壊れたロードバイクが、修理が終わって、帰ってきました。どこかでテスト走行をしなきゃならんな。
絶好のところがある、そこへ行こう。
馬洗川に上下川が流れ込む。そこから灰塚ダムまでの川の行程がざっと11キロある。直線距離なら5キロ程度、それを、うねうねと蛇行しながら折れ曲がって流れているのだよ。
蛇行部分に絡む自転車のコースにはこんなものがある。
今回のURLが <bike-210531-joge_rv_meander> ミアンダーとは蛇行するという意味です。どの程度蛇行しているか、それを見てみましょう。
国道184号線が旧三次市と三良坂町との境界に差し掛かる。井田川に八幡橋が架かっている。このへんは道が膨れていて、大型トラックがよく休憩で停車している。
橋の西側は大型トラックが停車するナワバリだから、橋の東側の道の膨らみに駐車しよう。ここなら、スペースが小さいから、大型トラックは止まらない、邪魔にはならないだろう。
自転車を車から引き出して、走り始める。
馬洗川が南に曲がっていく。直進する川は上下川なのだよ。その馬洗川の岡田大橋を渡る。橋の上からは、馬洗川・上下川の合流点が良く見えている。
橋からすぐその先に左への分岐がある。新開集落への道なのだよ。集落を抜けて、森の中の道を登っていく。
三良坂の市街地から来た道に合流する。三良坂駅の近くから来る道なのだよ。その三叉路を左折する。
黒田集落に出る。渡る橋の名前が黒田橋、そのまんまだな。
黒田橋の次の四差路、事前の地図演習では直進すべきと学習しました、右折する道の方にはセンターラインがある、こっちが正しい道なんじゃないかい。地図演習より現地判断を優先したのだよ。
橋の名前のない橋がある。たいがい、橋には銘板があるもんだが、もともと無いのか、盗まれたのか、ちょっと心許ないね。
川の対岸からは車が往来しているのが見えているのだよ。これなら行けると判断を下したのだ。橋を渡って道が二分している、川沿いの道の方に進もう。
太陽光発電のパネルがあって、とにかく川沿いに進んでみよう、ここは田利の集落、田利のたんぼの中をあっちへ行ったり、こっちへ行ったり、道を探してうろうろしたよ。
幸いにも田植えの季節でたんぼには人がいる。川沿いに道はないようですねえ、田利から上流に行くにはどう行けばええですか。
尾根を越えて行くんよ、どこの道でもええ、山裾に取り付いてのぉ、そのまま道は一本じゃ。あの小学校の後ろに道があるんですね。そうじゃ、そうじゃ。
たんぼの中に人家はない、全部、山裾・山腹に人家が建て込んである。そりゃそうだよね、たんぼを埋めて家を建てると耕地を塞ぐよね、山の斜面は耕地にならない、建てるならそこしかないよね。
小学校は廃校になっているみたい、田利自治交流センターとして利用しているのだそうな。
ここが田利の尾根の上、尾根の上まで開発されて、川沿いはたんぼに開発されて、蛇行する半島をこんなに高度に利用し尽しているのは他ではないぞ。
尾根から下りると船津橋、名前から推察すると、ここに船の荷下ろし場所があったのだろうな。対岸に渡る。対岸には川沿いの道はないのだよ。
道は登り坂で、備北広域農道に合流する。無理すれば川沿いに下れるのだが、広域農道を真っ直ぐ行っても同じことだし、そのまま進んで仁賀交差点に到着する。
仁賀大橋を渡るが、川の名前は本村川、上下川の支流なのだよ。さらに上下川に沿って登っていく。そんなに苦しい道じゃないよ。前に使ったクロスバイクなら苦しいだろうがね。
ここが灰塚ダムの堰堤なのだよ。ダムの湖面は蛇行そのものを映し出している。
ダムを奥へ向かって行って、田戸岬まで辿り着いた。あれぇ、期待外れだ。樹が成長して展望が遮られている。落葉する秋から冬に来るべきだね。この季節では展望が得られない。
早々に田戸岬を立ち去って、湖畔の道に戻ると、ダムの噴水が見えている。ダムに酸素を供給して、水の腐敗を防ぐためなんだよ。
灰塚大橋まで到着、もうここまででええだろう。引き返そう。
ダムの堰堤まで帰って、下りの坂道を下りて行く。
上下川を渡る橋がある。時納橋、とのうはしと読むのだ。そんな読み方はおかしい。いいや、読むのだよ、ここの集落の名前が時納、読み方もとのうなのだよ。
時納の集落を過ぎて、上下川の橋を渡る。落合橋なのだよ。上下川と本村川が落ち合う地点ということだね。
県道61号線に合流する。仁賀交差点を通ることなく、三良坂市街地の方に向かっているのだよ。皇渡橋を渡る。ここからは登り坂になっている。
ちょっとした峠を越え、下ったところに田利別というバス停がある。そこに右へ向かう道がある。砕石のストックヤードがあるが、その手前の分岐なんだよ。
森の中を下る道を行くと、あれぇ、ここは来た道だ。<田利、皆瀬>の案内標識がある。ここは皆瀬へ向かうのだ。
名前のない橋を渡る。渡ったあとは、はて、どう進もう。川沿いに進んで道のままに進むべきかな。
なんとなく進む。事前の図上演習を思い出す。現地の状況に合わせて進みたいところだが、そこはシャットアウトして、学習の記憶に従って進む。
<備北農道、池田>という案内標識がある、ここが重要ポイントなのだ。向江田町の池田へ進むのが図上演習で想定したコースなのだ。
下り道の一本道、まぎらわしい分岐などない。写真を撮っていたら、自転車乗りが別の道からやってきた。へぇ、このあたりは自転車乗りの愛好コースなのかな。
上下川・馬洗川の合流点まで戻ったぞ。馬洗川の堤防に進んで、三和橋が見えている。橋の銘板が盗まれているんですよ。過去のネットのやりとりで、あれは三和橋と教えてもらったのだ。
江戸時代・明治時代の、岡田村(三良坂)向江田村(和田)志幸村(田幸)の三村が和するように、と三和橋、そういうことなんだろうね。そんな橋の銘板を盗むとは、バチアタリめ。
三和橋を渡って、駐車した場所まで戻ってきたぞ。
蛇行の様子を振り返ってみよう。
新開の半島が左岸沿いに東から西に突き出している。この半島はほぼ平ら。
池田の半島が右岸沿いに北から南に鈍角に突き出している。この半島もほぼ平ら。
黒田の半島が左岸沿いに南から北に突き出している。ここの半島もほぼ平ら。
皆瀬の半島が右岸沿いに西から東に突き出している。この半島には高低差がある。それでも全域が耕地化している。
田利の半島が左岸沿いに東から西に突き出している。尾根もあるが、流域は耕地化、尾根は住宅地として利用している。
皇渡、下仁賀での半島が右岸沿いに北から南に突き出している。川沿いは崖地で利用不可の地、川から離れた高地部分が利用されている。
時納の半島が左岸沿いに南西から北東に突き出している。ここの半島もほぼ平ら。
この先は灰塚ダム、尾根が湖面に突き出していて、ダム底では尾根と尾根の間で蛇行があったはずだ。
考えてみると、これほどまで都合のええ蛇行があるのが不思議だよ。そもそも太古の褶曲が極めてラッキーだった。蛇行はあっても尾根は低かった。
最初に、流域の低地部分を耕地化したんでしょうね。次に、半島の尾根部分を開拓して耕地化していったんでしょうね。
2万5千図を見ると、灰塚ダムの下から上下川・馬洗川の合流点までに堰が五か所ある。片袖堰ならもっと簡単に設置できる。川があるから灌漑の水には困らないのだ。
自転車、遠距離をもって貴しとせず、あるテーマを掘り下げるなら、短距離でも良しとす、なぁんてね。
近隣で似たような例を探すと、神野瀬川にある。布野・君田・山家の境界に蛇行地帯がある。ただし、ここでは流域に平野部分が少なく、大部分が山林に覆われている。
ここは尾根が高いのですよ。上下川流域のような好条件に恵まれなかった。
Google Map に拠る
毎回、区間の勾配の表を付けていますが、今回はありません。蛇行ごとに記録すると煩雑で、不必要だと判断しました。