江の川、芦田川、沼田川ぬたがわ、水源地を行く

2020年_2月27日

江の川の支流から、芦田川、沼田川の支流を探る

 

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最新の、「前回間違えた分岐から、世羅、三原・大和を行く(県道45号線)」で分水嶺をあっちこっちで越えた。こういうのは面白いね。もっと複雑な分水嶺の越え方があるから行ってみよう。
広島県の分水嶺はうんと南にある。普通は脊梁山脈にあるもんだが、江の川が脊梁山脈を断ち割って、流域をうんと南に侵食しているんだよ。
江の川、馬洗川、美波羅川と本流から支流に分け入って、三次市三和町でさらに支流に入って行く。
三和町から世羅町に行く道の途中に大型トラックも駐車して休憩できそうなほどの道の膨らみがある。ここに駐車して、ここからは自転車で行こう。
引き返すと、吉原川が美波羅川に注いでいる。橋の名前が関東橋、かんとうばしなのか、せきひがしばしなのか、そこは未詳です。橋の隣の三叉路を左折する
市道で、道幅は狭いかもしれないと危ぶんでいたんですよ。そんなことはない、極めて快適な歩道付きの道なんだよ。
町村合併せざるを得なくなる理由に、過剰な道路整備がある。往々にして、旧町村は道路整備し過ぎて、起債が償還できなくなる。合併して、新しい市に丸投げする、そういう経過があるのだよ。
合併後は、新しい市は旧町村を邪険にすると嫌味を言うが、そりゃそうだ、今までのように見境なく面倒見ることはできなくなったんだよ。
どこかで県道161号線と合流したのだが、どこで合流したのか分からない。標識もなかったことだしね。
東広島市豊栄町との境界に差し掛かる。平野の中の境界で、どうしてここが境界なのか見えてこない。それはね、こういうことなのだよ。
世羅郡は町村合併で隣の町村にどんどん侵食されたんですよ。
浄土真宗本願寺派備後教区世羅というのがある。これは江戸時代からメンバーが変わっていない。三次市三和町、三次市甲奴町、三原市大和町、東広島市豊栄町の寺も含んでいる。
26の寺で構成するが、世羅町以外の寺は11もある。地方自治体は合併で世羅から去ったが、寺は江戸時代からの区割りを変えていないのですよ。
あなた、何が言いたいの。あのね、今の市町村の境界は昔の地頭が攻め取った境界とは違うのだよ。戦国乱世で決定した境界が覆されたんですよ。平和時に境界が動いたのだよ。
だから軍事的には不安定な境界なのだよ。昔の地頭なら危なっかしくて神経がヒリヒリするような境界なのだよ。
東広島市豊栄町をどんどん進んで、違う二桁県道をちょっと踏んで、吉原の交差点を越えて行く。川の名前が吉原川であるように、この流域一番の集落なんですよ。
吉原の名前が知られているのは、天神嶽の登山口であることだから。北の吉原から登るか、南の安宿あすかから登るか、どっちかから登るのだよ。
まぁ、今日のところは天神嶽は横目で眺めて進んで行く。坂を上ると魚ヶ筒石神社があって、参道には観音石像があって、神社だか寺だか正体不明のものが現れる。
ここは筒石峠と呼ばれているのだそうな。峠を境界にして、ここからは三原市大和町に変わる
分水嶺の標識がある。江の川水系と芦田川水系の分水嶺なのだよ。
上下町、世羅町、大和町、三和町、豊栄町、向原町、八千代町、おおむねこの辺のラインまで広島県の分水嶺は南に引き下げられる。江の川が侵食したからだよ。
河川争奪もあって、安芸高田市八千代町と広島市安佐北区の境界の根之谷川は太田川が江の川から奪い取った谷で、上根峠が河川争奪の最前線なんだよ。
さて、その分水嶺を越え、芦田川側に入って行くと、前回、世羅西からやってきた交差点に出会う。ここは直進、200メートル先に分岐がある。ここを右折。
芦田川源流の看板に従って右折、たんぼの中の道を進んでいく。
養魚池が連続している。昔はたんぼだったのだろうが、掘り下げて池に変えてしまったのだろうね。錦鯉の養殖業なんですよ。
日本の錦鯉の最大の産地は新潟県旧山古志村で、広島県三原市大和町が二番目の産地なんですよ。だから養殖池が連続して出現するわけだ。
舗装路から砂利道に変わって、芦田川源流の碑がある。ここが芦田川で一番遠いとされるところなのだ。背後に祠があって、水分みくまり神社を勧請してある
一番上流の養殖池を眺める。錦鯉の養殖には鯉ヘルペスが禁物なんですよ。上流で鯉ヘルペスが発生すると下流の錦鯉に感染する。だから上流に養殖池を求めるのですよ。
さて、下りようか。県道161号線を辿ってきたのだが、芦田川源流とあった看板のところから、県道161号線のその先を行こう。
峠に差し掛かる。三原市大和町の大字蔵宗から大字下草井を分ける峠なのだが、芦田川水系と沼田川ぬたがわ水系を分ける峠と言う意味があるのだよ。
もうひとつ言うと、備後と安芸を分ける峠でもあるのだよ。町村合併が自由に進んで、昔の国単位の国境など今では意味がなくなってしまった。
わたしは安芸人だ、備後人だとお国談義をするけれど、自分は昔の国境線のどっち側にいるのか、生まれたのか、判った上で語っているのかねぇ。
下り坂を下っていく、一部どっちへ進むかあやふやなことろがあるが、正しく県道161号線に沿って進んでいく。
国道486号線に合流する。国道の手前で椋梨川を渡る。沼田川ぬたがわの支流の椋梨川なのだよ。
国道に沿って進むうち、道は山あいに入って行く。行く手に東広島市の案内看板が見えてくる。国道を行かず、谷沿いの道へ右折する。
谷の右岸は東広島市、民家はそっちがわにある。谷の左岸にはたんぼがある。こっちは三原市。道は谷の奥に続いている。
道が流れを越えると、東広島市豊栄町に入って行く。
えいほえいほと自転車を漕いで登るのだが、下りて押すほどじゃなし、漕いで登るには息が切れる、時々自転車から降りて息を整えながら登っていく。
池が見えてもうちょっと、この池は灌漑用の池で錦鯉の池ではないよ。
やっと登り切った。南の谷は急で狭い谷なのに、峠の北側には峠の際ぎわまでたんぼが開けている。頭上には送電線が通っている。地図と照合するならそれをポイントとするとよろしい。
この峠が江の川、沼田川ぬたがわの分水嶺なのだよ。
一本道を下りていく。途中分岐に迷う。電柱電線に沿う道を選んだ。直進しても間違いではないみたい。県道には出ていくはずだ。
電線に沿った道へ左折して、天神嶽への登山路に出会う。山にはこのまま登って行けばええのだ
山には登らず、県道へ向かう。この先に朝来た道が見えている
吉原の交差点から吉原川に沿って下っていく。
三次市との境界を越える。もう登りはない。楽々で道を進んでいく。
帰ってきたぞ。
東広島市豊栄町、三原市大和町、その周辺を含めて、分水嶺があるのだ。江の川、芦田川、沼田川ぬたがわの水源地なのだ、源流地帯なのだ。
脊梁山脈が分水嶺なら、自転車で楽しむなら大きな苦労をしなければならないが、標高が低いから、そこそこの頑張りで楽しめる。自転車向きの分水嶺めぐりなんですよ
三次市三和町の駐車場所 吉原川 東広島市豊栄町との境界 天神嶽への案内
分水嶺 世羅西への分岐点 芦田川源流の碑 芦田川沼田川の分水嶺
国道486号線へ合流 東広島市豊栄町との境界 江の川沼田川の分水嶺 三次市との境界
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