島根県、飯南町役場から美郷町役場、トライアングル
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11年5月2日
飯南町赤名から、江の川へ、美郷町粕淵へ、出発地へ、三角形のコース
轍
でも軌跡を示しています、高低を示す断面図も表示できます
前々から、出雲と石見の国境地帯を踏査したいと思っていたのです。現実の自治体の境界と昔の国の境界とはかなりズレがある。そこを見てみたい。
道の駅赤来高原の駐車場に車を止めて出発、その隣りに飯南町の庁舎があります。
飯南町とは、赤来町と頓原町が合併したもの、どこに役場を置くかで綱引きがあります。
名目として、登記上は赤来に役場を置く。実質は、頓原の庁舎が大きく、事務量はこっちのほうが大きい。
片や名を与え、片や実を取る。こうするより他にはどうしょうもないでしょう。今でも商工会は別々で統合していない、融合するには時間がかかるね。
国道54号線から離れてすぐに分岐、江の川中流域を目指します。
前半の部分での最高地点はここだなぁ。そう、意味がある最高地点なんだよ。
ここを越えると、塩谷、井戸谷の集落で、もともとは邑智郡谷村だった。石見の国の谷村が昭和28年に出雲の国の赤名町に合併したんですよ。
女亀山の隣りに三国山がある。備後・出雲・石見の国境で三国の山なんですよ。三瓶山も出雲・石見に跨っていて、三国山から三瓶山へと国境が続いていると理解してね。
その三国山から江の川まで地図を南にたどっていくと、川沿いに三国山があるのがみえるでしょう。
ここの三国山は、備後・安芸・石見に跨っていて三国山なんですよ。
三国山という三角点の山があるが、そこに限ったことじゃない、川沿いの周囲の山全部が三国山だ、オールアバウト三国山、そんなお話しを読んだこともあります。
ちょっと話しが逸れました。もとへ戻さなきゃね。
どんどん坂道を下って行くよ。帰りの坂道はしっかり登るだろうなと恐ろしくなるほどだよ。
美郷町の境界標識が出ております。出雲と石見の国境はこの部分だけ曖昧になったのだ、国境の意識がなくなってしまったのだ。
ここの人々は、自分を出雲びとだと思うだろうか、石見びとだと思うだろうか。そんなの関係ねぇ、島根県人だと思うだろうね。
都賀本郷に到着、JR三江線、国道375号があって、江の川沿いに下ることになる。
ここからちょっと上流に、都賀大橋がある。
三次から都賀大橋まで江の川沿いに往復したことがあります
。
目の前に鋭く尖った山が見えている。冠山です。冠山はいっぱいあるので、都賀冠山と呼ぶことにする。
「
こんな藪では、都賀冠山
」登ってみました。道がない。やぶが分厚いので諦めました。
このあたりから、川幅いっぱいの緩い淵になって、ダム尻の部分になるのだろうね。
あのね、ダムと川の分け目の部分、ここからがダム、ここから上流は川、それをダム尻とわたしは把握するが、それはわたしだけらしいのですよ。
検索で探しても、ダム尻ではヒットしない。世間では、あれのことを何と呼んでいるのかしらね。
湖面にいっぱいのカヌーがいる。座って漕いで、パドルが両端とも使えるのがカヌー、膝立ちで漕いで、パドルが片方しか使えないのがカナディアンカヌー。
カヌーには、カヌーとカヤックの区別もあるそうだが、ま、そこまで深くは立ち入らない。
カヌーが一列に並んで一斉に漕ぎ出す、競争しているのでもなさそうだし、モーターボートからスピーカーで伝えているから、カヌー教室なんだろうね。
最初、岸から見ていたのですよ。橋の上に移動して、橋の上から見下ろしていると、時間を忘れるね。見ていても面白い。やればもっと面白いのだろうね。
ダムの堰堤が近づいて、ダム湖はここまで、堰堤の上を通行できるので、右岸、左岸、どちらを走っても不都合はない。
ダムから2本目の橋があけぼのおおはし、粕淵の市街地に渡って行くのだよ。
ここに美郷町の役場がある。
びごうちょう
でも
びきょうちょう
でもないよ、
みさとちょう
と読むのだよ。
ここまで来ると満足で、引き返そう。
三次から都賀大橋まで往復したことがある。江の川中流域をここまでたどったことになる。
ここから先は、江の川は反転して、南下し、西を目指す。もう中流域ではないね、下流域の範疇に入るね。
帰りは、トンネルを通るバイパスには行かず、江の川沿いの道をたどる。川沿いの道はここまで、JR三江線と一緒に谷に入って行く。
浜原ダムのせいで、水際に線路を敷く余地がないのですよ。止むを得ず線路は大きく迂回することになる。いつのまにか、線路は見えなくなった、トンネルに入ってしまったのだ。
ゆっくりゆっくりと谷を登って行くと、花ノ谷石楠花自生地と案内が出ている。民家や神社に石楠花が生えていて、石楠花はこの地に合うのだろうねぇ。
ここが石見交通のバス路線の終点、酒谷、酒谷地域の入口がバス停で、酒谷集落はこの先まだまだ続くのですよ。
まぁねぇ、バス会社も慈善事業じゃないからね、採算が合うところまでしか運行しないのは当然といえば当然のことだね。
空中に水道橋が架かっている、あとで地図を点検してみると、来島ダムからパイプを通して江の川沿いの潮の発電所まで引いているのだ。
神戸川の水を江の川に流しているのだ。水利権を補償するのにタフな交渉があったことだろうね。
ここにあったのが酒谷口番所跡、石見銀山代官所が荷物改め、ひと改めを行っていたということです。国境の手前だからね。
さぁ、ここが美郷町と飯南町の境界、即ち、石見の国と出雲の国の国境なんですよ。
国境の標塔とあり、従是石見国、従是出雲、それぞれの面に書いてある。
自治体の境界が国境になっているので、極めて割り切り易い。
明治から昭和平成まで、合併に次ぐ合併で、昔ながらの姿はズタズタになってしまったのに、ここでは変わらぬ姿でいるのだねぇ。
ほんとを言えば、国境は自然条件で出来たとは限らない。領主・地頭の強弱が大きく関わっているものね。
山向こうの商圏が優勢になってきたり、嫁取り婿入りで垣根が消えてしまったり、国境の線引きが意味を失ってくるのも当然のことかもしれないね。
ここを越えれば出雲の地なんですよ。
国道54号線へ誘導する分岐がいくつもあるが、誘われることなく直進して行けば、今朝の分岐まで戻ってくる。
あとは、役場前、道の駅へと帰って行けばええ。
相当つらいコースになるかと覚悟してスタートしたが、下りは急傾斜、登りは緩傾斜だったから、たいしたことはなかった。
コースを逆に取れば、手痛い坂道になったことだろうね。
道の駅赤来高原 ここで駐車
飯南町役場赤名庁舎
飯南町と美郷の境界
都賀本郷、江の川・JR三江線と出会う
カヌー
カナディアンカヌー
信喜橋、橋の上からカヌー教室が見える
浜原ダム
美郷町役場
花ノ谷石楠花自生地
美郷町と飯南町の境界
即ち、石見の国と出雲の国の国境
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