国道54号線、晴雲トンネルから雲南市役所まで

2018年5月14日

道の駅頓原から雲南市役所まで、往復

 

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国道54号線を自転車で通してみるという試みなんですよ。広島市安佐北区可部から三次を経て赤名トンネルを抜けて島根県飯南町の道の駅頓原まで来た、これが今までのこと。
さて、道の駅頓原の第2駐車場に車を止める。一日中、スペースを塞ぐから、申し訳ないじゃない、せめては邪魔にならないサブの駐車場に車を置こうということなんですよ。
コキコキと坂道を漕いで登って、晴雲トンネルの南側入口まで到着した。ここにトンネルの銘板があるから証拠写真
晴雲トンネルをなんと読むか戸惑うでしょう。せいうんトンネルと読む。銘板にローマ字で書いてあるでしょ。
青雲~それは~君が見た光~僕が見た希望~
青雲~それは~ふれあいの心~幸せの青い雲~青雲~
日本香堂の線香、青雲のCMソングです。晴と青ではちょっと違うが、読み方は同じ、せいうんと読むのだよ、と後押ししております。
なんぼ探しても、近所に晴雲と言う地名はない。いわゆる美辞麗句の命名なんですね。三国トンネル、両国トンネル、と同様に、吉祥の名前を頂いている。
昔々の晴雲トンネルはよく知っています。ゴンゴンガンガン自動車が行き交うトンネルで、自転車で抜けようなど、ほとんど自殺行為に等しいです。
ところが、高速道路松江道が完成しました。遠距離の車は全部そっちへ行って、近距離ご近所の自動車しかトンネルを利用しなくなりました。これなら自転車にも使えるんじゃないの。
サイクリングマップがあって、やまなみ街道としてこの54号線トンネルルートを推奨しております。危険だったらこんなコースは設定しないだろう。推薦しないだろう。それなら、トンネルを抜けてみよう。
まず、後ろからの気配を探る、エンジン音は聞こえていないか、振り向いて車が来ていないのを確認して、トンネルに突っ込む。ライトを点灯して、ここにいるぞと主張する。
一台、間隔を置いて、また一台、後続車はこれだけだった。ただねぇ、エンジン音が前後どっちから聞こえてくるのか全然感覚が把握できない。音の乱反射ちゅうやつです。
やれやれ、やっと抜け出した。上空が見えるところで、GPSが電波をキャッチしているか確認する。これ、大切。GPSが寝たままで出発すると、帰ってから補綴に苦労しなきゃならない。
ここからは一挙に下って行く。ブレーキを掛けながら下って行く。わたし、後期高齢者だからね、若者のように、勢いに任せて、というわけにはいかない。
高速道路の松江道は、島根県に入って最初のインターが雲南吉田インター、これは54号線には直結していない。次の吉田掛合インターで54号線と結ぶのですよ。ここがインターへの分岐点。
掛合の市街地を通り抜けて、道の駅掛合の里に到着、ここには寄らない、近くのコンビニのほうに用がある。ここを過ぎると、三刀屋市内まで行かないとコンビニはないからね。
多根トンネルがある。出来ることならトンネルは通りたくない。トンネルの入口で迂回する道に避けることにする。
広大な従業員用の駐車場があって、島根イーグルという会社がある。機械部品の製造、従業員300人超で、このあたりでこれほどの人数を雇える事業所は少ないでしょう。
川が湾曲して流れるにつれ、舌状の平地が誕生する。そこに工場立地したのだ。トンネルで突き抜けるから、こんな工場を見ることもなく行ってしまう。
工場で道は途切れている。参ったな。見ると、三刀屋川に沈埋橋、潜水橋が架かっている。自動車も通う橋なのだが、自転車を押して渡る。欄干がないので落ちたらえらいことになるからね。
そのまま川の湾曲に沿って進んで、再び国道54号線に合流する。多根トンネルの先で、掛合町から三刀屋町に移って行く。
次のトンネルが栗原トンネル、短いトンネルなんですよ。入口から出口が見えているんだが、そこはほら、トンネルは避ける、という縛りを立てたので迂回ルートを行く。
次が殿河内トンネル、殿河内トンネルの出口側で草取り・ゴミ掃除をしている。帰りに作業員を見たが、500メートルも進んでいなかった。丹念な作業なんだね。
次が三刀屋トンネル、ここのトンネルは大きくて、あっち行き、こっち行き、二本のトンネルがある。今までのトンネルはトンネルの手前を左折したが、ここでは右折する。
かなり大きく迂回するのですよ。川を渡る橋があるが、無視してこのまま川の右岸を進めばよろしい。
いつのまにか三刀屋の市街に入って行く。この道の方が旧街道なんですよ。今の国道は三刀屋川の川沿いを走るバイパスになっている。
その国道バイパスと旧街道が合流する
この先には、高速道路の松江道があって、高架の下を潜る。
橋を渡る。斐伊川に架かった里熊大橋、木次町の里方、三刀屋町の下熊谷を結ぶ橋で、里熊大橋なんでしょうね。
橋を渡れば雲南市役所、威容を誇っている。
さて、帰ろうか。来るときは下り道だからスムーズに来たが、帰りは登り道だから2倍3倍辛いぞ。
三刀屋トンネル、殿河内トンネル、栗原トンネル、それぞれ迂回路を進んで、次の多根トンネルとの間に、「中国一の椨ノ木 高靇神社」とある。読めないでしょう、タブノキ、タカオガミ神社と読むのだよ。
タブノキは海岸に近い森でよく見る樹で、タブノキが密集して生えていて、他の木を駆逐して、タブノキの単層林を作るのが特徴です。こんな内陸に生えているのは珍しいよ。しかも一本だけだものね、珍しい。
高靇神社とは、日照りの神様で、雨乞いの神なんですね。最初に出会ったのが福山市蛇円山、頂上に神社がありました。次に見たのが安佐北区安佐南区境界の阿武山、頂上に祠があった。
高靇神社とも高竃神社とも書くんですよ。どっちもタカオガミ神社、えらく読み難い漢字だね、祭神は八大龍王だったり、京都の貴船神社の末社だったり、雨乞い信仰の系統なんですよ。
いつも自動車で通るから車を止めて眺めるわけにいかない。自転車なればこそ、じっと眺められるというもんです。
考えてみると、松江道が完成してからは54号線を行くことはなくなった。ものすごく久しぶりに54号線を行っています。見覚えはあるのだが、何やら懐かしい感じがするね。
多根トンネルを過ぎて、ここもトンネルは通らずに迂回して行って、道の駅掛合の里まで戻る。
掛合の市街地に入って、54号線から離れて旧街道の道を進む。自動車なら、こんな一方通行の道なんか入るわけがない、自転車だから脇道を進める、というもんです。
今では商店はなくなっている。ただし、道路側がガラス戸で、商いをしていたのは見て取れる。シャッター商店街というのではなく、ガラス戸商店街、早めに廃れた例ですね。
草臥れてはいるが先を急ごう。晴雲トンネルの北側にいる。トンネルの入る前に、耳を澄ます。エンジン音はないか。車が追いかけてきてはいないか。ないようだな、よし、入って行こう。
一台、もう一台、さらに一台、ばらばらに追い抜いて行った。固まって抜かれると、風に煽られて、吸い込まれたり、突き放されたり、ハンドルを取られて困るんだよね。ばらばらに追い抜いてくれるのが一番ありがたい。
トンネル内の車道と自転車歩行者部分を別けるペンキがあるのだが、盛り上げて点線状態に塗ってあるのですよ。デコボコで、ガタガタガタガタ、自転車が揺れる、揺れる。
やっと出た。出口を振り返ると、通行される方は下のボタンを押して下さい、押したらどんなことが起きるんだろうね、押さなかったがね。
ここからは下り坂、楽々な道で、道の駅頓原に戻ってきました。ざっと言えば、行きが3時間、戻りが5時間、やっぱり登り坂は辛いよねぇ。
道の駅頓原、第2駐車場 晴雲トンネル、南側入口 松江道吉田掛合インター分岐 道の駅掛合の里
多根トンネル 栗原トンネル 殿河内トンネル 三刀屋トンネル
三刀屋の旧街道 高速松江道と交差する 雲南市役所 晴雲トンネル、北側入口
参考
2011年10月11日 島根の斐伊川、下流域、中流域
2011年10月17日 島根の斐伊川、中流域
2012年_4月28日 頓原から三瓶山往復
2018年_5月_5日 国道54号線、県境の赤名峠を行く
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