神之瀬峡を行く、高暮ダム

10年10月23日

三次・君田の森の泉から高暮ダムを往復
でも軌跡を示しています、高低を示す断面図も表示できます
庄原市の西城、比和、高野と自転車で遠征していると、庄原・比和・西城・庄原庄原・比和・高野・口和・庄原、その続きを行きたくなります。
三次市君田の、道の駅ふぉレスト君田、と名乗ったり、君田温泉森の泉、と名乗ったり、大概のひとは森の泉と呼んでいるがね、そこから出発しよう。
そこの駐車場に車を置いて、幹線道路は直進する、左折して神野瀬川に沿った道を進もう。
県道456号線、数字がカウントアップして行くでしょ、庄原から比和・高野へ抜ける道が、国道432号線、こっちはカウントダウン。
それがどうしたの?
それがどうした、と返されると、身も蓋もないが、興味のあるひとはニッコリ笑って、興味の無いひとはパスしてちょうだい。
君田発電所があって、上流の沓ヶ原ダムからの水で発電している。さらに、その放流水の一部を、同じ君田町内の森原発電所に送っている。
森原発電所では神野瀬川ではなく西城川に放流している。水系が違うのだが、ええのかいな。いずれにせよ、江の川に合流するのだから、問題はないか。
川の咽喉の部分を越えると、盆地状の谷間が広がる。櫃田という集落、子供のころからヒチタと耳馴染んできた、正しくはヒツタなんですよ。
折り目正しい場面ではヒツタと発音し、常日頃ではヒチタと横着な発音をする、これが日本語の方向性なんですよ。将来の日本語なんですよ。
唇を動かさないように発音する、歯を動かさないように発音する、これが日本語の傾向なんですよ。
目の前にダムの堰堤が見えている。沓ヶ原ダムなんだね。
ダム堰堤の完成は戦争中ということなんだが、近年になってダム水位の嵩上げをしたようなんですよ、新しく水没家屋が発生して、周辺の道路整備をして、湖面に橋を渡してある。
このあたりでパンクしてしまった。一番近い民家まで自転車を押して歩いて、水をもらってパンク修理をした。
いつでも硬質ビニルのトートバッグを持ち歩いているのですよ。トートバッグに水を入れて、水中で泡が出るところがパンクしたところだ。
あまりにパンクが続くので、出発前に新しいチューブに交換したのですよ、それなのに、下ろしたその日にパンクしてしまった。
集落の外れに神之瀬ふれあいセンターがあって、診療所の看板もあったなぁ、イベントを開催できる広場もあるよなぁ。
ここまでが生活のにおいのする限界、ここから先は神之瀬峡県立自然公園の範囲で、道が狭くなる、雰囲気が違ってくる。
すぐに神野瀬発電所がある。
ちょっと整理しましょう。川の名前が神野瀬川、発電所の名前が神野瀬発電所、公園の名前が神之瀬峡、どうして違う名前になったのだろうね。
神之瀬峡に沿ってゆるゆると進んで行く。瀞と瀬が繰り返すが、瀞のほうが勝っている、自転車のペダルが負担になることはない。
岩をくりぬいたトンネルがあって、なんのなんの、短いトンネルだよ。両方の入口から光が差し込んで、暗い思いをすることはない。
茗荷谷鉱泉と看板がある。何度もこの道は通ったが、この看板には気がつかなかったな。車は速いから目に止まらなかったのかしら。
鉱泉が湧いているいるということで、じっとみつめていると、ほんまだ、川の中からブクブクと泡が昇っている。へぇぇ、温泉ではない、鉱泉なのかい。
ぼちぼちと道は登っていって、谷底が深く沈んで見えるようになってきた。ペダルはそんなに重くはないよ。
小庵の滝と看板が誘惑してくる、徒歩5分とある、寄ってみようか。
コンクリート擬木の階段を登って、ははぁ、これが小庵の滝なのか。
滝の流れが樋のように筒のように、一本の水流になって散乱することなく流れている。小庵の滝の名前の由来、そこのところはわかりません。
小庵の滝から次の谷が三次市作木町と庄原市高野町の境界で、谷を渡る橋が境界であり、つなぎ目でもあります。
次の大曲がりを過ぎれば、高暮ダムが見えてくるが、木の間隠れではっきりしない。ここでやっと姿が見えてきた。谷を塞いで立っている。
さぁ、ここが高暮ダムの堰堤を見下ろすところ、もっと苦しむかと思っていたが、あんがいなことに、ペダルは抵抗することなく登ってこれた。
ダムは満々と水を溜めていないと見かけが悪いね。水位が下がっているのが残念なところだよ。
あれ、またチューブの空気が抜けている。ダムの傍なのだが、ここでは水が手に入らない。
新しいチューブを出してパンクしたチューブと入れ替えよう。予備のチューブをなんぼ持てば安心できるのだろうね。
予定では、ダムの尻まで行って、高野・口和の札ヶ峠を越えて、輪を描いて出発地の森の泉に戻るつもりだったが、こう頻繁にパンクするのでは心もとない。
最短距離で、来た道を引き返すことにしよう。
道の登りでは、道にばかり注意が行って、神之瀬峡の渓谷の様子にはあまり視線が行かなかった。
下りでは、たっぷりと神之瀬峡を堪能することにしよう。
道を山鳥が横切った。キジは色がもっと派手だ、地味な色だからあれは山鳥だ。
固有名詞なのに、山鳥とは、ずいぶん愛情のない名前だね。キジにはキジと名前があって、山鳥という普通名詞がヤマドリと固有名詞になったのはなぜだろうね。
えぇと、山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む
出だしはどうだったかな、そうだ、あしひきの、こうだった。あしひきのやま、山にかかる枕ことばだった。
あしひきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む
あしひきの山鳥の尾のしだり尾の、ここまでが長々しにかかる序詞、後半の、長々し夜をひとりかも寝む、これだけのことなんだが、歌ごころが絡むと、飾って飾って、こんなに盛り上げるのだよ。
さて、帰ってきました。パンクのトラブル2件があったので、距離は大したことがないのに、思った以上に時間がかかってしまった。
道の駅ふぉレスト君田、君田温泉森の泉、ここから出発 森の泉からは直進せず、左の県道を行く
君田発電所 沓ヶ原ダム
生活のにおいはここまで、ここから先は神之瀬峡 神野瀬発電所
茗荷谷鉱泉 小庵の滝
三次市君田・庄原市高野の境界 高暮ダムが見える
高暮ダム 帰りにじっくり見た神之瀬峡
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