2010年5月28日
しぇるぱ単独
山域:広島県福山市

福山市最北の山、京ノ上山きょうのうえやま

 

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バス停板橋地図をぼーっと眺めていると、京ノ上山きょうのうえやまというのが目に入りました。
自転車を走らせる道を探しているうち、みつけたものです。
福山市の一番北の山です。
ほんとはね、東の方向に馬乗山があるのですよ。こっちのほうがわずかに北寄り、最北の冠はここに与えられるのだがね。
馬乗山に登ったことがあります。どこが頂上か決めかねる、ただ平べったいところです。「馬乗山、面白いかと聞かれると
で、この
京ノ上山きょうのうえやま、面白いかどうか、登ってみよう、というわけです。
甲奴町、上下町から進んで行く。上下町で国道と別れて、県道25号線、27号線、26号線と進んで行くんですよ。
神石高原町を進んで行くのだが、ここではええ道だよ。福山市の境界の手前からとたんに道が悪くなってくる。
福山市の境界を越えて、最初の人家があるところ、バス停板橋、ここから始めよう。
駐車できそうなところを選んで止める。擦れ違い離合箇所には間違っても止めてはいけないよ。
県道の標識を見てみよう、県道26号線、新市七曲西城線、ここは新市町板橋とある。
間違えた道を引き返すバス停の名前も板橋となっている。橋を渡るが、板橋ではなく、川井谷橋となっている。
ここは正しくは四差路なんですよ。宅急便の旗のある方向へはなんとなく気が進まない。
県道から離れて谷に沿う林道を登って行こう。
神石郡三和町の標識がある。あれ、福山市の山のはずだが、ここで違和感が湧いたのに、無視して歩き続けた。
道はええし、道から見下ろす谷は瀬が泡を抱えて白濁しているし、瀞の砂はきれいに見えるし。
なんとなくこのまま歩いて行こうとなってしまったのですよ。
滝を見下ろしたり、道の上からシャワーの滝が降ってきたり、、、、ちょっと待て、出てくる交通標識はどこまで行っても三和町じゃないか。
おかしい、間違っている。引き返そう。
さっきの県道の交差点まで戻って、川井谷橋と並んでいる橋が板橋、ははぁ、こっちの橋がメインなのだ。
間違った道を行って、1時間10分無駄なことをした。
さっきは、民家の庭先で止まる道なのか、奥の奥まで繋がる道なのか、怪しかったので、入る気にならなかったのです。
再び板橋の集落クロネコの宅急便の旗があるのは酒店で、今でも酒は売れているのだろうか。
酒屋の奥に、山腹をゆるゆると登って行く道が続いている。
県道と並行する本谷に沿って進んで、支谷が割り込んでくるので、支谷に沿って登って行く。
道の両側はタケヤブで、タケヤブがあるのは、人家がある、あるいは人家があった、証拠なんだよ。
ほら、見上げると民家が見える。家の周囲もこぎれいで、生活感が伝わってくるのだよ。
軽トラがやってきた。この道は
京ノ上山(きょうのうえやま)へ行く道ですか。
珍しいのぉ、ここで人が歩いとるのにめったに会わんのじゃがのぉ。京ノ上へ登るんかいの。
左ばぁ行きゃぁええよ。左ばぁ左ばぁ行っての、ごじゃごじゃごじゃごじゃ、植林の苗木のところを行きゃぁええよ。
ごじゃごじゃごじゃごじゃの部分は、耳には入ったが残らなかった、まぁ、ええさ、基本は、左ばぁ行けばええのだ。
お、猿がいる。ガードレールに猿が座っている。飛び降りた、下には何匹もいるぞ。
こんな時にはホイッスル、笛なんですよ。思いっ切りピリピリピリーっと吹き鳴らす。猿をおどして追い払うのですよ。
熊対策には鈴よりも笛が有効だろう、と常備したんですよ。
藤尾の廃屋熊には、曲がり角でバッタリ出会うのが一番まずい、曲がり角の手前で笛を吹いて熊に危険を知らせるのですよ。
猿には有効だったみたい。あっというまに姿を消した。
曲がり角に標識がある。←至門木元藤尾小学校→寺床行き止まり、左へ行けと言っていたなぁ。
集落の跡が見えるが、どの家も廃屋になっている。挙家離村というやつだよ。潰れ集落とも言う。
電線は引いてあるのですよ。登ってきた道沿いに電柱はなかった。山の反対側から引いてきたのだろうね。
集落の峠を越えて、反対斜面に進む。曲がり角には祠があって、梶屋荒神社とある。この廃れた集落は梶屋というのだろうね。
山腹に沿って歩いて、タワに出て来た。記念碑・社・祠が集まっている。
堂前梶屋荒神社付54神社合祀神社とある。お堂の中には石地蔵が集められている。
寄進者は、氏子一同・出身者有志とある。
集落を捨てたのだが、故郷の社・祠が草に埋もれているのが忍びなくて、このように一堂に集めたのだろうね。
右へ行く道もあるが、左ばぁ行けばええのだったな。ここも左への道だね。
合祀神社ネットで検索すると、京ノ上山の記録はただ一件だけ、実際に行った実録はこれだけなんです。
「里山の山野草」2009年02月17日の記述に京ノ上山の順路を示してある
そこに書いてある順路で、1番から歩き始めたが、2番3番に進むのを止めたんですよ。1番に引き返して地図の欄外の南から頂上を目指しているのですよ。
里山の山野草で、地図に青い線と黄色い線が引いてある、その接触地点から南に道が続いている、その道を進んでいるのです。
なんで、ひとさまのレポートを引き合いに出してお話しを進めるの?
それはね、里山の山野草でイメージを得たのだが、読み込んだ記録から外れたところを歩いているからなんだよ。
イメージ外なので、現在位置が判らない状態で、地図と実際をマッチさせようとして、必死に地図を読み直しております。
なんぼ迷っていてもね、舗装林道を歩いている限りは遭難することはない。ただし、見当が付かないまま歩いているのはほぼ遭難の状態なんです。
半分遭難している状態で、谷の向こうの山がこの界隈で一番高いなぁ、あれが京ノ上山ではなかろうか、推論はしております。
切り通しを抜けて、環境緑化開発の看板を見つける。
石地蔵を祭るお堂里山の山野草に書いてある看板だが、この位置にある看板を指しているのではない。
矢印に従ってみたが、環境緑化開発とは産廃業者で、処理場予定地に案内されただけだった。
道の先にお堂が見える。石地蔵を奉納してあるのだが、お堂の横に石碑がある。字が読めません、たぶん、賽の神かその類いなんだろうと思うがね。
お堂の横から舗装されていない林道が伸びている。ここを進めば、京ノ上山かもしれないと推定した山に近づいていくかもしれない。
うまい具合に軽トラに出会った。すみません、この道を行けば京ノ上山へ行けますか。
あしの山よ。京ノ上山に登る道をあしがつけたんよ。一人かい、写真を撮るんかい。よし、こらえちゃろう。
許しを得たけど、えらく恩着せがましいね。
わたしだって広島県人だ。広島で通用する言葉、こらえちゃる、のコンテキストはこういうことだ。
とても勘弁できないところを我慢して我慢して、絞り出すように発する言葉が、こらえちゃる。
ええよええよ、好きに登りんさい、が一級の許し、まぁええよ、が二級の許し、こらえちゃると許しを得たなら、それは不承不承の許可で、非常に不本意な許しなんですよ。三級にも及ばない、それ以下の許しだね。

京ノ上山直下のタワ過去によっぽどの不始末があって、登山者大嫌い、となった経緯があるのかしら。
この林道をどこまでも入ればええのだろうか。ひとの幅の道がある。入ってみると墓場への道だった。
廃屋が下にあって、墓参に通う道だけが残っているのだ。墓地の後ろにうっすらと道がある。笹に埋もれて道があるような無いような。
ちいさなこぶを抜けると、目の前には伐採箇所、植林箇所が広がっている。
あしが道をつけたんよ、と豪語した理由がこれで判った。ブルでトラックの通れる道を広げたのだ。
峠のタワには、軽のコンテナトラックの廃車が置いてあって、物置の代用になっているようだね。
なるほど、植林の苗木が植わっている、ヒノキの林が頂上に伸びている。
左ばぁ行けと教えてくれたおじさんの、ごじゃごじゃごじゃごじゃ、の内容がやっと理解できた。このことを教えてくれたんだ。
苗木の間はちくちく刺して嫌だな。山腹に平行する道があるが、こっちへ行けばどんなもんだろ。
適当なところで稜線に取り付く。歩きやすいところを選んで歩く。山頂に出て来た。
鉄の櫓が残っている。
京ノ上山第二次大戦の飛行機の望楼だということだが、あれから60年、いまだに残っていることが不思議な気がする。
梯子を一段二段なら足をかけてもOKだが、錆びて朽ちてそうでそれ以上は登る気がしない。
あれが蛇円山、国道182号線が高原を走っていて、沿線に携帯アンテナの通信塔の山が見える。
笹原の中に三角点がある
下の伐採地からは邪魔するものなく蛇円山が見える
ヒノキの植林の中は歩きやすい、峠のタワ、廃車のところまで降りて来て、続いて、ブルで広げた道を降りて行く。
林道と合流して、林道出口の地蔵堂のところまで戻って行く。
さて、来た道を引き返そう。
ぐるっと大きく大きく迂回しながら戻って行くのだ。
福山市最北の馬乗山と比べると、こっちのほうがはるかに面白いね。
ただし、ずっと舗装路の上を歩いたので、足腰が痛くなってきた。
林道と合流普通なら、車で林道を通過して、最後のヒノキの林床だけを登ることになるだろうね。
そういう状態で、京ノ上山、面白いかと聞かれると、さぁてねぇ、これは返事がしにくいところだね。
廃屋に興味があるのなら、いろいろと見どころがあると思うよ。
麓の酒屋、昔はお得意がたくさんあっただろうがね、今は買ってくれる人家がなくなった。開店休業の状態だろうね。
郵便配達の単車が登ってきて、すぐに引き返して行った。
一軒は残っているのだ。その一軒のために、郵便は配達するし、電気電話のライフラインも確保されているのだ。
あぁ、やれやれ、へとへとになりながら、駐車場所まで戻ってきた。お疲れ、お疲れぇ。

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。
でも軌跡を示しています、高低を示す断面図も表示できます


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