2006年7月28日
しぇるぱ単独
山域:広島県三次市

林道の奥に、布野冠山2

 

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旧村役場の後ろに稜線冠山はいくつもあるけれど、一番手近にあるということで、布野冠山には愛着深いものがある。
上布野、下布野、麓の集落からは前の山が邪魔をして冠の姿を見ることは出来ないのだよ。
布野でも、冠山から北へ離れて、島根県への国道の傾斜がぐっと登り加減になるあたりで、振り向くと、おぅ、冠の姿を現してくれる。
女亀山を目指して、布野から作木へ向かうと、山腹を縫う県道からも姿が見える。
一番顕著に見えるのは、三次南郊の風土記の丘からワイナリーあたり、このへんでは、丘陵の上から先端がポツンと尖った山がよぅく見えます。
周囲から先に命名されて、現地では、そんな山があるのかい、と認識した例なんだろうね。
前回は単純に山頂を往復したのだった
布野冠山は、布野と君田の境界にある。君田からの道は今でも健在なのだろうか。
バイクのレポを見ていると、林道はさらに続いていて、ぐるっと円を描いて戻ってこれるのだそうな。
山道で林道で、バイクに出会うのは嫌いだけれど、情報は別だよ、好き嫌いとは別の範疇だ、有効に使わせてもらうよ。
畜魂碑の分岐を左にとなると、駐車する場所は旧村役場だな、三次市役所布野支所、ここに止めるとしよう。
山へ行ってんですか、ほぅ、冠山へ。ぼくも山へ入るんですよ、測量したり、杭を打ったり、仕事よね。気ぃつけて行ってきんさい。
警察の駐在所の前を通らにゃならん、こっちを見てるぜ、呼び止められた。
どこへ行ってんの、冠山ね、熊はどうかのぉ、まぁ、注意しての。林道は崩れとる箇所があるそうなけ、落ちんように。
役場の職員や警官から声かけを受けるということは、異様に見えた、ということかもしれないぞ。
登山者が少ないから目立つのかしら、登山者を装いながら空き巣を狙っていると見られたのかしら。
坂道を登って行きながら、横目で観察、このへんの住宅は農家仕様ではないなぁ、古びているから戦争後すぐの分譲住宅なんだろうな。
登りきったところで道がふたつに分かれている、畜魂碑と石塔があって、後ろに牛舎が見えるところ。
普通は、ここに車を置いて左の道に進むんだよ。今日は、ぐるっと一回りするつもりだから、ここには駐車しなかった。
左の道は、左右に牛舎を見ながら通る道、ホルスタインが全員そろってこっちを見ている、大勢の牛に見られていると何やら恥ずかしいもんだね。
通信鉄塔が二本ここからは谷道の林道になる。キャタピラの跡があるから、道の補修に重機を入れたものと見える。
重機で踏んでいても道は
草生くさむしているよ。
ここで一言、
すという言葉は草生くさむすの他の用例は見たことがないぞ。
海行かば
水漬みづかばね
山行かば
くさむかばね
大君おおきみにこそ死なめ
かへりみはせじ
大本営発表でNHKが放送するとき、赫々たる戦果を挙げたとき、まっもるもせっめるもくっろがねのぉ、今じゃパチンコ屋のテーマソングだがね、軍艦マーチを流したんだそうな。
負け戦のときは、海行かば、鎮魂の曲を流したのだそうな。
布野の街道、メインストリート作曲者は、曲の最後をクレッシェンドで元気に歌い上げるよう指定したそうだが、実際は、ピアニシモ、消え入るように歌うのが通例なのだそうな。
何が言いたいの、きみ。
いや、あのね、
草生くさむしているとね、死体が隠れているんじゃないか、しゃれこうべが草の根元にあるんじゃないか、草生くさむかばねから離れられないのですよ。
谷から離れて山腹を横切りながら進んで行く、前に来た時は、青葉が繁る前の季節だから布野の街道がよく見えたが、今日はダメだ。枝葉が繁って隙間から眺めるしかないぞ。
尾根の突き出し部分に、測量の赤い旗があるが、これは国土地理院のものではないよ、自治体の測量なんだろうね。
役場支所のおっちゃんの仕事だろうし、国土調査と銘板のある杭を見たことがあるしね。
道に沿って、電柱が連なり、電気電話が繋がっている。この先には、通信鉄塔が二本あるんですよ。
ひとつはDoCoMoのものだよね、もうひとつは判らない、名前が名乗ってなかった。
林道から布野冠山への取り付き点電話線がね、光ケーブルなんですよ。ああいうものは無線塔だと思っていたが、光ケーブルでもバックアップもしているんだねぇ。
NTTの光ケーブルだが、DoCoMoだけじゃなくもう片方にも繋いであった、他社線だということで断るわけでもないんだね。
電気料金はメーターを置いて従量制ということはないだろ、固定料金だろうねぇ。
毎月、林道の奥へメーターを記録しに行くわけにはいかないもの、お願いしてでも固定料金だろうねぇ。
道を曲がって折れて、最初の通信鉄塔までたどり着いたぞ。ここがDoCoMo、もう一汗かいて、二番目の鉄塔にたどり着くんだよね。
二番目の鉄塔の下の道から、布野の街道がよく見えるよ。登り始めの牛舎まで眼下に見える。
布野の街道から見えるのはここまで、ここから先は山の反対側に向かうことになる。
前に来た時には、崖に衝上断層の看板があったが、今は取り払われて何もない。断層の断面を眺めてもどこが特徴的なのか全然判らなかったもの。文化財登録から抹消しても問題ないのじゃないかね。
どこに行っても、衝上断層と看板を見ることは多いのですよ、沈下断層、陥没断層というのは見たことがない。
布野冠山三角点尾根を重機で破砕して切り通しにしてある。
ここから先は南の風景が遠くまで見える。カンノキ山鷲ノ巣山は特徴的ですぐに判るぞ。世羅台地の明神山もそれと判る。
稜線のすぐ下を水平にずぅっと林道が続いていく。雨水で掘られたところも重機で補修してあるので、きわめて歩き易い、快適だね。
旧堤と看板があるのでのぞいて見ると、池がある。
きわめて狭い範囲で雨水を集めているのにたっぷりと貯水してある。
ここに限らず、山のてっぺんで池を見ることが多いが、よくまぁ、こんなとこで工事しようと決心したもんだね。ちゃんと池の水が溜まっているのが不思議だよ。
この先は、君田との境界を歩いていることになる。道から下を覗くと、集落が見える、君田の茂田集落なんだね。稜線と集落の間に、落差はあまり無いように見えるよ。
道の先に丸い山が見える、冠山のてっぺんも近いと判断できるよ。
道は崖鼻を迂回する、ここだ、ここが布野冠山への取り付きなんですよ。
崖に取り付いて、笹につかまりながら体を引っ張り上げて行く。ここから先は笹原の中、踏み跡があるような、ないような、足で探りながら進むしかないね。
国道54号線と合流振り返りながら、帰る道のポイントを覚えておいてね。頂上までの道は短いのだが、方向を間違えて降りるとえらいことになるからね。
笹原の中に頂上がある。頂上看板は古くて朽ちてしまいそう。笹の中を足で探れば三角点があった。
方向を間違えずに降りて行こうね。さぁ、降りた。ここは冠山と湯谷山が繋がるタワの部分なんですよ。
林道は北へ降りていっている、今日の目的は、この林道がどこへ出て行くかを確かめることにある、さぁ、降りて行こうか。
ここから先はメンテナンスするのを止めているね。草は繁ったままだし、いててて、イバラが成長してひっかかる。
道は何箇所も崩壊している、ここにトラックを通すにはえらい難儀な作業を重ねなきゃならないぞ。
振り向けば、丸い山が見える、冠山の頂上部分なんだよねぇ。
国道54号線の筋が見える、その先に見える山は女亀山に違いないな。
北へ視線を変えて 、あの山この山、何と言う山だろうねぇ。あれは判るぞ、猿政山、毛無山大毛無山。毛無牧場が隣接している風景に見覚えがあるよ。
林道はどんどん下へ降りて行っている。地図では、君田への道があるようになっているが、そんなものあるかい、廃道化しているのだろうね。
フランチェスカの鐘、記念碑水を全部飲み尽くしてしまったよ。谷川の水を補給して暑さに備えなくてはいけない。
この林道をバイクで走り抜けた、ということだが、倒木はいっぱいあるし、道が崩壊しているところもあちこちあるし、走るなら覚悟して参戦してね。
やっと林道の分岐に出てきた、タイヤ跡が薄いほうから合流したのだよ、逆に進むと、まず間違うだろうね、反対コースはお勧めしないよ。
あぁ、やっと人家が見えてきた。どこでも人家に出るところは風景が同じなのはどうしてなんだろうね。
こういう風景、家の配置は何度も見てきた、デジャブーちゅうのか、記憶の区別がつかないぞ。
ここからはセメントの道、暑い季節にこんな道を歩くのはくたびれるのだよ。
国道に出てきた。バス停があって明谷というのだとさ。バスの本数が少ないね、時間が合わない、歩くしかないか。
トンネルの手前で記念碑がある、フランチェスカの鐘 双葉あき子ゆかりの里とある。
双葉あき子て岸壁の母かい。それは双葉百合子、浪花節の演歌だよ。東海林太郎、藤山一郎などと同時代の大昔のひとだよ。時代が古すぎて、フランチェスカの鐘の歌も知らないし、どういうゆかりがあるのか看板もないぞ。
湯谷山と鉄塔の稜線トンネルを抜ければ近道なんだが、危ないよね、このまま旧道を迂回して歩こう。
湯谷山がそびえている、この裏側に冠山があるなどうかがいようもないよ。
湯谷山と通信鉄塔の稜線の間に深い谷が刻まれている、この谷を詰めれば冠山に到達するんだがね。
やっと旧役場まで帰ってきたぞ。
無理やり林道を歩いて一周したけどさ、お勧めしない。面白くない。
枝葉の葉っぱが落ちた頃、畜産団地から布野冠山まで往復するのならええだろうね。ずっと林道を歩くので展望はあるし、草道で悩まされることもない。
この時期、低山を歩くのは、役場の職員や警官がいぶかしがるのも道理だね、ただただ暑い。暑くてたまらない。
冠山コレクション・リスト
    2000年_7月29日 冠山(福井県池田町、岐阜県揖斐川町)
    2003年_9月30日 中野冠山(広島県北広島町)
    2003年11月12日 可部冠山(広島市安佐北区)
    2004年_4月_1日 布野冠山(広島県三次市)
    2005年11月30日 石見冠山(島根県邑南町)
    2006年_1月30日 可部冠山2(広島県北広島町)
    2006年_8月_5日 湯来冠山(広島市佐伯区)
    2006年_8月16日 久地冠山(広島市安佐北区)
    2007年_3月12日 冠岳(広島県廿日市市、大竹市)
    2007年_7月19日 田ノ原冠山(島根県邑南町)
    2008年_6月12日 吉和冠山(広島県廿日市市)
    2008年_8月_3日 吉和冠山、正面(広島県廿日市市)
    2008年_9月28日 吉和冠山、正面2(広島県廿日市市)
    2008年10月16日 都賀冠山(島根県美郷町)
    2012年_4月17日 石見冠山2(島根県邑南町)

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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