高暮ダムへ行こうと思っていたんですよ。去年はずっと工事中で県道は塞がっていた。今年の春には工事が完成したようなのだが、こっちの都合が悪かった。
機運が熟してきました。いよいよ高暮ダムへ行こうかね。
道の駅ふぉレスト君田に車を止めようかね。同じ敷地に君田温泉森の泉がある。この温泉、累積債務で倒産してしまった。肩代わり企業を探しているが、どうなることやら。
道の駅だけでは集客力に乏しい。駐車場はガラガラだよ。車から自転車を引き出して出発しよう。
道の駅からすぐに県道が二つに分れる。左の道を行こう。神野瀬川に沿って進もう。
川の名前は神野瀬川、高暮ダムの別名が神之瀬湖、下流の三次市山家町の川沿いの小字の名が神之瀬集落、高速道路松江道の高野インターの次の橋の名前が神之瀬川橋だったり。
神野瀬だったり、神之瀬だったり、その場その場の都合次第でころころ変わる、油断ならんのですよ。
君田発電所の前を通る。ここでは発電所の水路の水を川に放流してはいないのですよ。そのまま西城川の森原発電所に導水する。ここで神野瀬川の水を西城川に放流しているのですよ。
どっちにしても江の川に放流するのだからね、水利権の問題はクリアしている、のだろうね。
川の対岸には高幡山、判官山がそびえている。高幡山にはもっと下流から登らなきゃならない。判官山には中電の巡視路があるからここから登るのをトライしてみたが、登れません。高幡山から登れば簡単に登れる。
宮が原という集落が広がっている。杵築神社があるから宮が原という名前にしたんだろうな。
元慶2年(878年)に勧請したと案内板にある、平安朝前期のころなのだ。
出雲大社は明治になってから改名したので、もともとは杵築の大社だったのだ。現在でも、出雲大社の住所は出雲市大社町杵築東なのだよ。
さっきの君田発電所のあたりから高暮ダムの市境・県境まで櫃田という住居表示の呼び名です。大字とも言う。[ひつた]と読むのだが、聞き耳を立てていると[ひちた]と発音している。唇の開け閉めが楽だからね。
御所が原という川筋平野に出る。御所がこの近くのどこかにあったのかなぁ。
中野原に到着する。田和瀬の番神さんがいる。
番神さんとは賽の神などと同様の民俗信仰で、神社本庁には登録されない神々なんですよ。子どもを守る神さんで、ここにも神社があるし、下流の櫃田小学校跡の近くにもある。
番神さんのモニュメントが天神さんなので、ここから御所が誘導されて、御所が原が誕生したのかしら、知らんけど。
沓ヶ原ダムまで登ってきた。ここから君田発電所まで発電水路が延びているのだ。ダムは満水状態で目出度いねぇ。
川の向こうに林越しに神野瀬発電所が見えている。高暮ダムからの導水管で発電しているのだ。
最後の家屋を過ぎて、誰もいなくなる。熊が出やしないかと、チリンチリンと自転車のベルを鳴らしてみる。この程度じゃ脅しにもなんにもならないがね。
短いトンネルがある。尾根を工事するのにトンネルにしたのだ。ごく短いトンネルですんで良かったね。
川の中に茗荷谷鉱泉が湧き出している。アブクがぶくぶくと噴き出しているのが見えている。鉱泉なのだ、温泉ではないのだ。これでは温泉旅館にならんよなぁ。
神野瀬川に淵がある。下から三番目くらいの淵、ここから道は神野瀬川から離れ始める。
小庵の滝の入口に到着。名前にあるように小ぶりの滝です。
自転車を押して歩く。三次市と庄原市の境界に達する。ここから道の傾斜は緩やかになる。
高暮ダムの堰堤に到着、ここには12年ぶりにやってきた。堰堤が深く切れ下がっているなど覚えてもいなかった。まったく忘れていた風景なんだね。
ダムの湖面は下がっている。下の沓ヶ原ダムは満水だった。こんなに水量が乏しいのは通常の状態なのだろうか。今年が異常気象だったのだろうか。
湖面に沿って登って行くが、林が邪魔をして湖面が見えている風景には出会えなかった。
赤い橋がある。藤淵橋というのだ。ほぼこのあたりがダム尻なのだが、この辺りは水がなくて荒れた状態だなぁ。
川に沿って登って行くが、おっと、ここは直進すべきか、川沿いに下りて行くか。しばらく考えた。山沿いの道なら間違いない。川沿いの道ならショートカットになるんじゃなかろうか。
川沿いの道を選択、小学校の廃校があって、方向案内の矢印があるが、この時点でわたしの空間認識が混乱しています。矢印の方向が信じられない。
大谷橋という名前の橋を渡って、橋の下の川の流れを見ても、どっちが上流か下流か、こっちが上流だろう。
ふらふらと自転車を走らせて、おっ、誰かいる、道を聞こう。高野へ行くにはこっちでしょうか。
反対に来とるよ。逆じゃがのぉ。このま進むと高暮ダムへ行くよ。橋まで戻りんさい。川の流れをよぅ見ての、どっちが川上かよぅ見てみんさい。
大谷橋まで戻って、川の流れをよぅく見てみると、ほんまだ、川の流れを逆に見ていた。大袈裟に言えば空間識失調、平たく言えばぼんやりしていたのだ。
さっきの迷った分岐で、山沿いの道を行けば、間違いなく上流への道を失うことはなかったのだ。何度も橋を渡るので、その度に流れの方向が変わって、上流下流の認識が怪しくなってしまったのだ。
このまま進んで、県道39号線への分岐までたどりついた。自動車なら高野インターチェンジに進むところなのだよ。
ここまで疲労が蓄積しているので、坂道を漕いで登るのがしんどい。とてもじゃないが押して歩かなきゃもたない。
ここが札が峠、峠で高野町下門田と口和町竹地谷とが分れている。
竹地谷とは長い大字で、峠のてっぺんから麓のほたる見公園、谷の出口まで一続きの大字なのだ。
途中、下芦原のあたりで野呂山への登山路取り付きがある。
下竹地のバス停あたりで、吾妻山、宮東山への登山路取り付きがある。
高速道路松江道の下を潜って口和の里まで戻ってきたのだ。
ここが高速道路松江道の口和インターチェンジ、ここからは君田の方向へ向かう。
しんぎょう峠を越える。この峠が庄原市口和町と三次市君田町の境界なのだ。
峠からはすぅいと下りてきて、道の駅まで戻ってきたよ。
久しぶりの、58キロ、8時間越えのコースだった。12年前に同じコースを5時間半で走っている。こんなに差がある。歳取ったもんだなぁ。
|
標高 |
隣との標高差 |
出発からの距離 |
隣との距離差 |
区間の勾配 |
道の駅 |
237m |
|
|
|
|
小庵の滝の下の淵 |
368m |
131m |
17296m |
17296m |
131/17296=0.8% |
高暮ダム堰堤 |
463m |
95m |
19913m |
2617m |
95/2617=3.6% |
県道39号線出会い |
537m |
74m |
35462m |
15549m |
74/15549=0.5% |
札ヶ峠 |
650m |
113m |
39766m |
4304m |
113/4304=2.6% |
道の駅 |
237m |
413m |
57171m |
17405m |
413/17405=2.4% |
別ページ、轍のページに、断面図=プロフィールマップがあります。傾斜の凹凸はそっちのほうがより感覚的に理解できると思います。