて周辺住民は昔と同じ大盤振る舞いを期待している。
財布は一箇所に集めた、貧乏が明らかになったのに、まだ現実のものとは思っていないのですね。
隣りの安芸高田市に行ってみよう。
幹線道路沿いの町は知っているが、行ったこともない町があるものね。
安芸高田市は、吉田、向原、甲田、八千代、美土里、高宮、この六つの町が合併したんです。
で、この六つの町、成り立ちがそれぞれ違うんです。
吉田、向原、これらは昔からこの名前だった。
甲田、ここは以前に合併したとき、二つの名前から一字づつ抜き出した。
八千代、美土里、高宮、これらは前の合併のとき、村の名前とは無関係の美しい名前をつけることにした。
平成大合併の前にこんな事情があったのです。
吉田のYOUMEタウンに車を置いておく。ユメタウンなんですよ、ユゥミィタウンじゃないよ。そこはイメージを借用しているんだね。
ケイコとマナブという雑誌があるが、このネーミングの冴えには感心しているんですよ。それと匹敵する抜群のネーミングだね。
目の前に見える山が郡山、毛利元就の郡山城で名高いのだよ。
まずは、安芸高田市の新しい市庁舎を見なきゃね。
そういえば、旧吉田町の町役場を見たことがない。どれだけ立派になったのか比較のしようもないぞ。
旧街道から国道に出て、ここからは危なくて車道は進めない、歩道を自転車で進むことになる。
向かい風でなかなか進まないのが困りものだよ。
うんざりするほど真っ直ぐな道が続いて、土師ダムへ向かう交差点を過ぎて、なおなお真っ直ぐに進む。
やっと着いた。ここが八千代の旧町役場、支所。
近所に千代田があるので、混同しそう、頭の中で八千代、八千代と言い聞かせて刻み込む。
引き返すのだが、国道を引き返すのはイヤだね。山の麓の里道をたどろう。里道どころかびっくりするほどええ道なのだよ。
山麓の道は土師ダムへの道と交差する。
ここであわてて突っ込んで道を間違う。千代田病院の前を抜けて川辺に出たら、前後に橋がないので、やっと間違いに気がついた。
引き返して、ようく見たら、変形五又路なんだね、落ち着いて観察すれば間違うこともないのにね。
土師ダムの堰堤の底を眺めて、登りの道を自転車を漕ぐ。
分岐があって、標識に高北広域農道高宮美土里とある。ぴったりじゃないか、この道を行こう。
せっせせっせと漕いで登る。思い返せば、ここが今日一番の難所だった。
カーブの膨らみをネットで囲って入れないようにしてある。ゴミ不法投棄禁止、ははぁ、防衛の措置なのか。
やっとのことで峠の上まで登ってきた。吉田町と標識がある。
八千代の北は美土里と思い込んでいた。というより、新しいドライブマップには旧町の境界区分など書いてはないのです。
家に帰って古い地図を見て、なるほど、八千代と美土里は隣接していない、吉田が間に挟みこまれているのだ。
坂を下って、多治比郵便局の前まで来て、交通標識に従って左に向かえば美土里なのだね。
峠の手前、吉田側に食い込んだ地点で美土里の境界があらわれる。
鎌倉、室町時代のころに地頭が領地をせりあって、自然の境界から不自然な境界に変わったのだろうね。
道は中国縦貫道を潜って、イラストマップを眺めて、旧町役場支所はどこなんだろう、およその位置を定めて進んで行く。
旧美土里のなかでも、人口の多いところから人口の少ないところへ向かっているような気がするよ。
自治体合併は、どこでもそうなんだが、役場を置くのに経済効率だけではだめなんだね。
平等、面子、これが大事なんだよね。旧村々の間を取って、とんでもないところに役場が建つ、これはよくあることなんだよね。
新しい安芸高田市は、吉田がダントツに抜け出していたから、市庁舎は吉田に決めて当然だったんだよね。
岡山県に合併して真庭市が誕生した。法務局はこっちの町、税務署はあっちの町、抜きん出て優勢な町がないのですよ、市役所の位置をめぐってさぞかし揉めたのだろうと思うよ。
島根県の某町で、支所の看板を掲げず、町役場の看板のままで押し通しているところがある。
そりゃぁ、間違ってはいない、一部分とはいえ、町役場の分掌を担当しているんだからね。
間違ってはいないが、正しいかとなると、大きな疑問だね。
中枢でもないのに、ぬけぬけと町役場と名乗る神経が理解できないよね。
どことは言わないでおこうね。
ほんまかいな、と思える谷あいにやってきた。神楽門前湯治村の看板がある。神楽をウリモノに湯治でゆっくりという健康ランドなんですよ。
最初は大当たりだったのだが、最近はちょっと寂れてきたのだそうな。がんばれよぉ。
近くに美土里の旧役場、支所がある。支所、農協支所、なんとかセンターなどしかなく、民家がほとんどない、取って付けたような落下傘タイプの開発の典型だね。
引き返して、中国縦貫道の高田インター、よくぞ開通当初から高田インターと命名したもんだね。
美土里と高宮の境界近くにあるんだが、どっちの名前も名乗らなかった。今となっては、安芸高田のインターだから、ぴったりの名前だものね。
インターから間近で高宮の境界があらわれる。
高宮の旧町役場、支所を知らなかったんですよ。交差点ごとに標識を探して、あっちだ、こっちだ、と漕いで行ったもんです。
ここが高宮の旧町役場、支所なのかい。わりと人口が密集しているところに立地しているね。
経済の中心地なのか、面積の中心地なのか、どんな事情があったのだろうね。
よぅし、帰ろう。地図を眺めて、真っ直ぐ南に向かって帰ろう。
ここが高宮と甲田の境界、峠の分水嶺はまだまだ先だが、甲田が高宮川に食い込んでいる事情は納得できる。
かっての峠も耕地に開発して、峠も消してしまって、分水嶺を越えて高宮側に耕地を延長しているんだね。
これは、昔の地頭の武力勢力と領民保護の結果で、自然の境界を人為的に変えた、当たり前の例だね。
甲田の国道まで出ると、甲立トンネルがあるんですよ。ここを迂回して、トンネル歩道が外にある、そこを通って抜けていく。
ここから吉田の町までけっこうあるんだよね。自動車ならあっという間なんだが、しこしこと自転車を漕がなきゃならない。
やっともとの駐車場まで到着、けっこうな距離を漕いだもんだね。
安芸高田市の新しい市庁舎 旧町役場、八千代支所
土師ダム 八千代と吉田の境界
吉田と美土里の境界 神楽門前湯治村、神楽を中心にした健康ランド
旧町役場、美土里支所 美土里と高宮の境界
旧町役場、高宮支所 高宮と甲田の境界
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