中国観音霊場巡拝
第8番 中道山円光寺明王院
平成16年11月7日巡拝
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明王院へは前にも行ったことがあるんだよ。備後西国観音の最初の寺なんだよ。
道は判っているから、安心してええよ。福山駅前の大通りを西へ進むんだよ。芦田川が流れて神島橋がかかっている、橋を渡って最初の信号を左折、下流に進むんだよ。
朱塗りの派手なお宮が見えてきたのね、あれは何?
草戸稲荷、福山で一番流行っているお宮で、初詣に大勢詰め掛けるんだよ。今日は、七五三のお参りで賑わってるようだね。
芦田川と平行して走る川を渡る、道はそのままクランク状に誘導されるんだが、誘導に背いて右折するんだよ。ほら、すぐに駐車場があるだろ。
駐車場の正面に寺の門が見える、ここが明王院なんだよ。
道と境内を隔てる門はあるけど、ささやかなものね。自然に誘い込まれる雰囲気なのね。
石段の上に山門が見えるだろ、扁額が中道山と書いてある。仁王もいない、控え目の門なんだね。これを見ると、門の中に国宝がふたつもあるとは思えないよね。
本堂(観音堂)は鎌倉末期の建造、尾道の浄土寺本堂と同じ様式、和様、禅宗様、大仏様の折衷様式なんだそうな。
五重塔は南北朝の建造で、五重塔の国宝では5番目に古いのだそうな。
五重塔の後ろ、山の中に道が続いているが、あれはどこまで続いているの。
知らないなぁ、前に来た時は雨の日で、参拝が終わったらそのまま引き返したから、今日始めて発見したよ。行ってみようか。
案内に、愛宕神社とその奥の院があると書いてあるよ。頂上広場、展望台もあるそうな。行こう、行こう。
裏山の名前が草戸山というんだそうな、明王院の山号の中道山じゃないんだ、草戸稲荷の名前のほうが強いじゃないか。裏山一帯を草戸山公園というんだそうだよ。
石段の途中に愛宕神社、無住で、格別なんということのないお宮だね。
何度も角を折り返して奥の院に到着、鞘堂になっているんだとさ。お堂を保護するよう建物で包まれていて、大きな錠前がかかっている。これじゃぁなぁ。
頂上はここからすぐのようね。
なるほど、山の上は広場になっている、展望はどうだろう、ごく普通の街並みを眺める平凡な風景じゃないか。この先に、展望台があるが、そこに行くまでもないだろう。戻ろうか。
ねぇねぇ、駐車場にあんなにたくさんの車が止まっているのに、明王院への参拝のひとは数えるほどしか見ないよ。みんな、どこへ行ったのかしら。
そりゃ、きみ、みんな草戸稲荷へ行ったのさ。七五三だもの、ほら、お宮から帰る親子を見てごらん、女の子は着物の晴れ着を着ているよ。
ほんとだぁ、昔は繁盛していても、繁盛が移ってしまったのね、流行り廃りとは残酷なものね。
参考 備後西国 第1番
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