2007年8月24日
しぇるぱ単独
山域:鳥取県三朝町

国宝、投入堂の三徳山みとくさん、再び

 

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三仏寺はるか手前に鳥居今、中国薬師を巡拝していますが、三徳山の順番になりました。いえ、本堂ではなく、子院の成就院のほうです。
前にここを訪問した時、子院のことなど気にも留めなかったな。今度は子院の成就院を目指して参拝しました。
谷が深まると三佛寺が眼の前なのだが、そのはるか手前に鳥居があるんですよ。鳥居の扁額に三徳山とある、神仏混交時代の名残りなんだね。
入口の受付で、靴のチェックがある、ハイヒールや短靴は駄目で、山靴でも金具の付いている靴は駄目なんですよ。
本堂前では石段が擦り切れているので、昔からの参詣人が多いのが判る。セメントで埋めてあるので、由緒・趣きを失っているのが残念だね。
本堂裏の行場受付でもう一回チェックがある。靴で不合格のひとにも救いがあります。500円で藁ぞうりを売ってくれるんですよ。
三徳山入門受付上り下りで足許を見たが、かなりの人数のひとが藁ぞうりで歩いている。登りはええが下りがつらい、と嘆いていたな。
この山道は行場なんです。全員が行者姿、わたしも行をするひと、輪袈裟を架けて歩きます。
見ていると、駅伝のたすきのように斜めにかけるひと、首から垂らして架けるひと、わたしは、首から垂らして歩くことにしました。
赤い格子戸の向こうに赤い橋がある、宿入橋というのだそうな。
石に何やら彫りこんである、忌穢不浄輩禁登山いみけがれたるふじょうのやからやまにのぼるをきんず、はたして、わたしは条件に適っているだろうか。
ここからは急激に坂道になってくる。木の根・岩の間に土嚢を挟んであるが、麻袋は踏まれて破れてぼろぼろになっている。
三仏寺本堂の扁額前に来たのが一昨年の6月、その時はまだ袋が丈夫だったが、あれから登山者が何人も通ったんだろうね。
ここが木の根道、かずら坂という名前なんだが、木の根が踏みちぎられて地肌があらわになっている。
なるほどねぇ、入口で靴をチェックするようになったのも当然だね。ストックも持ち込み不可だものね。
人が集中するから道が荒れるのだよ。オーバーユースだね。
解決方法は、入山料を値上げすることだろうね。入門料400円、入山料200円、入山料が安過ぎるんじゃないかい。
野口英世1枚に値上げしてみたらどう?道が荒れるのもおさまるのじゃないかい。土嚢砂嚢など道の保全の費用も捻出できるだろうしね。
かずら坂年末の除夜の鐘を撞くひとを募集しているが、条件が厳しいんですよ。ゴム長に限る、アイゼンは禁止、日本一危険な除夜の鐘というキャッチフレーズです。
この条件で20名募集とネットで見たが、ヘッ電で照らして、どっさり積もった雪の中を真夜中に行くのだよ。こんな危険な鐘撞きには、わたしは応募しない。
この坂は道が幅広く広がっているんですよ。
歩き易いところを歩くから繁みの中の株の根を踏んで登る。旧来の斜面は雨に洗われてつるつるぴかぴかになってしまう。
コース取りを誤って、滑りそうな斜面で立ち往生しているひとが何人もいる。
山腹の道から尾根道へとステージが変わってきたよ。左には岩場から下へ切れ落ちていて、道を外さずに歩かなきゃと自らを戒める。
文殊堂文殊堂の懸崖根太が見えてきた。文殊堂は空中に浮いていて、床下の柱・根太は下から長く延びて床を支えている。
岩には鎖が垂れているが、まぁええわい、無理せずに脇の迂回路を登るとしよう。
岩の道から文殊堂へ引き返す。前回は修理中で立ち入りできなかったのだ。今度は軒下廊下を巡ってみよう
土足禁止、靴を脱がなきゃならないのだね。
あらら、これは、見た目以上に廊下の床板が傾斜している。前下がりになっているので、踏み外しそうで、眼がくらくらするよ。
戸板に手を当ててそろりそろりと進まないと、とんでもないことになりそうな気がする。
地蔵堂三佛寺の建物が眼下に見えるんだが、あれは入口の子院の屋根だね。落ち葉の季節には本堂と文殊堂がスカスカに見えるのだが、今の季節では無理だよ。
もうひとつ、岩場を越えて、次のお堂が地蔵堂、前回、ここのお堂は解体修理が終わっていたが、廊下を歩くのは試さなかった。
ここでも軒下廊下を巡ってみよう
お、ここは楽、文殊堂の廊下ほどには傾斜が付けていない。割とすたすた歩くことが出来る。
木の間の隙間に本堂が見える。境内の地面も見えるのだが、逆からの見通しは効かなかった。枝葉の繁る時期は無理だね。
ここから鐘楼堂がすぐで、これが日本一危険な除夜の鐘、鐘を撞きに来るのもほんまに命がけだよ。
観音堂岩の褶曲が続いていて、馬の背、牛の背、どこまでが馬の背でどこからが牛の背か解らないが、雨で濡れていない限り危なくはないさ。
納経堂、観音堂、納経堂が国の重文で、観音堂が県の文化財、重要度の度合いは見えないが、観音堂のほうが眼を引くよ。
岩の洞に食い込んで建てられているし、岩の洞の奥の暗がりを歩かなきゃならない仕掛けがステキだもの。
元結掛堂、元結とはちょんまげを結んでいる紐のことだがね、昔は元結を掛けたのだろうが、今は入口の受付でもらった厄除けのお札を掛けている。
前回ではこんな風習は見なかったぞ。今年去年のうちに誕生した新しい信心のカタチなんだろうね。
山の鼻を回れば投入堂が見える。「一番危険な国宝」と麓の店でポスターにあった。
投入堂新しく解体修理が終わったものだ。屋根の垂木の断面をうす緑に彩色してある。丹の色ではないのだ。周囲の色に合わせてあるのだろうね。
さすがに、二回目ともなると、最初の感動と同じというわけにはいかないね。
さぁ、下山しようか。
降りる道々、登るひとから質問される、まだでしょうか、あとどの位あるのでしょうか。
そうよねぇ、最初のお堂が見えるところ、ここまで来ると99%登ったのも同じ。あとは惰性で登っていけます。がんばって。
駐車場まで降りてきた。投入堂まで行きたいが、体力がなく、よう登れないひと向けの遥拝所がある、ここには行っていないぞ、どんなもんだろ。
投入堂遥拝所なんだ、ほんの近くじゃないか。ええと、投入堂は見えるかな。
見えるのは見えたが、午前中に見るべきだな。午後には日陰になって溶け込んでしまう。午前中の日の照るうちに眺めるべきだね。

参考 国宝、投入堂の三徳山、表から裏から
    中国観音霊場巡拝 第31番三徳山三仏寺
    中国四十九薬師霊場巡拝 第43番三徳山三佛寺皆成院

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