2004年3月15日
しぇるぱ単独
山域:広島備北

残雪の比婆山、烏帽子山

 

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管理センターから比婆山山系の竜王山に行く予定だったんですよ。県道公園線通行止の標識は見てはいたさ。通行止めの期限が3月15日とあるのでたかをくくっていたんですよ。今日が15日だ、もう開通してるだろう。
なんの、ところが、雪を掻いてあるのは途中まで、立烏帽子山の駐車場ははるか先、歩いて行かなきゃならない。
止めじゃ、方針転換、竜王山はまた今度ということで、比婆山にしよう。
さて、着いたよ。活動センターの駐車場には車が数台、前を行くのは3人、2人の2パーティしか見えないね。
ブナの根元の湧き水登山路は雪の道だねぇ。もうとっくに雪解けしただろうと思っていたが、なんのなんの、しっかり雪を抱えているよ。
道の脇からは雪溶けの水が湧き出している、ブナは水を集めるというが、ほんまにブナの根元から水が湧き出しているよ。
板橋を渡って谷の流れから離れて出雲峠を目指す、出雲峠は県境なんですよ、峠の向こうは島根県出雲だ。
振り返ると、毛無山が見える。牛曳山・伊良谷山・毛無山と続く県境の山を一度は行きたいものだね。
出雲峠出雲峠の原っぱはどうしても一度は休憩したくなる、ここから一挙に登りだもの、ゆっくりしようぜ。
登りになると、ナラ・クヌギからブナにだんだんと植生が置き換わっていくよ。
途中、ブナの大木があって、通常は、根元を踏まないようコースを曲げてあるんだが、今は雪のに覆われているもの、だれもが自由自在に歩いて道は好きなように引いてあるね。
ちょっと、ちょっと、傾斜がえらいきついじゃないか。稜線を真っ直ぐに進んでいるな。
夏の道は、山腹を縫って隣りの尾根から登るという、傾斜が緩めの道なんだが、今は、道は雪の下、そのまんま尾根を直登するように踏み跡がある。夏・秋のGPSの軌跡と比べて見ていただきたい、一目瞭然、納得してもらえると思う。
烏帽子山頂上ひぃひぃはぁはぁ、あえぎながら進むと、隣りの尾根が合流してくる、これでやっと登山道も夏冬同じ道になったよ。
夏には、頂上の直前は低い潅木で覆われているものだが、今は、雪に押しひしがれて見通しがええよ。
着いたよ、烏帽子山頂上、山頂の雪は溶けて地肌がむきだしになっている、雪が積もるそばから風が吹き飛ばしたんだろうね。
比婆山は目の前なんだが、烏帽子山の斜面が異様だね、夏の密集した潅木は雪にすっかり覆われているもの。
踏み込めなかったところが自由に歩けるんだもの、雪とはすごいもんだね。
北に吾妻山が見える。大山は? 見えないね、黄砂のせいで霞みの中だね。
烏帽子山から吾妻山烏帽子山から比婆山へは、夏には潅木の中の道を行くんだが、今は雪の中、雪に覆われた斜面に勝手に線を引きながら歩いていくんですよ。
おっとっと、大体このあたりが夏の道だろうな、あったあった、標識の棒杭の頭だけが雪の上にのぞいている。
棒杭の背の高さはわたしと同程度のはずだから、したがって、積雪の深さも見当がつくでしょ。
ここから先はブナの森、見馴れたので、ブナには驚かないが、ブナの根元に深い雪溶けの穴があるねぇ。
うかうかとブナの根元に寄らないこと、腐れ雪なので、ズボッと踏み込んで太もものところまで踏み抜いてしまった。
踏み跡はあちこち広がって自由なコースなんだが、その踏み跡を踏んで、穴落ちしないようにしなきゃね。
北斜面の雪の深さ下駄のカタチのような足跡がある、これ、なんだろう、ははん、さては、スノーシューの跡だな。
踏み圧が分散しているので、この踏み跡を踏むと足が沈んでしまう、具合が悪いね、こいつは避けて歩こう。
比婆山の御陵に着いた。
夏には、薄暗い雰囲気で気持ちのええとこじゃないのだが、雪に覆われると、そんな印象は消えてしまうね。
この先で管理センターへ誘導する標識を見る。行こうかなと誘惑に駆られるが、もうちょっと、越原越えまで行ってから、そこから降りることにしようよ。
比婆山御陵比婆山の南尾根、池の段と立烏帽子山がよく見えるなぁ。
やはり、葉っぱの落ちた冬に見るのが一番だな。夏秋には梢や葉っぱが邪魔で全貌は見えなかったものね。
さすが南斜面、数十メートル下りるだけで道の雪は溶けている、北斜面との差は大きいね。
ここが越原越え、ここから左折して管理センターに向かうとするか。
一挙にマイナーな道になったな、数人の足跡しか見当たらないじゃないか。
今日、先行した連中はどっちへ行ったんだろ、こっちへ来ていないのは確実だね。
池の段、立烏帽子山杉林の中の道なんだが、雪質が悪くなったな。前の足跡はつぼ足で苦労しているな。
一歩で踏み抜き、また次の一歩で踏み抜き、大きなつぼのカタチを残している。踏み抜いたら、引き抜いて、足を進めるのがオオゴトなんだよ。
踏み抜かないように、足跡の踏み固めを利用して縁に乗っかって行こうぜ。
跡があっても役には立たない、いまいましいスノーシューの跡は見ないようにして進もうな。
谷の流れを幾つ越えたろ、これで四つか五つ目じゃないか。
越原越え流れを越えるのに、スノーブリッジになっているから、踏み抜いたら落ちて、ちょいと悲惨な目にあってしまうよ。
雪に覆われていても夏道は想像できるよ、草に埋もれた解りにくい道なんじゃなかろうか。
どうやら林道の末に出たみたい。もう安心して歩いて行けるだろう。
ゆるゆると進むうち、建物が見えてきた、スキーの設備なんだろうな。
スキー場の末端に出てきた、金山子神社の森があって、流れの向こうに管理センター、さぁ、帰ってきたよ。
参考 たおやかな峰、初めての比婆山
    ほのかに黄葉、二度目の比婆山

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