2008年5月3日
しぇるぱぁに、しぇるぱ
山域:広島県三次市

三次、岩屋寺の裏山、ぐるり一周2

 

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熊野神社、鳥居の前近くの山に登りたいって?そこそこ距離を歩いて、歩いたぞぉと満足感の湧く山で、山道が枝や草で邪魔しない山に登りたいって?
まかせてちょうだい。あります、その条件にぴったり
はまる山があります。
山の頂上には登らないのだよ。そうそう、頂上は踏まない。
何しろこのへんは、国土地理院の地形図に山の名前がない地域、この周辺一帯5キロ6キロの半径で、名前のある山はどこにも出てこないのだよ。
どこに行くのか、それはね、三次市内の畠敷町、熊野神社と岩屋寺を結んで歩こう、裏の山をぐるっと周回して戻ろう、こんなコースなんだよ。
まずは熊野神社の門前の駐車場に車を止めさせてもらおうね。
ここから岩屋寺を目指すのだが、岩屋寺の麓には都合のええ駐車場所がない、スーパーの駐車場があるが、土曜日曜は混むから遠慮しなきゃね。
さて、熊野神社の駐車場から歩いて行こう。
山麓の並行な道を歩いて行こう。突き当たれば、山の方向へ曲がって行こう。
谷が深くえぐれているだろ。谷の名前が恵木谷というのだよ。 そんな名前まで知っているの?へぇぇ!
いや、あのね、そこに棒杭があるだろ、一級河川恵木谷川上流端と書いてある。それを読んだだけ。
岩屋寺、毘沙門堂谷の流れを橋で渡る。山麓の森の中を横歩きで進んで行くのだよ。
もっと草むらを歩くだろうと覚悟していたが、拍子抜けね。ええ道じゃないの。
道の両脇に墓地が点々とあるよね。墓参りの道だから、こまめに手入れしているのだろうね。
舗装路に出てきたよ。この道を上に登って行くの?
この道を登れば、岩屋寺山展望台に行くのだよ。いいや、ここは登らない、右に曲がって下がる道を選ぶ。
山麓の膨らみををひとつ渡って次の谷が現れてきた。
この谷の名前は知っているよ、岩屋寺谷、ここから流れる溝川の名前は岩屋寺谷川と言うのだよ。バス道の溝川にそんな標識が立ててあったからね。
谷の入口にお堂がある。毘沙門堂と書いてある。
毘沙門天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、ひと呼んで、フーテンの寅と発します。
それは、帝釈天で産湯を使い、の間違いじゃないかしら? あらら、そうだった、口調が合うもので、ついつい調子に乗ってしまった。
民家へ続く舗装路から離れて、左の山道へ歩いて行くのだよ。
岩屋寺、仁王門間もなく仁王門が出てくる。巨大なわらじが一対、両脇に垂らしてある。
前回(2004年1月25日)見た時は、ぼろぼろのわらじだった。普通、わらじの芯は縄で、それにわらを編み込むものだが、わらじの芯はビニールパイプだった。
わらが朽ちているので無残な姿のわらじで、作り方の内緒のところまで楽屋裏をさらけ出してしまっていたのだ。
今回は違うぞ。びしっと編み込んだ立派なわらじだ。
前回は、仁王像など何もなかった。ちょっと覗き窓から覗いてみようか。
おう、
うん、どちらも立派なお姿で踏ん張っているじゃないか。廃墟だったのに、再建整備して、あらためて仁王像を置いたのだねぇ。
この先、谷間がぐっと狭まってくるんだよ。両脇には岩が屹立している。岩屋寺の名前の由来はこのあたりの様子から名付けたものだろうね。
シャガの群落が広がっているだろ。
昔、某廃寺でこれがシャガというのを知ったんだよ。前々から群落の花は何度も見ているので、以来、シャガという名前は忘れることがない。
谷が広がって山腹の切り開きに石仏が並べてある。反対側の崖の一枚岩の付け根には石仏が並べてある。
こういう風景は苦手なんだよ。賽の河原の再現のようで、近づいてまで石仏を点検鑑賞する気などちっとも起きないね。
岩屋寺、境内手近の岩の上の石仏なら明るく見ることが出来る。
一番紀伊那智山と彫ってある。西国観音の巡礼なんだね。この石仏は観音像なんだ。居眠り観音、ほらぁ、肘ついて頭を支えて居眠りしているよ。
この先に、鎮守、白山大権現、剣大明神とあって、鳥居がある。
この先へ行ってもええが、断崖絶壁の上のお堂に詣でるのだよ。前にお参りしたことがある、二度目はもうええ、今回はパスするとしよう。
谷から山腹へ道が離れるポイントに地蔵堂がある。堂内には泥人形のお地蔵さんが並べてある。このお堂が不気味で嫌いなんだよ。
棚に整列してるはずの地蔵が欠けてこぼれ落ちている。風化して崩壊した泥人形が床に散乱している。こんな風景はまともには受け入れにくいよね。
見ちゃ悪いような気がして、そそくさと通り抜ける。山腹の道は一気に岩屋寺へ続いている。
境内に入ると、不許葷酒入寺内、の石柱、へぇぇ、昔はこの寺は禅宗の寺だったのだ。今は修験の寺なんだがね。
境内の庭先からは三次の展望が広がる。視線を伸ばすと、黒川明神山、津田明神山、上田明神山、明神三山が重なり合って見える。
岡田山から東へ目を移せば、男鹿山、女鹿山だろうな。最初に岳山だろうと推定したが、男鹿山女鹿山に阻まれて見えないのだと納得した。
ぐっと身を乗り出せば、絶壁の上の鎮守の
やしろが見える。
林道の池珍しく庫裏の戸が開いている。普段は無住なのだが、今日は住職が来て掃除しているとみえる。
そのまま境内を左に抜けると道がある。こっちへ進むのだよ。
ここから展望台へ進む道があるのだが、どうする、そうかい、今日は止めとくかい。
あれれ、比叡尾山城主の墓、こんな案内看板がある。前にはこんな看板はなかったぞ。墓ねぇ、あまり見たいとは思わないぞ、まぁ、パスしよう。
道の脇に民間の墓地がある、かっては山の上に岩屋寺の他にも住まいするひとがいたのだ。
道と合流したねぇ。これが展望台からの道なのね。下で出会って、どっちに進むか迷った道なのね。
谷の向こうに比叡尾山がある、頂上に山城があって、後に、比熊山に城を移転したということだが、山城に値打ちがあった中世の頃のことだろうね。
比叡尾山への取り付く道があるかと探してみるんだが、谷が深いしヤブも深いし、谷底が湿地になっているみたいだね。止めとこう、見れば見るほど行く気が消えていく。
山上に池が出現した。池の中にはゴムボートがあって、誰かが釣りをしているよ。こんにちわぁ、釣れますかぁ。
次の池は水量が少なくて干からびそう。
三番目の池、道は真っ直ぐのはずなんだよ、池の堤から直角に、タイヤの跡が踏み重なった道が伸びている、この道はどこへ続くんだろう。
後山町中組集落どう考えても谷を真っ直ぐに歩くのが正しいと思うよ。草深い道のほうに進んで行くね。
四番目の池、ここで昼食にしようか。日に照らされて暑いが、池の水を眺めて食事するのもええもんだよね。
ごめんなさいよぉ。堤の上に車を入れさせてください。
さっき、最初の池で釣りしていた人じゃないか。何が釣れるんですか。 ブラックバスです。
みんな、顔をしかめるでしょ。もともとこんな山奥の池には魚はいないものなんですよ。いるとしたらブラックバスです。
アユの稚魚を放流するでしょ。アユに混じってブルーギルも放流されるんです。アユの稚魚の放流で全国的にブルーギルが釣れるようになりました。
この上の池には魚の姿が見えましたよ。30センチはあったかな。
あそこの池にはね、立入禁止魚釣り禁止、と看板がありましたよね。やっぱり看板があると心が咎めて出来ないもんです。
そうですか、ゴムボートなんだからね、池の真ん中で落ちないようにね。たったひとりなんだから。
ええ、ライフジャケットも着ていますしね。気をつけます。
じゃぁねぇ。 何あれ、箱から餌を出して糸に結んでいたよね。 あれはルアー、擬似餌だよ。プラスチックやゴムで出来た偽物の餌なのさ。
後山町久光集落このへんがこのコースで一番高いところだろうな。前に歩いたのは冬で、梢の葉っぱが落ちて遠くが見えた。見えたのは庄原市域のどこかの民家なんだろうね。
今は繁って何も見えないね。あれから4年も経つと植林の苗木も成長するからね。
斜面が下り坂になってきた。植林の作業道で何度も分岐が現れてくる。どっちの道が正しいか、それは判るでしょう。
作業道には作業道の気配があるし、正々堂々の中央道はそれなりの気配があるものだよ。ま、間違えれば戻ればええさ。
民家が見えてきて、後山町中組集落、舗装路に合流して左への道を進むのだよ。
次の集落、ここも後山町久光集落、民家にぶつかったところを左に進む。
ほどなく舗装路も終わって地道に変わる。看板があって、公社造林地、城平事業地、広島県緑と水の森林公社。
郷土史の本を読んだことがある、昔々、久光城というのがあったのだそうな。城平という地名が今もあるのか、すると、城があったのはこの近辺なんだろうな。
ここからはゆるゆるとした林道の登り、振り返ると、八国見山が見えている。あれは便利な山だねぇ、姿が見えると位置の基準になるものね。
ここが穴笠町山岡への分岐、三次ハイキング、畠敷から東河内へ、ここの分岐を山岡の方向へ進んだのだよ。
さらに、とろとろと進んで峠に出る。ここが権現坂の峠なんだよ。権現とは、熊野神社のこと、その裏山の坂道っちゅうことだね。
権現坂の峠道を間違えてここの峠に
彷徨さまよい出たことがあるのだよ。迷ったぞ、ここはどこだろ、ちょうど折りよく自転車に乗った年寄りが目の前に現れた。
位置を教えてもらって納得したのだが、振り向いたら年寄りがいたのには驚いたよ。
いや、あのね、老人には驚かない、自転車に乗っているのに面食らったのだよ。里から離れている場所で自転車とはいかにも異様に見えたのでね。
車を使うのが常識と慣れてしまったので、日用品の買出しに自転車を使うひとに出会うと、別次元のひとのようで戸惑ったもんだよ。
ここからは一挙に下って行く坂道、権現坂なんだよ。
谷底に砂防ダムが見えている。へぇぇ、2004年の1月にはこんな砂防ダムは見当たらなかった。ちょっとの間にけっこう風景が変わるもんだね。
この下に、さらに別の砂防ダムがある。この砂防ダムも始めて見るよ。
林道は熊野神社から離れたところに出るのだが、昔々からの谷沿いの道がどこかにあるはずだよ。砂防ダムの周囲にあるだろうか。
あった、草に埋もれてはいるが、昔ながらの山道をみつけた。
草を踏み、イバラを避けながら進むと民家の屋根が見えてきた。
はい、出ました。この道は上からは簡単だが、逆に下から上へ進むには、道を探し当てるのは難しいだろうね。
熊野神社、拝殿すぐに熊野神社の後ろの入口、本殿の横から境内に入っていけるのだよ。
そのまま境内を突き抜けて、門前の駐車場まで戻りました。
どうだい、山に登ったという感触はないだろうが、歩いた距離はなかなかのものだろ、出会ったひとは釣り人がひとり、静かな山道を歩けただろ。

参考
2004年1月21日 備後西国三十三観音霊場 第17番 吉祥山岩屋寺
2004年1月25日 三次、岩屋寺の裏山、ぐるり一周
2007年12月20日 三次ハイキング、畠敷から東河内へ

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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