2006年5月20日
しぇるぱぁに、しぇるぱ
山域:広島県安芸高田市

見直した、踏まれてる山、大土山

 

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駐車場の絵看板天気予報は晴れの予報、こまごました雑事は放り出してどこかへ出かけようか。突然思い立ってのことだから、そんなに遠くへは行けないよ。安芸高田市と三次市の境界にある大土山にしようか。
あれ、ここは安芸高田市でも向原町じゃないの、甲田町の山と言ってたよね、こんなに南に下がるの。
大土山は甲田町のテリトリーではあるんだがね、南の向原から道が繋がっているからこっちから行かなきゃしょうがないの。
広島銀行向原支店の交差点を南に曲がる、豊栄町方向へ県道は続いているだろ。ここでね、左の谷へ道を取りたいのだよ。
案内標識があった、大土山憩の森、この案内の従って谷沿いの道を走らせて行くんだよ。
長い真っ直ぐな林道なのね。そうだろ、単調な林道だろ。一昨年の2月に、向原の県道に車を置いて、大土山を抜けて、吉田口の駅まで歩き通したことがあるのだよ。
振り出しのこの林道が長くて単調で、最初のつかみが悪い印象だったんだよね。「やはりマイナーか、大土山」ページのタイトルも悪印象そのままで出してしまったもんだよ。
天の岩戸神社道が狭いのね、対向車が来たら大変ね、離合できるポイントを確認しながら進まなきゃ怖いわね。
池があるだろ、論山堤、ここから憩の森の範囲に入っているのだよ。駐車場があるがここは避けて、キャンプ場のトイレ、炊事棟の駐車場まで進めて行こう。
山に入る準備をしていると、憩の森を世話しているひとの軽トラがよってきた。
熊が出たそうなけぇの、気ぃつけんさいや。国道の北で出た、ちゅうことじゃがの、なぁに、ここから遠いとこの話しよの。へぇでも、山続きじゃけの、用心に越したことはないけぇの。
この間、倒木は切ったけぇの、はぁもう、邪魔にゃならんと思うよ。植林のネットがの、鹿避けにネットを張っとるんよ、通るのに邪魔で
いたしいむずかしいかもしれんと思うがの。
ありがとうございます。
駐車場からすぐで分岐だよ。ほら、大土山登山ルートマップ、地図じゃないよ、名所を書き込んだ絵巻物と思わなきゃ。概念だけ拾っとくようにね。
雨上がりだから道はべちゃべちゃね。おっと、丸太橋で滑ってバランスを失ったよ。丸太が水を含むとこれほど滑るとはね。
御神体ここから登りね、丸太の階段がずぅっと続くのね。あら、これは廃屋?展望台の成れの果て、周囲の樹木が生長しすぎて存在意義がなくなったのね。
このあたりの道は変ね、道のとこだけ盛り上げてある、どうして。これは土塁だよ。あちの村とこっちの村の境界として盛り上げたんだろうね。
こんなに長い距離を労力をかけて盛り上げるのは大概の苦労じゃなかったろうね。しかし、これでは放牧の柵としては低いし、労力と効果を比べて意味不明だねぇ。
あれ、切り開きのところに出てきたよ。左にも鳥居、右にも鳥居、ここは低地で両方とも登り坂になっている、ここは何なの。
天の岩座神社というところだそうな。社殿はないのだよ、岩が御神体なんだろうな。岩のひとつひとつに神の名を名乗ってある、天照大神、そのほかいろいろ。
前に来た時は、鳥居から神座まで一直線に参道が伸びていたもんだよ。
今見ると、ブルドーザの道がS字状に一直線の参道を断ち切っている、神座の前の鳥居を据えるためにブルドーザ道を敷いたんだろうね。
転回ポイントこの神社の運営主体がどこにあるかは判らないよ、しかし、活動が活発なのは見ても判る、信者は出勤する前にここに参拝してから会社に出かけるのだそうな、強力な信仰に支えられているようだね。
北の山々がよく見えるが、北には特徴的な山が無いのだよね、どれがどの山やら判然としないのが残念だね。
谷向こうに通信鉄塔が見えるだろ、あそこが大土山、ぐるっと谷の頭を迂回して半円を描いて進んで行くのだよ。
南西にJR芸備線の谷が見える、神ノ倉山、白木山などが見えるだろ。
稜線の鳥居まで戻るとしようか。
谷底へ建設取り付けのブルドーザ道が続いている、そっちへ進むんじゃないよ。標識に従って、山道を進むんだよ。
うわ、蛇! こりゃいかん、退れ、退れ、マムシだ。
落ちている枝木をぶつけよう、それ、えい。逃げないね、とぐろを巻いてバネを効かせて反撃の態勢を取っているよ。もっと爆撃、さらに大量爆撃、絨毯爆撃。
阿弥陀岩しぶしぶちょっと移動した隙にさっさと通り過ぎよう。
マムシめ、やつは自信を持っているのだよ。自分の毒の威力をよく知っている、最強の王者だと誇っているのでなかなか逃げないから始末が悪いね。
土塁の道は分岐になったよ。大土山は左へ向かうのね。
そうそう、去年の10月、こっちとは反対の三次市側から登ったことがある、「清酒、大吟醸の山、大土山」この土塁の道を左から来て右へ奥へと抜けたもんだよ。
なるほどなぁ、おじさんが言ったように、倒木をちゃんと始末してくれているよ、一昨年、何度も中国地方を台風が襲ったのだよ、その台風のせいで倒木が道を塞いで、あちこちの山で通りにくい状態が続いているのだよ。
ここでも、倒木の迂回路が出来ている。ほら、脇を迂回して行く道があちこちで見えるだろ。
へええ、迂回路がこれだけはっきり出来るということは、かなりの数のひとが大土山を訪問しているということね。
大土山頂上そうだなぁ、ガイドブックには載っていないが、道ははっきりしているし、もう、マイナーな山とは言えないなぁ。
アセビの繁みがすごいわね、朱色に見えるのは葉っぱの芽なのね。道に沿ってずぅっと続いている。
これがそうなのか、おじさんの言っていた植林のネット、道に張り出してザックが引っかかりそうで、通るのにちょっと邪魔だね。
去年の10月に、ここを通ったが、その時にはこんなネットは無かったぞ。鹿が食うんだな、植林の苗を保護するのにネットを張り巡らさなきゃならんのだな。
阿弥陀岩、ちょっと脇道してみようか。道から谷底へ向かって行くんだよ。なぁに、ほんのちょっとの距離だよ。
ははぁ、これがそうなの。南無阿弥陀仏、お寺の住職が彫ったのか、筆で書くのとは違うよね。へたでも味のある字よね。
頂上までもうちょっとだよ。塀を越えるように、踏み込んで土塁を突き抜ける破れ目がある。このへんの土塁は明らかに遮断する効果を発揮してるよね。
森の中なのに電線が見えてきた、こんなところに電気が来てるの。そうか、通信塔の電源なのか。
潜り岩広場に出たぁ、通信塔の広場なのね。広い道があるじゃないの、車で来れる。そうか、建設当時の資材運搬道路か、今は麓で封鎖されているのね。
待て、待て。歩き易いまま、うかうかと広い道路を歩いているが、こっちじゃなかった。記憶と違うぞ。
やっぱりそうだった。通信塔のフェンス沿いに歩くんだよ。通信塔の真後ろに、ほら、三角点がある。ここが大土山頂上なのだよ。
頂上と言っても、木の繁みに包まれて展望があるわけじゃなし、のっぺり平らな場所で、頂上らしくないところね。
ま、こんなもんだ。先へ進んで降りる道のほうへ進もう。
分岐よ、下山道と標識がある。まだ下山しないのね、このまま稜線を先へ進むのね。
岩がある、
潜り岩くぐりいわと案内がある。はぁ、この割れ目、隙間ね。入ってみよう、通れた、潜れたよ。あんたには無理かもしれないね。
三次市三和町から登ってくると、この岩の後ろに出るのだよ。もうちょっとこの先に展望台地があるのだよ。
道を間違えて行き止まりその昔は展望が効いたのだろうが、今は木の枝が成長してあまりよく見えない。
引き返して、下山道を降りて行こうか。
広い道ね。これは庭石を掘り出すブルドーザの工事道路なのね。そうなのか、大土山は石屋さんが四方から石取りをしているのか。
あれ、枯れススキに隠れて小鹿がいるよ。母鹿はどこにいるんだろう。怪我しているのかな、うずくまったまま逃げないよ。
なるべく道の端を通って、そぉっとそぉっと、危害を加えないよ、と意思表示しながら通り抜けてやるよ。
振り返って見ても、動かないままよね。病気かな、怪我かな。へぇぇ、この山には鹿がいるのね。
ブルドーザ道もずいぶん降りたよ、まだまだ道は続くのかな。やっと、舗装道路と合流した。
舗装道路をそのまま左へ、登って行くと、ありゃ、道が封鎖されて立入禁止となっているぞ。さては、この先は神社の境内に続く道なんだろうな。
今度こそ正しい分岐数軒、民家がある。地図では大反田集落か、こんな山奥に民家があろうとは思いもしなかった。だから、舗装路が続いていたのかい。
間違えた、間違えた。この道を進むのでなかった。もとの分岐まで引き返し、さらに舗装路を下って行く。
うんざりするほど歩いた末に、谷は別の谷と合流した。道も合流した。
民家があるけど別荘地みたいね。こっちのほうが道が細いわね。別荘地を過ぎれば電柱電線も途絶えてしまったわね。
やっともとの駐車場まで戻ったぞ。
あぁ、戻った、戻った。前半の山道は面白かったけど、後半の石取りブル道、舗装路、これは余計だったわね。わたしも行きたい、いずれ、三次市側からも行ってみようね。

参考 やはりマイナーか、大土山
    清酒、大吟醸の山、大土山

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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