庄原比和、三河内の[つなぐ棚田遺産]を行く

2023年_3月30日

庄原市役所比和支所を出発、時計回りに南下して、国道432号線に合流して戻る

 

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今まで何度も訪れているのだが、今日は、あらためて視点を変えて眺めてみたいところがあるんですよ。それは比和の三河内の風景。
庄原市役所の比和支所に到着、合併前の比和町の町役場なんだよね。
出発前にトイレを借りて、体を軽くしておく。こんなことがあるので、自転車乗りは平日にするようにしているのだよ。土日は役所が閉まってしまうのでね。
支所に併設して隣に比和自然科学博物館がある。帰りに寄ろう。駐車したお礼も兼ねてね。
出発、最初は国道432号線に沿って比和川沿いに進む。郵便局の手前に大きな橋がある。橋を渡れば県道58号線、西城へ向かうのだよ。
市街地の北端が見えている。昔は栄えていた商店街なんだが、今は営業中の商店はあるのやら、ないのやら、完全に休眠中の商店街になっている。
大きく反転して道が折り返す。比和谷を横断して坂道を登っていくのだよ。坂道のてっぺんが峠、峠の名前は不詳、比和谷と福田の谷の間の峠なんだよね。
福田の谷へ下りて、谷を登っていく。谷の奥に大きな山が見えている。福田頭、国土地理院の地図には毛無山と載っている。
写真の手前の山は無視して見てね、奥の山々が福田頭なんだよ。

2003年_9月_2日 福田頭は地元名、毛無山は官の名前
2010年_9月29日 別名毛無山の福田頭ふくだがしら
福田の集落の分岐がここ、たいていの観光客・登山客は右折するが、ここは県道を直進するのだよ。
登り坂を経て峠に至る。峠からは谷が見渡せる。ここが三河内の谷なんだよ。ここを自転車で二回通っている。

2010年10月_4日 庄原、比和、西城、庄原市北部一周
2021年_6月28日 西城から比和へ、また西城へ
三河内と言っても広いのだよ、南は勝光山から西城との境界に沿って、井西山、福田頭、池ノ段、比婆山、烏帽子山、吾妻山と、ずっと三河内なんだよ。江戸時代のころは三河内村と単独だったのだろうと思うよ。
三河内の読み方だけどね、国土地理院の読み方は[みつがうち]、郵便局の郵便番号での読み方は[みつがいち]、[みつがいち]のほうが世間の呼び方だと思うよ。
おおざっぱに言えばここも三河内なんだが、大字小字でいうと、ここらへんは小和田で、小和田北、小和田東、小和田南と分れているのだよ。
最初は小和田の西の谷を見ている。なだらかに南西方向に棚田が下がっている。
西の谷と東の谷の間にくさびのように尾根が取り残されているのだよ。両方の谷を見下ろす位置に寺がある。慶雲寺、曹洞宗。
寺の前の道から棚田が見え、少し角度を振ると、三つ子山が見え、西城との境界の峠(坊地峠)に今櫛山が突き出しているのが見える。
三つ子山という名前に影響されて南の三連山を三つ子山と間違えるのじゃないよ。三つ子山とは名ばかりで単独の山なんだよ。たんぼからの眺め、三つ子山と今櫛山

2012年_9月_7日 庄原市、比和と西城の境界、今櫛山
2014年_9月15日 朝飯前、いや、昼飯前の三つ子山(比和)
2016年_7月31日 庄原市、比和と西城の境界、今櫛山2
谷の中の道は東西に分れる。西に向かえば単純に下りるだけ。東に向かえばもっと複雑なコースが取れる。東に向かおう。
この谷は、「つなぐ棚田遺産」に登録されているのだ。もともとは棚田百選があった。発展解消して271個の「つなぐ棚田遺産」が選定されたのだそうな。
つなぐ棚田遺産の一覧マップがここにあります。それぞれの地方ごとに拡大してみてください。
なぜここ小和田に棚田が開拓されたのか。それはね、かんな(鉄穴)流しの結果なのだそうな。
たたら製鉄では砂鉄を木炭で溶かして玉鋼を生産する。その砂鉄を採集する方法がかんな流しなのだ。上流の水の流れをせき止めて一挙に流す。土砂は下流に流れて、比重の重い砂鉄が残る。
砂鉄を取った跡は開墾したのと同じ状態なのだ。そこを棚田に区切って稲を栽培した。これが小和田の棚田の起こりなのだ。
東の谷を走っているうち、直進するか、右折するか、迷うところに出てきた。地図的な広がりを求めるなら直進だよなぁ。センターラインが引いてあるのは右折して谷を横断する道だ。
右折する道にする。水流で攻め切れなかった尾根の部分を突っ切って、西の谷のメインの道に合流した。
少し下がると、東の谷の出口と合流した。これで三河内の棚田探索はおわり、谷の出口へ向かっていく。
国道432号線に合流した。ここは木屋原下、比和のメインコースだけに、自転車で走った記録がある。

2010年10月14日 庄原西半分、庄原、比和、高野、口和
2021年_3月_1日 江の川・西城川水系、比和川を源流まで
もうちょっと先に木屋原中、国道と交差して緑資源幹線林道の道がある。池の段の下の県道255号線から始まるのだよ。福田頭の分岐あたりでそのコースと合流した。
この先作木の江の川で終点になるのだよ。構想はもっと壮大だったが、官製談合がばれて、いろいろと名前を変えて延命を図ったが、とうとう公団は後継組織を含めて解散になってしまった。
緑資源幹線林道は不名誉な道と名指されて、今はどこが道の保全を行っているのだろうね。

2016年_6月_3日 緑資源幹線林道 比和から口和
もうちょっと頑張れば比和の町も近い。商店街に入ってみる。商店街のスズラン灯があるが、もう電気代を負担する力はないだろうな。
引き返して、裏通りから比和支所に向かう。国道の下に、トンネル、カルバートがあって、坂道を使うことなく比和支所に戻ることができる。
あとで、博物館に入りました。意外に収集物が多いのだよ。モグラの博物館という名前で覚えていたのだが、ずいぶんと範囲が広がっていた。
今回は楽なコースだった。峠でも一度も下りて自転車を押すことはなかった。そりゃぁ、歳だもの、一挙に登り切るのはムリだよ。途中で足を突いて息を整えるのはノーカウントにしてちょうだいね。

 

  標高   隣との標高差 出発からの距離 隣との距離差 区間の勾配
比和支所 417m
比和谷 469m 52m 2581m 2581m 52/2581=2.0%
最初の峠 498m 29m 2965m 384m 29/384=7.6%
峠の下 464m 34m 3392m 427m 34/427=8.0%
二番目の峠 567m 103m 5915m 2523m 103/2523=4.1%
慶雲寺 544m 23m 6685m 770m 23/770=3.0%
国道に合流 386m 158m 12432m 5747m 158/5747=2.7%
比和支所 417m 31m 16801m 4369m 31/4369=0.8%

 別ページ、轍のページに、断面図=プロフィールマ ップがあります。傾斜の凹凸はそっちのほうがより感覚的に理解できると思います。

庄原市役所比和支所 比和谷での大曲り 最初の峠 福田頭
二番目の峠 慶雲寺 どっちか迷う分岐 西の谷の道に合流
東の谷の出口 国道432号線に合流 木屋原中 比和の商店街
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