2006年1月30日
しぇるぱ単独
山域:広島県北広島町

可部峠の北から、可部冠山、堂床山

 

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国道から可部峠への分岐可部冠山を北側から眺める機会も増えてきました。谷を隔てた正面の位置に海見山があります。一番手近に眺める位置なんだがね。
海見山の編集をしたとき、可部冠山についてあいまいなことを書いてるでしょう。実は、どれが可部冠山なのか判断が付かなかったんですよ。
谷底に中国道、国道が走っている、そこから見上げても、どの山が冠山か判然としないんですよ。
よぅし、北から登ろう。冠の尖がり具合を体で感じて納得しよう。
幟に誘導されて、よみがえりの水の駐車場に到着したよ。どうもこの位置では峠の方向を指しているような気がしないんだがね。
聞き込みした結果、可部峠はここじゃないんだとさ。
可部峠の御神水湧き水がもう一箇所あるんだそうだ、そっちから可部峠の道が始まるということだよ。
やりなおし、元へ帰って、もうちょっと進む、なるほど、幟が出てる、可部峠の御神水、ふむふむ、今度は間違いないぞ。
水場には伊勢神社が祭ってある、地名も伊勢坊谷だし、御神水のいわれがここにあるのだろうね。
駐車場が整備されて広々としている、ちょいと止めさせてくださいねぇ。
民家と神社の方向と別れて、真っ直ぐに林道を進む。雪に覆われて歩きにくいねぇ。
へこ、くしゃ、へこ、くしゃ、雪の表面が凍みて固いのやら、抵抗せずに踏み崩れるのやら、雪面に足を下ろしてみなきゃ判らない。
可部峠、茶屋跡一足毎に、膝を柔軟にキープしながら、表面をステイするか、底まで踏み抜くか、対応していくのはけっこう疲れるぜ。
林道は、大きく迂回しながら進んで行く、今年の雪は重くて大量に枝に積もったので、耐えかねて折れた樹があちこちで道を塞いでいる。
柔らかい木は、雪が積もるに任せて、地面の雪の中へ頭を差し込んでいる、無抵抗主義だね。激しく抵抗して折れるよりもマシかもしれないね。
こいつは通るのに邪魔なんだが、雪が融けると、ピンと空に伸びるんだから、邪魔なのは今だけなんだよね。
峠の茶屋跡に出てきた、長助茶屋という名前で大正14年まで営業したそうな。敷地からすると、ずいぶん広い店だったように見えるね。
残った石垣からすると旅館二軒があっても不思議じゃないぜ。違ったかな、店は小さくて、周囲は全部畑だったのかもしれない。
可部峠往時は、石見街道で、浜田の藩主が参勤交代で通う官道だったのだそうな。明治以降も、よくまぁ大正末期まで茶屋が営業できたもんだ。
自動車の道が付け変わり、そこに路線バスが走り出すと、さすがに山道はひとが途絶えた、こういうことなんだとさ。
ここからもう少しで可部峠だ、石ころだらけの道を踏んで、峠の上に出たよ。
正面は南原峡、左へは大掛山、右への道が可部冠山なんですね。
この道は、前に来たことがある、南原峡から西冠山、冠山、南原峡と一周したもんだよ。
可部峠から南原峡への道は、石ころだらけの、これが往時の街道とは到底思えない道だった。補修を止めると、このように自然に帰ってしまうんだよね。
可部冠山峠から山頂まではたいして時間のかからない道だった。傾斜がきついのは、ぅむ、覚えている、こんな感じ、こんな感じ。
可部冠山の頂上へ着いたぞ。山頂には岩があって、そこから展望が効くのだよね。
正面、南原峡を見下ろす。振り向いて、海見山の方向を見る。
冠山の両翼の山から尾根が迫り出してきている。麓からは、尾根に遮られて冠山が見えない場合があるのだ。
南からは、山の背丈が伸びやかに見えるが、反対からは、尾根と尾根の隙間から、頂上が見える位置を探しながら歩かなきゃならんのだ。
これで求めるものの回答は出ました。これでええのかな。何か物足りないね。明神ダムの向こうに堂床山が見える。あそこまで行こうよ。
可部冠山から堂床山可部冠山からの向こう斜面だが、足跡からすると、あまりひとが歩いていないなぁ。ケモノの足跡のほうが優勢だよ。
ふたつに割れたヒヅメの足跡なのでイノシシかシカか迷ったが、糞で判定できました。ウサギやヤギと同じ粒々の糞、これはシカの足跡だね。
急降下の道の次は、ゆるゆるとしたタワミの道、登ったところが西冠山なんですよ。
ガイドブックには山名が出ている、だけど、現地には、ここが西冠山と山名標示はありません。自分で、一番高いところを、ここがそう、と決めればよろしい。
堂床山、冠山、南原峡、と案内標識がある。堂床山に80分と落書きがしてある、雪の道だからもっとかかるだろうな。
堂床山の方向へ歩き出す、ふと、振り返って見ると、あ、丸い山、なるほど、冠だぁ、西冠山とはちゃんと姿を映した名前だったんだね。
堂床山への稜線から尾根沿いに進んで行くんだが、杭が打ってあるんですよ。数えながら進んで行って、87、88、このあたりで南に曲がる、ターニング・ポイントだ。
水平なような、登り下りがあるような、どこにもありそうな道を進んで行くんですよ。
お、直登の道だ、一気に登って行こうよな。登ればそこが堂床山の頂上?まだ80分の時間は消化していない、そんなに簡単なもんじゃないよね。
登り詰めたぞ、道は水平に続いて行く。ありゃ、意外な高度まで山が背伸びしている、ははぁ、あれが堂床山なのか。
ここは前山だった、急傾斜をいったん下っていく、そこから反転して急傾斜がまた始まるんだよね。
カシミールの断面図をみてちょうだい。ここからは、一気一気の急傾斜の登りが始まるんですよ。
堂床山雪がかぶさっているんでね、足許をきめるのに踏ん張り難いんだよね。登り切った、と思ったが、また急傾斜が待っている。
登り切った、という錯覚を二度繰り返す。岩場を歩いているし、アセビが出現するようになったし、頂上は近いと思うよ。
アセビの林が大量に現れると頂上になる、このフレーズは信じてええと思うよ、今まで常にそうだったもの。
斜面を登り切って、今歩いているのは頂上部の平らなんだろうな、アセビの林の中を抜けると、堂床山頂上、三角点だった。
木立の中で、展望は全然無理、展望地への矢印があるので探してみるが、雪が腐れてズボズボ踏み込むので探すのをあきらめた。
今年の雪は重かったんだろうね、雪の重みで枝が折れてる、荒れた風景になってしまっているねぇ。
雪の被害さて、戻ろうか。帰る方向を間違えないようにね。
帰る道々、明神ダムの湖面が透けて見える、木立に遮られてなかなか全貌は見えないがね。
可部冠山を越えて、可部峠も越えて、林道を戻っていくのだが、雪がね、朝はまだ固い部分があった、今は全部ぐちゃぐちゃで靴に水が浸みてきたよ。
さっささっさと大股に歩くのだが、突然、足を取られて前へ転んだ。ズッデェン、大転倒。
林道に溝がある、雨水の流路が深く溝をえぐっているのですよ。そこが雪のクレバスになっている。踏み抜いて、足を絡まれて、そのまま前にコケてしまう。
あせっちゃいけないね、落ち着いて歩こうね。さぁ、もとの駐車場所まで戻ったぞ。
冠山コレクション・リスト
    2000年_7月29日 冠山(福井県池田町、岐阜県揖斐川町)
    2003年_9月30日 中野冠山(広島県北広島町)
    2003年11月12日 可部冠山(広島市安佐北区)
    2004年_4月_1日 布野冠山(広島県三次市)
    2005年11月30日 石見冠山(島根県邑南町)
    2006年_7月28日 布野冠山2(広島県三次市)
    2006年_8月_5日 湯来冠山(広島市佐伯区)
    2006年_8月16日 久地冠山(広島市安佐北区)
    2007年_3月12日 冠岳(広島県廿日市市、大竹市)
    2007年_7月19日 田ノ原冠山(島根県邑南町)
    2008年_6月12日 吉和冠山(広島県廿日市市)
    2008年_8月_3日 吉和冠山、正面(広島県廿日市市)
    2008年_9月28日 吉和冠山、正面2(広島県廿日市市)
    2008年10月16日 都賀冠山(島根県美郷町)
    2012年_4月17日 石見冠山2(島根県邑南町)

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詳細地図、地図上でどこで撮った写真なのか解ります




カシミール展望図をつけました。立体的に地形が浮き出て一目でイメージを把握できます。


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