葛城・弘川寺

娘の結婚式が一昨日あったんですよ。世間並みに花嫁の父を演じてしまったな。
送り出したので食卓が寂しくなってしまった、空虚感を埋めるには山に行くことだな。天気予報が怪しいので、手近の山にするか。葛城山に行こう。長いこと、西から登っていないので、そのコースにしようか。
大阪側の河南町、下河内に到着、ここから弘川寺に行くのだが、寺に駐車場があるかしら。バス道のふくらみに駐車するかね。

弘川寺の門前集落から入っていくと、なんだ、なんだ、ちゃんと駐車場はあるじゃないか。たっぷりのスペースだよ。
弘川寺は西行の寺で有名なんですよ。
願わくは　花の下にて春死なん　そのきさらぎの望月のころ
桜の寺で、本堂前に桜のアーチを作ろうと、枝を矯めて矯正している。大型の盆栽だね。
ええと、門前の駐車場の谷を進むんだろうね。方向を失ってうろうろしてる、道取りが怪しいでしょ。

引越しするので、地図ガイドブックを他のひとに差し上げたんですよ、だから、今日は地図なし、見当だけで歩くんですよ。
ずっと昔にここを歩いてはいるんだがね、でも、今はもう、どう歩いたか覚えちゃいないさ。
弘川寺の周囲は園地になって、いろんな道があるようだね。田んぼも休耕田に変わっているね。
ずっとセメント張りの道なんだよ。急な斜面だから、タイヤに摩擦を与えるようにセメント道にしたんだね。
まっすぐ駆け登るセメント道で汗だくだくになってしまうよ。

どうやらセメント道も尽きて、丸太階段、やれやれ、山道になったよ。
右の山沿いの道が左の山沿いの道に変わる、この道を展望の道と言うんだとさ。
植林の中で展望などありはしないさ、どこが展望や、と悪態ついていたら、展望が開けたよ、ゴルフ場から千早赤阪の水分森屋の方向だろうね。
たった２ケ所の森の切れ目だが、これが有効だね、展望の道と名づける根拠になるものね。
園地の外周まで来たようだ、ここから先は管理されていない道なんだね。

下り斜面になって、その向こうに葛城の峰々が見える、葛城本峰はともかく、横峰は確認できるよ。梢に邪魔されながらも、岩橋山も見える。
山を下りて、山あいに林道が現れた。標識は無いが、当然、林道を登るんだろうね。
ぐるりと大きく山を迂回して、また林道が出てきたよ。ここが四つ辻というところのようだ。
セメント張りの正面道を行くように標識が誘導している。また、セメント道かね　(>_<)
このセメント道がねぇ、急斜面に限ってあるんですよ。タイヤの摩擦で、セメントがつるつるになっている。緩斜面になると地道になるんですよ。

谷のどんづまりで右に振って、大きく山腹を渡っていく。山を迂回して行くんだね。
あれぇ、ゲートが鎖で閉まっている、ひとは脇から通れるんだね。
おや、トラックが下りてきたよ、荷台を見ると、生ビールの空き樽がいっぱい、頂上の茶店かロッジへ納品した帰りのようだね。
おいおい、ということは何かい、このままずっと車道を行くということかい。
はてな、昔の記憶では、もっと山道が多かったような気がするんだが。あれから林道が開発されたのかな。

葛城は南北の縦走か、東の奈良県側からの登路がオススメだね。ここから登るのは、三方の道に登り飽きてからで充分、最後の最後にすべきだね。葛城を極めるぞ、というコダワリのひとが登ればええのさ。
仰げば電波塔、あそこまで行けば稜線なんだね。
電波塔を過ぎれば、地道に変わる、水平な道はキャンプ場へ、茶店へと続くね。
やっと葛城山頂上、山頂の風景はお馴染みのものだね。

雨上がりなので、金剛山はガスの向こう、大阪側も奈良側も判然としないね。
いつもならもっと人出が多いのだが、天気予報が悪かったので、ちらほらと人影を見るだけだね。
娘夫婦が午後には来ると言っていたな、さぁもう降りよう。

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