2009年8月17日
しぇるぱ単独
山域:島根県奥出雲町

奥出雲町、ほんとの鍋坂山はどこ?

 

画像をクリックするとそのままそこだけ拡大表示されます
Microsoft Edge のユーザーは、画像・テキストにちょっと触れてください、その効果で、ポップアップページは消えます
Internet Explorer Google Chrome Mozilla Firefox のユーザーは何もしなくてもポップアップページは消えて行きます

 

鍋坂山登山口久しぶりの島根県、頂上からぐるり全部が見えるということなので、鍋坂山をチョイスしたんですよ。
毎度おなじみの国道54号線から行ってもええが、たまにはコースを変えようよ。
庄原市高野町から王貫峠を越えて島根県に入る。峠を越えれば奥出雲町なんですよ。
国道をどんどん北へ向かって、出雲三成の市街地をバイパスで抜けて、そこから東へ向かうのです。
奥出雲町は、仁多町と横田町が合併したもので、出雲三成は仁多町の役場の町、奥出雲町の役場の地でもあるのですよ。
ここ奥出雲町ではどうなのだろう、同じ島根県の飯南町では、合併した旧役場全部に飯南町役場の看板が架かっているんですよ。
支所とか分庁舎とか名乗って当然なのに、頑として、町役場の看板を掲げている。それなら、合併しなきゃええのにね。
道はJR木次線と平行して走っていて、亀嵩駅の前を通る。
交通標識に、ここはかめだけうさぎはいない、こんな看板があちこちにある。それで、亀嵩とは、ははぁ、かめだけと読むのか、とわかるわけだ。
尾根を越すこの近所の山で玉峰山に登ったとき、この交通標識を始めてみたのだが、ぼんやりしていて、だいぶ走って、あぁ、そうか、なるほど、そういうことか、と腑に落ちたもんだよ。
国道は、大仁広域農道と交差する、この信号を左折するんですよ。
大仁広域農道とは、北の大原郡と南の仁多郡を結ぶ農道で、足して二で割った名前で、地元のひとには明解な命名だよね。
で、この農道、広島県から眺めれば、山麓までは直ぐだと思ったが、それは勘違い。けっこう距離があるので、へぇぇ、と感じたもんだよ。
山が近づいて、高田小学校のあたり、正面にどぉんと山が見えるんですよ
これが鍋坂山に違いないと、そこにいたおばあさんに、あれは鍋坂山ですよね、そうだ、という返事で、そうかそうかと納得したもんです。
山を降りてから振り返ると、どうも、あの山に登ったとは思えない。五万城山ではなかろうか。詳しくはあとで語るね。
最初の渡渉ここから立派に舗装された農道をどんどん登っていくのだよ。
鍋坂山登山口と大きな案内標識があるから間違いない。その隣りに駐車場がある
駐車場は草刈りしてあるし、これなら、山道は草で苦労することはなさそうだ。
山道は草刈りしてあって、かぶさってくる草などありはしないよ。
ほんのすこし登れば尾根を越えて、反対側の山腹を歩くことになる。どうどうさわさわと谷の流れの音が聞こえてくる。
谷を渡渉して対岸に渡る。杉の割れ板を渡して歩きやすくしてくれている。
次の渡渉は支谷の流れ、今はしょろしょろ水だが、雨のときは勢いがすごいことになるのだろうね。
ここからは滝を迂回する崖の道を進むのだよ。ロープが置いてあるので助かる、この手助けがないとずいぶん苦労するだろうね。
道が水平になってきて、やれやれ、滝の部分を抜けたのだ。
それから2回だったかな、流れを渡渉して、沢沿いの崖を登って、これが最後の渡渉、磨かれた岩の溝を水が流れている。
3回目の渡渉谷の水はうまいなぁ、みなさん、よく賞賛するけど、わたしは賛成しない。うまいとは思わない。
水に何かの味があるのですよ、金属味だったり、泥の臭いがあったり、場合によっては上流に動物の死体があるかもしれない。
岩から滲み出している水なら安心だが、それでも無味無臭の水と出会ったことがないのですよ。
右の谷に向かわず、左の谷に向かう。
あのねぇ、右岸、左岸は上流から眺めて右岸、左岸というのだが、右俣、左俣は下流から眺めて右俣、左俣というのだそうな。
せっかく左俣と確定したのに、水の流れはもう無くなってしまった。源流部を越えてしまったのだよ。
ここから壁に取り付く。谷の平らから尾根へ向かって山腹を一挙に登り詰めて行く。
そんなに長い距離ではないが、息の切れる傾斜で、尾根から洩れる空の空間が近づいてくるのが楽しみなのだよ。
一挙に登り切って、尾根道に出る。
最後の渡渉杉が、右左、対になって立っているが、真っ直ぐ伸びる杉ではない。縦よりも横に伸びたがっていて、うじゃうじゃと何本も枝を張っている。
杉の根元に石仏がある。地蔵さんではないだろう、地域の特性として、馬頭観音だったり、金屋神だったり、そんなところかな。
クルスが見えるような気がするが錯覚だろうな、この地域に切支丹がいたかどうか、それは知らないから判断できない。
石像は、袖の影、着物の裾、この陰影で足元にひとの顔があるように見えてしょうがない、天はひとの上にひとを作らず、いや、いや、ここに作っているじゃないか。
急傾斜の先に空が切り開かれて見える、そこが頂上だろう。
いいえ、違いました、2回ほどだまされます。
3回目、今度はほんと、ここが頂上です。
頂上はカヤの原で、茂るに任せてある。頂上から先には道はないみたい。
平成19年高田小学校卒業記念の植樹がしてある。
尾根の石像高田小学校のホームページを見ると、PTA活動で鍋坂山の道の草刈りをしたとある。今年も5月に草刈りしたのだが、その後、ふたたびカヤが茂ったのだね。
ここからちょっと長いお話しになります。
山頂から見える真ん中の山、これが五万城山△749.7、左の山が三郡山。右の山が問題の山なんですよ。
五万城山は、一昔前には鍋坂山と国土地理院の地形図に表記されていたのだそうな。
地元から、違いますよ、護摩場山という山ですよ、と指摘を受けて、五万城山と名前を変更したのだそうな。
ゴマジョウ山と認めずに、ゴマンジョウ山と読み変えるとは、指摘に従ったのがしぶしぶだったのだと透けて見えるね。
わたしの持っている山名データベースは一昔前のもの、なるほど、五万城山のところに鍋坂山と名前が載っている。
で、代わりに、703の位置を鍋坂山と命名したのだそうな。
ヤマケイの新・分県登山ガイドで、草原の頂上が、△703の鍋坂山だとあるが、GPSの軌跡で明々白々、真っ赤な嘘だね。
急な尾根道このガイドブックの内容は間違いが多く、沖の郷山月山、書いてある内容は現地の山と合致しません。沖の郷山についてはグレイシャーさん(低山名山)の指摘によります。
机の上でバーチャル登山をしたものと見える。地図を編集して書き換えたものと見える。
記載の地図の上で、三角点を適当に移動したり、等高線を自由に手書きしたり、ガイドブックでこういうことをしてはいけないね。
次の、新・新・分県登山ガイドを企画するなら、執筆者を変えてもらいたい。
麓の道路際の鍋坂山登山口との標識、地元の認識ではこの山を鍋坂山としているみたいだね。
この山の標高が720±2、ここから703を見下ろすわけだから、右の703の山が国土地理院のいう鍋坂山に相当するのでしょうね。
奥出雲町が設置した標識がある、ここが地元でいうところの鍋坂山、と決定しましょうか。
山名データベースもそれに合わせるね。
さぁて、降りていこうか。
頂上からの展望登るとき、マムシに出会って、ストックでむちゃくちゃ叩いたものだが、このあたりだったかな。逃げてしまって姿を消している。
道はほとんど裸地で、日当たり良好なところが草むらで、草むらを通るのは10メートルか20メートル、道の大部分は爪先が見えるから安心というものだよ。蛇がいてもすぐに避けられる。
さて、登山口まで降りてきました。
短時間での登山ということで、昼食は山の上に持っていかなかった。麓で食べよう。
目星をつけてあって、亀嵩の駅、ここでは駅舎で蕎麦が食べられるのだ
松本清張の小説で、「砂の器」、この駅が作品のポイントになるんですよ。
ただし、松本清張も名前を聞くことが少なくなった、「砂の器」のキーワードが差別的な病名、ということで、避けて通るようになってしまった。
蕎麦はうまかったかって?
鍋坂山蕎麦好きじゃないので判定しにくいが、並だと思うよ。
値段はリーズナブル、信州の蕎麦はむちゃくちゃ高価で味と値段がかけ離れていて嫌いだが、ここのは値段と味は釣り合っていると思うよ。
帰りは、おろちループ経由、庄原市西城へのコースで帰ることにするかね。

OS,プラウザの種類、ヴァージョンによっては、JavaScriptErrorと宣告され、表示されない場合があります。
その時は下の文字、数字をクリックしてみてください。
1 2 3 4 5 6 7 8 9





詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。
でも軌跡を示しています、高低を示す断面図も表示できます


前ページへ

あちこちの山へかえる

トップページへかえる

 囲炉裏へリンク